勇者と剣豪
日向迅視点
「侵入者だ!」
盗賊たちの声が盗賊の村中に響く。盗賊はカラクが優先的に対処していた。オレは奴隷の方の対処だ。
「フォルトゥナ! 足止めを頼む!」
「わかった! 『シャドウバインド』」
フォルトゥナは襲いかかる奴隷の影を攻撃していく。
「ナイス! フォルトゥナ!」
オレは拘束された奴隷たちに触れ、異能を発動していく。
『奴隷解放』
『奴隷解放』
「動ける奴はフォルトゥナのところに行ってろ」
解放した奴らを保護しながらオレたちは進んでいく。
「フォルトゥナ! まだまだ奴隷がこっちに向かってくるようだぞ」
見るとこちらの方に奴隷が向かっていた。
「フォルトゥナ! 救助した奴らの体調は!」
奴隷の頃に過酷な労働環境に立たされていたからか自力では立つことの出来ないものもいた。
「今、回復させてる。『神聖魔法』」
フォルトゥナは神聖魔法を使い傷を治しているようだ。
「オレも奴隷たちを傷つけずに制圧する必要があるな。『身体強化』」
向かってくる奴隷はどれも傷だらけで状態が悪いと言ってよかった。触れさえすれば解放できる。オレは相手の攻撃を交わしながら近づいていく。
『ファイアボール』
『魔法吸収』
オレは正面から来る魔法を防ぐとどんどんと奴隷に触れていく。
『奴隷解放』
『奴隷解放』
『奴隷解放』
『奴隷解放』
オレは身体の奴隷紋を正確に触っていくと奴隷紋が異能で吸収されていく。
「くそ! なんだ? 奴隷たちが解放された?」
盗賊たちに混乱が広がる。
「くそ! お前らあの男をやるぞ!」
盗賊たちはオレに使って武器を構えて突進してきた。しかし、その前にカラクが立ち塞がる。
「行かせねぇよ」
カラクはそう言うと剣を振るう。
『灰の一閃』
カラクが通り過ぎるように盗賊に近づきそのまま過ぎ去る。
「なんだ!」
盗賊たちは一見何も起こっていなかった。
「なんだ。何もして・・・」
だが、そのときカラクの近くにいた一人の盗賊に異変が起こる。
「お、おい! どうした!」
だがカラクの一番近くにいた盗賊には反応がなかった。
「うわぁ!」
盗賊がまた騒ぎ出す。反応がなかった盗賊の身体が崩壊し始めたのだ。まるで灰のように。
「これは! まさか!」
盗賊の一人が今の現状に反応する。
「こいつは! もしかして! 『灰の剣豪』!」
「っ!?」
その瞬間盗賊たちは動揺を見せる。
「ああ、知ってたのか?」
カラクもそれを肯定するようなそぶりを見せた。
「灰の剣豪?」
「オレの名前を聞いてもピンときてなかったようだしな。まあ、ファングロアじゃないところだと知名度はまだまだってことかな、ジン」
カラクは構えを維持しながら軽口を叩く。だがそれでも一つも隙がなかった。
「さあ、こっちも仕事でな。容赦はしないぞ」
カラクがそう言うと盗賊たちの殲滅が始まった。
・・・
あれから少し時間が経って、オレたちはボスらしき人物を発見する。
「おれに近づくな! これ以上近づいたら、ぶへぇ!」
フォルトゥナのいい角度の蹴りが入ったところでボスらしき人物はノックアウトする。
「縛っとけ!」
オレたちはボスを拘束した後盗賊村を探索する。
「アナシスが見当たらないな」
「どこだろうね」
奴隷はまだいたようで見つけ次第、解放していく。
「こいつらは調べた感じ全て違法奴隷みたいだね」
フォルトゥナは奴隷紋を判別する。
「ここにいる奴ら全員がどこかから連れ去られてきたのか」
オレたちは盗賊村をすまなく探索していく。
「おりゃ!死ねぇ!」
「っ!?」
「生き残り!?」
相手は棍棒でこちらに殴り掛かろうとしていた。
オレは咄嗟に腕で防御する。
「『衝撃吸収』」
『発勁』
「ぐぼふ」
オレは腕に伝わった衝撃を放出し、盗賊のあごに下から攻撃をかましぶっ飛ばす。
「痛ってー!」
腕で棍棒を受けたので衝撃がジンジンときている。
「身体強化すればよかった」
オレは後悔しているとフォルトゥナが腕を掴む。
「ジン。怪我はない?」
オレの袖を捲ると神聖魔法をかけてくれた。
「ありがとう、フォルトゥナ」
「い、いや、これが私の仕事だからね」
フォルトゥナは照れながら言う。
「そ、そうだ。ジン! この先の探索をしないと!」
フォルトゥナはそう言うと先に進んでいった。




