勇者と未来の勇者
日向迅視点
オレはアナシスから貝殻型のタイムカプセルを受け取る。
「z・・za・・」
「あれ? なんか音が鳴ってないか?」
貝殻から突然音が聞こえ始めた。
「なんだと?」
アナシスもこれには驚いていた。だがそうこうしている間に音声は再生し始める。
「・・・これ見ている過去のオレ。聞いているか?」
その声は紛れもないオレの声だった。
「未来の声を届けるアーティファクト・・・」
アナシスはボソッと呟く。
「偶然未来のオレが録音した声を引き当てたのか?」
「ああ、偶然にもな」
アナシスは今起こっている現象が信じられないといった面持ちだ。音声はさらに喋りだす。
「これを聞いていると言うことは聞けているんだろうな。時◾️がない。オレは◾️について話す」
音声はところどころ欠けていた。
「絶対にアッシュ大陸に辿り着け。世界を◾️滅させたく◾️いのなら。それとお前は、絶対にアッシュ◾️陸に辿り着◾️ことはできない。い◾️か?行くには手順が◾️要だ。戻る時間も惜し◾️。これを聞いてから向かい出せばまだ・・・。とにかく、まずはマリンポート◾️いけ!陸路だ。船は死ぬ◾️。あいつが◾️◾️になるまでは船◾️乗るな!◾️◾️シスすまない。◾️◾️◾️◾️、◾️◾️◾️オ◾️は遅す◾️た。フ◾️◾️◾️◾️ナ◾️レが◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️」
「なんなの!? これ!?」
フォルトゥナが動揺している。そのメッセージはまるで後悔しているようなそんな声色だった。
「オレの未来が◾️◾️返されな◾️ことを祈◾️。それとだ。アルカディアに気をつけろ。やつは◾️◾️◾️」
それ以降は何も流れなかった。
「何これ・・・」
フォルトゥナはそのメッセージに怯えている。自分の声、それも焦りが混じった声はこの場に混乱をもたらした。
「何なんだよ!」
オレもフォルトゥナと同じ感想だった。
「何かのドッキリか? そうなんだろ? アナシス」
しかし、とうのアナシスも固まっていた。
「いや、鑑定でも確かに逆因果律のタイムカプセルと・・・」
アナシスは鑑定のアナグラムを表示すると確かにそこには前にアナシスが行ったことが書いてあった。
「じゃあ、もしかして本当に未来の!?」
そんなときだ。
「!? 水晶が曇って!」
突然水晶が曇り出す。
「さっきまで晴れだったはずなのに!?」
天気を予測する水晶は突然曇りだす。
「ジン、考えるのは後にしよう。まずはこれを乗り越えてからだ。フォルトゥナも」
アナシスは切り替えた。雨はすぐに降り始め暴風を伴い嵐を巻き起こしはじめた。
「流石に天候がおかしい!」
アナシスはその天気に違和感を覚えたらしかった。
「どうしたんだ?」
オレはアナシスに聞いてみた。
「天候がころころ変わることはあるがさっきまで晴天だったのにすぐに嵐へと変わった。まあ、天候が変わるのはわかるけど流石に早すぎる。それに予兆も感じなかった」
確かにその言い分は最もだった。確かにさっきまでとは大違いすぎるな
「何だ? 不運対策貫通か?」
オレはその嵐に不安となる。
「帆を小さく張り、動力を起動。ジン、準備を急げ!」
オレたちは嵐の中で作業を急ぐ。雷に豪雨と音が声を遮ってくる。
「gyaaaaaa」
「おい、なんか聞こえなかったか?」
オレは二人に問いかける。その言葉にアナシスは顔色を変えた。
「『探知』これは!? まずい。全力で逃げるぞ」
アナシスは説明せずに船の進行を変える。
「おい!アナシス!何をやってるんだ」
アナシスは完全に帆をたたみ、動力に切り替えた。
「こちらに向かってきている!?」
アナシスがそう発する。アナシスはこちらにもわかるほど焦っていた。
「お父さん!何が来てるの?」
フォルトゥナはそう言うとアナシスは言った。
「フォルトゥナ、ジン、おそらく、わたしたちは生態系の頂点に目をつけられた。努力はするがおそらく逃げるのは無理だ。武器を構えろ!そいつは・・・」
その言葉の後だった。
「gwaaaaaaaaaaaa」
その姿は見たものを恐怖に貶めた。大きな翼、そして大きな身体。その竜は竜の中でも特別だった。最強の中の最強がこちらに向かっておそいかかろうとしていた。
「ウィンドエンシェントドラゴンだ!」
嵐から出てきたのはウィンドエンシェントドラゴン、アジアと呼ばれた竜はこちらへと牙を向く。アジアはフォルトゥナの方に目をギョロリと向けた。そしてフォルトゥナに向けて爪の斬撃を飛ばす。
「ヒェ」
フォルトゥナは恐怖に当てられて動けずにいる。
(動け!)
オレも身体が恐怖で動かない。いや、動かせなかった。
(ここで動けないオレはオレじゃねぇだろ!)
それはここで異能を発動する。咄嗟の判断でできるような気がしたのだ。
『恐怖吸収』
オレを縛っていた恐怖は解放されて動けるようになる。
「ダメだ!間に合わない!」
もうすでに斬撃は放たれているが間に合わない。
「いや! 間に合わせる!」
オレは咄嗟に異能を発動する。
『リリース』
オレの背後に風を放ち爆発的な推進力を放つ。本来オレがまともに食らったら大ダメージの推進力をかぶり身体強化で身体が壊れないように補強する。だがそれでも足りないのかオレの身体はボロボロだった。
「フォルトゥナ!」
オレはボロボロになりながらもフォルトゥナを斬撃から回避させることに成功する。だがオレが衝突したときにフォルトゥナもボロボロだ。
『恐怖吸収』
オレはフォルトゥナに向けて恐怖吸収を放つ。アジアがフォルトゥナに向けた殺意を吸収していく。
『神聖魔法』
「フォルトゥナ! オレよりも先に自分を・・・」
ただフォルトゥナはオレの治療を優先した。
「私は・・・大丈夫だから・・・多分あいつは・・・私を狙ってる。・・・私の魔石は魔力の塊だから・・・だから、私を囮にして・・・逃げて!」
「そんなことできるわけねぇよ!」
「gyaaaaaaaa」
「っ!?」
アジアはこちらに向けてブレスを放とうとする。
「回避!」
オレはフォルトゥナを連れて踏み出そうとするがアジアが放った爪の斬撃によって不安定になった足場により上手くバランスを崩す。
『ライトニング』
オレたちが絶対絶命の状況の中ある一点から魔法が放たれる。
アジアのブレスの構えは止まり、魔法が撃たれた方向に向く。そこにはアナシスが魔法を放っていた。
「アナシス!」
アナシスも殺気に当てられて動けずにいた。
(アナシスでも動けなくなるのか!?)
「gyaaaaaaaa」
アジアは魔法を放たれたことを感知すると怒り狂い竜巻を放つ。
「フォルトゥナ!」
オレはフォルトゥナを守るように覆い被さった。船は暴風に耐えきれず崩壊し、砕けちる。この日オレたちは船と共に海に消えた。
キマの不思議な生物図鑑⑤
名前 アジア
種族 ウィンドエンシェントドラゴン
巨大な翼をもつ竜。移動時遥か上空を飛行するため地上で見ることは稀。この竜が通った影はを見たものは未知への恐怖を呼び覚まし恐怖する。恐怖心を持った相手は蛇に睨まれたように動けなくなる。普段はシアンテール大陸にいる。




