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マッドサイエンティスト異世界で神をやる  作者: 竹馬の友
世界でたった1人の勇者 旅立ち編

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勇者、父親に逆襲される②

日向迅視点

 『ウィンドブラスター』



 オレに向かって魔法が再び放たれる。アナシスは最初にオレに向かって放ってきた魔法を放つ。



 オレは防御の構えをとった。



 「ふっ!」



 オレはその場で耐える。



 「これくらいならっ!耐えられる」



 アナシスはそれに驚愕する。



 「普通なら体を抉る威力がある『ウィンドブラスター』を二度も耐えるとは・・・」



 オレは会話が噛み合わない感覚に陥る。



 「『ウィンドブラスター』が体が抉る?そんな威力だったか?」



 オレはそこでもしかしたらと確かめる。



 (もしかして、無意識に魔法を吸収した?)



 オレは確かめるようにグレーホールに蓄えたものを放出をしてみる。



 『リリース』



 それと同時に蓄えられた風がアナシスを掠めた。



 「やっぱりそうか!」



 オレはこれを見て疑問を確信に変える。どうやらグレーホールは魔法も吸収できるらしい。それがわかっただけでも大きな成果だ。



 「・・・今のは、風魔法か。いや、魔法を放つ兆候が見られなかった。どういうことだ?」



 アナシスはオレの攻撃に深く考え込む。そして、小手調べのごとく魔法を放ってきた。



 『ウィンドカッター』



 オレに向かって魔法の刃が無数に迫ってくる。魔法を無意識にでも吸収できたなら意識してできるはずだ。オレは異能グレーホールを意識的に発動しようとする。



 『魔法吸収』



 オレに着弾した風の刃はオレの体に吸収されていく。オレはそこから速攻でカウンターをするように魔法を反射する。



 『リリース』



 『障壁』



 アナシスはオレの反射を見切り、魔法で防ぐ。そして、オレのからくりに気づいたようだ。



 「魔法の反射か!?特定の魔法か、風の魔法だけか・・・」



 そこでさらにアナシスによるオレの異能がどういうものなのかの検証が始まる。



 『ロックブラスト』



 アナシスは岩を生成し、オレに向け放つ。オレはそれに臆せず魔法の吸収に入る。



 『魔法吸収』



 どうやらオレの異能は魔法なら岩でも吸い込めるらしい。そしてアナシスの方からさらに拳くらいのサイズの岩が飛んでくる。



 「これくらいなら!」



 オレはまた『魔法吸収』を発動する。しかし・・



 「痛っ」



 オレの魔法吸収は発動せずオレの頭に向けて岩が直撃する。



 (魔法は吸収できるはずなのに何で!)



 それがわかるほどアナシスは時間を与えてはくれなかった。気づいたらアナシスは接近していて、オレに向かってショートソードを振るってきた。



 「うわ! 危なっ!」



 オレは咄嗟に吸収した岩石を放出して、剣を弾く。そして、接近戦に持ち込んだ。



 (オレが武道を叩き込まれてなかったら危なかった)



 異能で起こる不運に対抗するためにばあちゃんがオレに武術を学ばせていたが、その経験がなければ近づかれた時点で終わっていただろう。異能と混合し、魔窟となった総合武術の世界で教わったのだ。その経験が今に生きていた。



 「まずは武装解除だ!」



 オレはアナシスの腕のショートソードを体勢が整わないうちに制圧する。オレの攻撃によりショートソードは手の届かない位置に飛んでいった。



 しかし、相手も対応が早い。アナシスはショートソードを諦め、素手でこちらに向かってきた。



 オレは進化した異能の能力をさらに活用する。



 『大気吸収』



 オレは空気を溜めて一気に放つため大気から空気を集め出す。しかし、それをみすみす見逃すほどアナシスは甘くなかった。オレが技のためをしている間、アナシスはさらに接近する。



 「何!?」



 そして、アナシスはオレの脇腹に向かって魔法を放った。



 『ウィンドブラスター』



 「ぐぼっ!」



 オレは咄嗟に『魔法吸収』を展開するが、ダメージをくらう。脇腹は血に塗れていた。



 (魔法の吸収には限度があるのか!)



 どうやら、魔法の吸収の限界を超えた攻撃を喰らったため防ぎ切れなかったらしい。だが、アナシスの魔法を完全には防ぐことができなかったが、それでも威力は吸収して、軽減されていた。オレはアナシスの『ウィンドブラスター』と自身の『大気吸収』の風を使い、アナシスに特大の一撃をかました。



 「擬似魔法『ウィンドブラスター』」



 オレが異能グレーホールで再現した『ウィンドブラスター』はまっすぐにアナシスの方に飛んでいく。



 「くっ! 『障壁』」



 アナシスは『障壁』をはるが、オレの『ウィンドブラスター』は障壁を破り、アナシスを吹き飛ばしていった。風が吹き荒れたことにより砂埃が舞って見えにくい。オレは警戒を緩めない。オレの異能はきちんと至近距離で決まったが、アナシスを倒した手応えは感じなかった。それはどうやら正解だったようでオレに向けて岩が飛んでくる。



 「また魔法か。『魔法吸収』」



 オレはその岩に向けて『魔法吸収』を放つが吸収されずにまたしてもオレの頭に当たった。



 「痛ってー!」



 オレは頭を抑える。一度だけでなく二度も頭に命中している。オレの頭からはすでに血が汗のように滴っていた。



 「テオはまだなのか!」



 まだ耐えなくちゃいけないのか!?



 オレはゆっくりながらも確実に体力を削られていった。アナシスは少し経つと魔法で一気に砂埃を消して現れた。



 「さて、貴様の大まかな能力は理解した」



 砂埃が晴れて早々にアナシスは喋り出す。



 「貴様の能力は吸収と放出といったところですか。だがそれも限度があって一度に吸収できる量は決まっていそうだ。生半可な魔法だとダメージが通らない。実に厄介だな。ウィンドブラスターで体が抉り取れなかったのも納得だ。」



 アナシスの回答は見事に正解だった。能力もしっかりバレている。異能がグレードアップしてからオレもそんなに把握してないところがあるのに・・・もしかしたら、オレよりこの異能について知っているかもしれない。とりあえずオレはしらばっくれておいた。



 「そ、そ、そ、そ、そんなことないよ」



 「・・・図星ですか。まあ、厄介な能力ですけど、対処法も明確ですが・・・」



 アナシスは拳くらいの大きさの石を持っていた。



 「ロックブラストに普通の石を混ぜて投げたとき、貴様にダメージを与えられたことから魔法由来の岩でなければ、ダメージを与えられるのは検証済みだ。それと魔法の吸収の限界を狙うことでしょうか。その脇腹の傷、防ぎ切れなかったからこその傷でしょう?」



 アナシスはオレの脇腹に目を向ける。至近距離でウィンドブラスターを喰らったことでできた負傷だ。こちらはまだ明確な打開策がない中で相手は自分の弱点を知っている。という致命的な状況に陥ってしまった。そして、次の攻撃はオレを確実に殺しにきていた。



 『アースウォール』



 オレの周りに高い壁が囲まれるように形成される。



 「圧倒的物量で畳み掛ける!罪を償ってもらうぞ!押しつぶせ!『アースクラッシュ』」



 その魔法はオレを押し潰そうと迫ってきた。

キマの不思議な生物図鑑②



 名前 なし

 種族 不老長樹木

 その木は黄金のきのみを気に入ったものの前で実らせる。その果実は食べたものを不老たらしめると言われている。マルタがこの木に宿ったことでマルタ自身は不老を手に入れる。樹木は現在、世界のどこかにひっそりと佇んでいる。

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