勇者はぶっ飛ばされる
日向迅視点
これはオレは異世界に行くとかいうことより前の話だ。オレはいつものように学校に登校していた。
「行ってくる!」
オレは家の玄関を開けて飛び出す。学校からは近いので歩きだ。オレが道に出るお隣さんもちょうど外に出ていた。お隣さんには羽が生えていて、空を飛んでいる。この世界は異能という力が蔓延っていた。遠い昔は異能が無かったらしいが人類の進化により生まれたらしい。異能は社会に馴染み今の世の中では当たり前のものと化していた。オレにももちろん異能はある。
「さてと今日はどうかな。一日一回運試し」
オレは学校の途中の自販機に寄る。それは当たりが出たらもう一本もらえる自動販売機だ。オレはその自動販売機にお金を入れてジュースを買った。
「さて、当たりは・・・来た!当たった」
その自動販売機は当たりを指してオレはもう一本のジュースを手に入れた。これがオレの異能融合の渦だ。オレの異能は何かを引き寄せる。今回に関して言えば、幸運を引き寄せたということだな。さらに言えばちょっと遠くにあるものを引き寄せたりすることもできる。まあ、そこまで聞くと悪くないと思うかもしれない。しかし、これには致命的な欠点もあった。近くにはマンションがある。ベランダでは誰かが花の手入れをしていた。
「ふん!ふん、ふんふん!あっ!花瓶が!危ない!」
オレが真下に来たタイミングでちょうど花瓶が落下してくる。オレはそれに反応して花瓶をキャッチした。衝撃が伝わらないようにキャッチした瞬間は異能グレーホールで手に来た衝撃を体に伝わらせる前に放出する。完全には衝撃を無くすことは出来ないがこれで少しは衝撃を和らげることができた。
「ああ!すみません!怪我はないですか?」
ベランダの方から女性が声をかけてきた。オレは大丈夫だと告げ、花瓶を置いてその場を後にする。
「はあ、いいことがあったと思ったのに・・・ついてないな」
実はこれも異能グレーホールの所為であった。グレーホールが不運も引き寄せてしまったのだ。オレはこの異能のせいで幼少期の頃から苦労した。カラスにフンを落とされるのは序の口だ。コンビニ強盗に遭遇したり、自転車のブレーキが効かなくなったり、死にかけるようなことも起きた。そんなオレを見越して、自衛の手段を身につけろと、道場やらなんやらにぶち込んだばあちゃんには未だに感謝している。オレが何か自衛の手段を持っていなかったらもうすでにこの世にいなかっただろう。まあ、それも叶わず死んで異世界に行くことになってしまったのだが。オレはこの後、異世界定番のトラックにはねられて呆気なく死ぬことになる。衝撃を放出する間もなく自衛が意味も無さないトラック攻撃により、死んだのだ。その次の記憶はオレが蘇生した時だ。目の前には黒いローブを着た少し黒が混じっている白髪の男が目の前にいた。その男はどこか不気味だった。何か人間だったらあるオーラのようなものが全く感じない。男は神と言っていたがそれを信じさせるような異質さがあった。そして、なんやかんやあってオレは異世界に行くことになった。ここからがオレの新たな異世界ライフだ。神が魔法陣のようなものを発生させると次の瞬間、オレの視界がかわる。
ここまでがことの経緯だ。そうしてオレは剣と魔法の異世界に異世界転移した。
「ここが・・・異世界」
オレの目の前には綺麗な湖があった。それはとても幻想的だった。この湖の周りは樹木で囲われていてまるで秘密基地みたいだ。
「す、すげー」
オレは関心をしていると、女性の声が聞こえてきた。
「ふふふふん、ふふふふん、ふふふん、ふん♪」
鼻歌がだんだんと近くなる。オレはその鼻歌のする方向をじっと見つめる。その方向には樹木がなく樹木の入り口のようになっていた。
「ふん、ふんふん・・・」
そしてオレはオレと同い年くらいの少女とばったりあった。その少女には角が生えていた。それに特筆すべき点はもう一つ。
「は、裸・・・」
その少女は服を着ていなかった。少女は顔を赤らめると、不審者を見つけたかの如く叫ぶ。
「きゃあああああああああああ」
「ぶえへほふっ」
オレはその叫びと共に少女のビンタをくらう。オレはそのビンタをくらうとギャグ漫画の如く吹き飛ばされる。そして、湖にダイブした。そしてオレは意識を手放した。
ダンジョンの遺物②
名前 ただの剣
分類 剣
ダンジョンの宝箱によく入っている剣。冒険者ギルドで買い取ってくれるが、安いし、嵩張るのでその場で捨てるものも多い。ダンジョンは生物が長時間触れずに地面に放置したものを吸収する性質があるので捨てても特に問題はない。ごく稀に、ただの剣に偽装した高性能の剣が混ざっている時がある。




