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マッドサイエンティスト異世界で神をやる  作者: 竹馬の友
世界でたった1人の勇者 旅立ち編

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狂人と狂人

 わたしが聖器を作り出してから二年が経った。二年経ったがわたしのやることは変わっていない。日課のように、わたしは通販アプリ『マナ』を見た。



 「おっ、売っているな」



 わたしは何か気になるものが売っていないかを確認する。するととある物に目が止まった。



 「これは・・・人間の魂?」



 わたしが画面をスクロールしていくと人間の魂と言う文字が目に入った。



 「珍しいな・・・」



 ここ数年見てきたが本当に珍しい。



 「人間の魂なんてどんな物好きが販売するんだ?」



 わたしの世界では死のあとに魂が残るようなことはない。わたしの世界では死んで長くても1日後にはもう魂の元となるような情報は空中に霧散してしまう。その魂が霧散しないように核を形成するのがラファエルが持つ回復力なのだが・・・。ちなみにその性質上回復力であらかじめ魂を包んでおけば死者蘇生は事実上は可能だ。まあ、話は逸れたがわたしの世界では普通は死者を蘇生することはできないのだ。もし死者を蘇生したいのであれば死の間際の飛び出る魂の情報を正確に記憶しておく必要がある。わたしの場合はアカシック・レコードなどがそれにあたる。しかし、アプリでは人間の魂を売っていた。魂なあたる情報を核に包む構造にしている神にとっては珍しくないかもしれないが、わたしにはあまり見覚えが無かったので気になったのだ。それに核で包む神は魂を普通のことだと思って発売しない。あったとしても物物交換だ。それが珍しさを加速させていた。わたしはさらに魂について調べてみる。すると知らない言葉が出てきた。



 「どれどれ・・・イレギュラー?異能?何か予想外のことが起きてできたのか?」



 それに異能と言う言葉が気になった。わたしはそれについて調べてみる。



 「異能とは・・・その魂の出品者が管理している星独自の力か。ほう、どうやら聞いたことがないと思ったら力の名前だったか」



 さらにわたしは調べていく。



 「どうやらこの魂の出品者は偶然この力を進化の途中で発見したらしいな。そしてこの魂ができたのは異能が原因であると・・・」



 どうやらこの魂を出品した神の世界もどうやら魂が核に囲われてないらしい。だからイレギュラーと形容されているのか。異能によって核が無いはずだったのに構成された魂の核を出品者は珍しいととっておいたということだな。



 「それにしても異能か。気になるな」



 わたしはこの二年創造力を生み出してから新たな力を集め、力を取り込むほど強化されると言う創造力を強化することが一つの目標になっていた。わたしが生み出したこの力は強化するほど他の神にとっての切り札となり得る。さらに、わたしはニャルとの対神戦において素手での勝負に実質的に負けたことで自身の強化の重要性を思いしらされていた。



 「すでにこの二年で何個かの力は手に入れたがそれだけではまだ足りない」



 そう言って、わたしは魔素でも運命力でも生命力でも創造力でもない三つの力を手のひらで遊ばせる。わたしは能力で手あそびしていると、ノックが聞こえる。わたしは能力での手あそびをストップした。



 「ごしゅじんさま!持ってきたよ!」



 出てきたのはラファエルだ。ラファエルは紙を持って入ってきた。そしてそれに続くように二人の側近が続けて入ってくる。



 「はい!これ、ごしゅじんさまに!」



 「ありがとう、ラファエル」



 わたしはラファエルの頭を優しく撫でるとラファエルは笑みを浮かべる。



 「ふへへ!ラフィ褒められちゃった!」



 ラファエルは小さな翼をパタパタとパタつかせていた。わたしは撫で終えると書類に目を通す。



 「さすがラフィちゃん。素晴らしい!」



 「いい子ですね。ラファエル様」



 「ふぇ〜。くすぐったいよ。シネマ、スクリー!」



 側近の人たちはラファエルを撫でていた。どちらもお姉さんのような色気がある。シネマは黒髪ロングの正統派お姉さん、スクリーは金髪でラファエルと同じボブの方だ。二人ともラファエルをとことん可愛がる。



 「もー。くすぐったいよ!」



 「ぐへへ、ラファエル様、じゅるり、あ、よだれ出た。大丈夫、まだ鼻血出てない」



 ・・・大丈夫だろうか?



 (さっきなんかじゅるりとか効果音を出ていたが・・・本当に心配になるな)



 わたしは声の主を見る。それは一見黒髪ロング清楚なお姉さんであるシネマだ。その実態は黒髪ロング幼女趣味変態お姉さんであった。撫でているシネマの目はガンギマリになっていた。



 「ラフィちゃんいい子いい子」



 一方、スクリーの方はと言うとシネマのように目が血走っているわけではなかった。目は血走っていなかったのだ。



 「いい子、はぁ、はぁ、いい子だよ、ラフィちゃん、んっ」



 こちらもこちらでどこか危なそうな雰囲気を持っている。



 「ごしゅじんさま!どう?この案って通るかな」



 ラファエルの声ではっとし、本題に戻る。ラファエルは上目遣いで聞いてくる。ラファエルの必殺技高出力上目遣い攻撃だ。わたしは書類の内容を見て固まる。わたしはラファエルにこれを本気で欲しいのかをたずねる。



 「ただ・・・これって何に使うかわかっているのか?」



 「ん?なんのこと?」



 ラファエルは純粋な回答をする。では何が目的なのだろう。わたしはラファエルに聞いてみた。



 「まあ一応聞くが、どうしてこれを?」



 わたしは気になったことをラファエルはすんなりと答えてくれた。



 「えーっとね!ラフィのところの天使たちが欲しいって、言ってたの!」



 「・・・まじか」



 わたしは側近の二人を見る。二人ならありえるか?シネマとスクリーは気にせずにラファエルを撫でていた。とんでもない集中力だ。



 「それにね。なんか。これを持っているとミカエルお姉ちゃんがそれを奪ってくるらしいの。なんか原因はラフィにあるらしいんだけど、みんな教えてくれないし、それにラフィにがミカエルお姉ちゃんになんで奪うのか聞こうとするんだけど、ラフィが聞くといつもはぐらかしてくるの」



 ラファエルはぷにぷにのほっぺたをプクーっと膨らませた。



 「それでラフィ思ったの!ミカエルお姉ちゃんってごしゅじんさまのことすごく慕ってるから、ごくしゅじんさまからもらったものは流石に奪わないと思ったの!」



 まあ、それはそうかもしれないが。わたしは側近に事実確認をとる。



 「スクリー、シネマ。少しいいか」



 「いいですよ。お義父さん」



 「わかりました。父君」



 二人は話しかけられるとこちらの方に向いた。



 「二人は本当にこれでいいのか?」



 わたしは二人に問いかける。二人はわたしの手元にある紙の内容だと瞬時に理解した。



 「ラファエル様がおっしゃるのであれば♡」



 「ラフィが私たちを思ってくれるのであれば♡」



 そうか・・・。二人は受け取りたいらしいな。だが・・・。



 「却下だ。ラファエル。せめて他のにしてくれ」



 「そ、そんなー。ごしゅじんさままで・・・ミカエルお姉ちゃんもそうだったけどこれが悪いんかな・・・」



 ラファエルは全身を使って落ち込む。翼は感情と共に下がっていた。ここは心を鬼にしないといけない時だ。わたしが却下を下したあと、ラファエルはしぶしぶと部屋を立ち去っていった。わたしは側近を見て心配が込み上げてくる。



 「ラファエルの側近たち・・・ラファエルは本当に大丈夫だろうか」



 わたしはラファエルを本気で心配するのであった。

 各天使について



 魔素を扱う天使


 最初に生まれた天使、熾天使ガブリエルが率いる陣営。副官としてハミンがいる。ガブリエルの問題行動をハミンがフォローし、なんとかやっている。ガブリエルのポンコツ具合から、陣営は軽い雰囲気に包まれていて、それが雰囲気に直結している。ガブリエルは色々と舐められがちだが戦闘の強さは本物である。それに、ポンコツであるが頭が悪いと言うわけではない。なので天使からの尊敬の念も少しはある。とにかくハミンが優秀でハミンがいなかったらこの陣営は崩壊していただろう。自由度が高いため、商売をしていたり、副業をしているものの数が一番多い。結果的にここが一番平和。



 運命力を扱う天使



 天使の二番目に作られた陣営。運命力を使う天使が所属していてミカエルが率いる陣営。部下にジムとザックを据えて自分の陣営の指揮をしている。ミカエルのカリスマ性が発揮されているのか。かしこまった雰囲気がこの陣営の特徴である。本人は雰囲気を変えたいと思っているが今のところ成果は出ていない。ガブリエルとは犬猿の仲であり、いがみ合っている。秩序が一番しっかりとしていてまとまっている陣営。



 生命力を扱う天使



 天使の三番目に作られた陣営。生命力を扱う天使が所属していてラファエルが陣営を率いる。側近にはシネマとスクリーがいる。この陣営はラファエルの周りが全て女性で固められており、それらはラファエルを見守る会と言う組織に所属している。その組織は男子禁制の組織でラファエルを見守るために行動している。いろんな意味で危険な組織。この陣営が一番歪であるが、熾天使ラファエルは熾天使の中で最もピュアである。なお、この陣営での男性天使の肩身は狭い。

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