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マッドサイエンティスト異世界で神をやる  作者: 竹馬の友
世界でたった1人の勇者 旅立ち編

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狂人の神器制作②

 わたしは自室で悩みこんでいた。原因はわたしがさっき作った刀にあった。



 「鞘におさめるためにはどうすればいいか」



 わたしが作った刀だが現在切れすぎて鞘に入れられない状態になっていた。



 「刃の部分に触れるとなんでも切ってしまうのが問題だと思うが・・・」



 そもそも鞘とは刀身をしまうためのものであって刀身の刃の部分を包み込むのは必然なわけで・・・。いっそのこと刃の部分だけ露出させるか?いやそれだと鞘を作る意味がないな。そもそも鞘を作る意味があるのか?わたしは思考がバグってくる。しかしあることに気づいた。



 「そういえば今わたしがいる空間は切れていたがわたしが空間を壊して作業を続行したときの空間は切れていた様子がなかったな」



 いくら切れ味が良く空間も概念すら切れても限界が来たということか。わたしはそれで何をすればいいか閃く。そしてすぐさま工房へと向かった。



 「逆転の発想をして見るか・・・」



 わたしは魔法を展開する。



 「付与」



 別に鞘を作らなくても利便性では変わらない案を思いついた。わたしは刀の内側に概念だけの付与を実行する。本来の付与は実際は刻み込んだりと、色々と必要だが概念の研究をしたおかげで刻み込まずともできるようになった。そのおかげで刀身が傷つくこともないそして内側に付与を施すなら刃が付与の概念を切ることもない。わたしは召喚の魔法、不壊、自動再生を組み込む。



 「よし、これでいけた!」



 わたしは研究所の外に出る。



 「これができれば成功だな。来い!虚空ノ露」



 名前 虚空ノ露

 神器:刀

 製作者キマ



 虚空ノ露はわたしの手の中に召喚された。



 「成功だな」



 わたしは試しに一振り刀を振るう。



 「っ!」



 その一撃は前方の全てを切り裂きその跡は別の空間への道へ誘っていた。



 研究所の方には放たなかったが天界がめちゃくちゃだ。



 (これはガブリエルのこと強くいえないな)



 自分の一振りによる被害規模に頭を抱えるのだった。




・・・




 刀ができてから五年が過ぎた。あれからのわたしは研究詰めの毎日だった。わたしは神器制作にハマってしまったのだ。聞くところには地上では冒険者やら、なんやらで色々とあったらしいが神器制作を優先して若干放置気味であった。



 「これで七個目か」



 わたしの工房にはこれまで作った六個の神器が並んでいた。全て刀なわけではなく。違う種類の神器だ。わたしが神々の様々な神器制作の本を読み漁って作ったのだ。もちろんこの五年神器制作しかしていないわけではない。他にも力の研究を行っていた。



 「高位の神々は力の模倣能力があるものが多い。そのためにわたしは高位の神々でも見破れないように力を隠す研究をしてきたわけだが・・・」



わたしはつい最近、偶然あるものを開発した。それは力だった。わたしはその研究の副産物で全く新しい力を生み出したのだ。その力の名前は・・・



 「創造力・・・。この力はわたしの創造をさらに特化させたような力だ」



 わたしは創造力を体に適応させたことで新たに力を得た。その力は面白い性質を持っていた。



 「自身の力を取り込むにつれ強大になり、複雑化されるか」



 創造力は自分が扱える力を取り込むことで創造力自身の可能性をあげ、さらに創造の機密性を高めるのだ。つまりは自身が扱える力の種類があればあるほど強大になり、相手に模倣される確率も下がるのだ。



 それを知ってからのわたしは早かった。わたしは創造力の発見から魔素、運命力に連なる、新たな力の収集に費やす。新たな力を収集する取り組みは今回作った七個目の神器を生み出した。



 名前 ライブリーハートジェム

 神器:宝石

 製作者 キマ



 この宝石がどうしたと思うだろう。一見ただのハート型のピンクの宝石だと思うかもしれない。しかし、この宝石にはわたしが新しく作った力が込められていた。



 「んー。この力・・・なんと命名しようか」



 わたしが生み出した全く新しい力だ。わたしはこの力の体への影響をじっくりと調べていく。



 「生命。魂を宿す力、癒しの方向に特化した力か。魂という核を形成することでバックアップを容易にするのかな。これまでは死と共に霧散したものを綺麗に整頓して保管しておく感じか。死者蘇生が楽になりそうな力だな。身体に害を及ぼすものではなさそうだ」



 わたしは死者蘇生をあまり使わないが簡易化されるのは嬉しいことだ。わたしは実験の成果にうんうんと頷いていると扉がノックされる。



 「失礼します。マスター」



 出てきたのはミカエルだ。後ろには従者のジムとザックがいる。ミカエルと同じ運命力を持つ天使の中からミカエルに従者として選ばれた二人だ。



 「どうした?何かあったか」



 わたしはそういうとミカエルは紙を差し出した。



 「マスター!神器制作にハマって仕事をサボるせいで天使のやることがパンク寸前ですよ。それは天使からの嘆願書です」



 そこには天使たちの要望が書かれていた。



 「人手不足か・・・」



 どうやら五年前に運命力の天使を増やしてもまだ足りなかったらしい。それもそうか、わたしが仕事をサボるとその皺寄せは天使にくる。それにわたしが管轄する仕事は地上中のありとあらゆる情報の処理だ。それと創造。他にもわたしにしかできないことが山ほどある。それらを天使にやらせるのはどう見ても人手不足というわけだ。



 「これはきちんと仕事をしないと駄目かな」



 わたしは一旦神器制作の趣味は止めることにした。そして問題解決に入る。



 「わたししか片付けられない問題はわたしがやるとしてだな・・・。ミカエル!人手不足というのは今現在の状況でそうなのか?それとも慢性的なものか?」



 わたしはミカエルに質問する。



 「はい!慢性的な人手不足だと見ています。現在天使はガブリエルのところの天使が5000。私のところが5000の合計10000人です。地上の生物は膨大です。人数が足りません。そしてこの五年は人間種の獣人の国で革命がありました。その時の死傷者も多くなり天界の仕事に大きな打撃を受けています」



 「そうか・・・」



 わたしは随分と深刻な状況を理解した。いくら天使のスペックが高かろうと無理なものは無理だろう。わたしは人手不足を解消するため新しい天使を作ることを決めた。



 「わかった。人手不足はこちらに任せろ」



 そのとき、自分の持っていた神器ライブリーハートジェムを見てあることが思いついた。



 「いっそのことこの力で新たな天使を作るか」



 「えっ?」




 ミカエルはわたしの言葉に驚く。わたしはミカエルに指示を出した。



 「ミカエル!ガブリエルを呼んできてくれるか?」



 「・・・はい!わかりました!」



 そうしてミカエルは走っていった。この空間にはわたしと従者二人が残る。従者のジムとザックは緊張しているようだ。わたしはあまり二人とは話していなかったな。二人はどちらも男型の天使だ。ザックは癖毛の緑髪をしていてギザ歯でヤンキーっぽい雰囲気がある。ジムの方は真面目っぽい雰囲気がある委員長タイプだ。どちらも軍の幹部のような緑色を基調とした服を着ている。どちらも何か気まずそうであった。確かにミカエルに取り残されて出るタイミングを失った二人だ。それに自身の上司よりも偉い人がいる。居心地が悪いのは当然だろう。わたしは場を和ますため話しかける。



 「ジムとザック、ミカエルの最近の様子はどうだ?」



 その言葉にビクッと反応するとジムが喋り出した。



 「は、はい!ミカエル様は大変素晴らしい上司です」



 「いや、でも姉御は結構悩みを抱えているっぽいぜ?」



 「ザック!貴様!」



 「いや、ジムの方こそいい子ちゃんぶってるんじゃねえよ!ちゃんと現実を見ろ!お前が悩みの種の一つだろうが!」



 「っ!」



 どうやらミカエルのところは色々とあるようだな。わたしはザックに聞いてみる。



 「ザック。君の考えを聞かせてくれないか?」



 わたしの言葉に驚くが、すぐ持ち直しザックは慣れなさそうに敬語を使い話す。



 「っ!ああ、いいぜ!です。まあ、いっちゃあ何だがこれはガブリエルさんとこの天使とミカエルの姉御のとこの問題だな。です。ガブリエルさんとこの天使ってトップがな・・・まあ、あれだから何つーか自由度が高い?っていえばいいのか?とにかく緩いんだ。です。対してミカエルの姉御のとこの俺らのとこの天使といえばな。上司が姉御だからな。なんか・・・どう言ったらいいんだろ?統率された?あっ!軍だ!軍!軍みたいな雰囲気でな。です。姉御は自覚がないみたいだが、姉御ってなんかカリスマがあるんだよな。です。それが雰囲気に影響してそうなんだが・・・。とにかく、姉御はそのことに憂いているんだ。です。それなのにジムのやつ、すっかり、カリスマにのまれてやがる。いい子ちゃんだぶるのも限度っていうものがあるよな。です。」



 「逆にお前はカジュアルすぎだ。ザック!」



 「お前はかしこまりすぎだ!ジム!」



 ジムとザックはつっこみあう。まあ、それはともかく、雰囲気か。確かにガブリエルなら間違ってでも軍のような雰囲気になりはしないだろう。だがこれは仕方ない部分もあるのではないだろうか。印象もいうものはすぐにも変えられるものではない。少しずつ緩和していくしかないだろう。わたしはザックにお礼を言う。



 「ありがとう。ためになった」



 「いや、総隊長が頭を下げることじゃねぇ。です」



 そうしているとガブリエルとミカエルが戻ってきたみたいだ。話し声が聞こえてくる。



 「どう?これでボクの方が強いってわかったでしょ?」



 「ぐぬぬ、なぜだ!運命力で改変したはずなのに」



 「ぷぷー。そんなちっぽけなイカサマしようとしてたの?そんなんわたしの魔素で概念ごとぶっ壊せばイチコロよ」



 「なっ!ずるいぞ!やり直しを要求する!」



 「そんなことないよ。それならボクの魔力を上回る出力を運命力で出せばよかったのにやらなかったのが運のつきだね。そもそも賭け事に運命力使うなよ。そっちがイカサマだろ」



 「ぐぬぬ」



 どうやら賭け事をしていたようだ。そのままわたしの部屋に近づいているのか声はだんだんと大きくなる。



 「じゃあ約束の対価は貰ったから」



 「くっ、悔しい!」



 約束の対価とは何だろうか。わたしはテーブルにあるオレンジジュースに手をつけた。ガブリエルは対価について話す。



 「じゃあ、約束通り、一年間我が君へオレンジジュースを運ぶ係はボクがもらうから」



 「ぶぅーー」



 わたしは口に含んだオレンジジュースを吹き出す。ガブリエルが給仕だと?なんか嫌な予感しかしないのだが。ガブリエルは地上での出来事を忘れているのか?わたしもハミンから聞いただけだが、聞いた内容によれば相当だぞ?



 ガブリエルたちはトビラを開けて中に入ってくる。



 「ガブリエルをお連れしました」



 「入れ」



 「失礼します」



 ミカエルが入ってきたが今はそれどころではない。ガブリエルの行動を何としても阻止しなければ、わたしの優雅なオレンジジュースライフが消えてしまう。わたしはそっと話題を誘導する。



 「そういえばこの部屋に来る前何かを話していたな」



 「ああ、そうだ!我が君!オレンジジュースは今度からボクが持っていくからね」



 わたしはそれに対抗する手段を脳内で考える。その時間何と0.00000001秒!わたしは対抗策でガブリエルに対抗する。



 「ああ、それなのだが自室にオレンジジュースバーを設置しようと思ってね・・・」



 決まったぁー。ガブリエルに対抗策が襲いかかる。



 「そうなんだ・・・」



 ガブリエルはがっかりしたように顔を下げるが。そこに思わぬ伏兵が現れる。



 「オレンジジュースバーは困ります!私の毎日の日課をとらないでください。これがあるとないとでは仕事のモチベーションが違います!」



 ここでカウンターァ!キマの横顔にミカエルの不意打ちがクリーンヒット!なんと!ここで二対一か?わたしはミカエルに反撃する。



 「ガブリエルに変わるのだからミカエルは関係ないだろう?」



 「ガブリエルは一年間だけです。そのあとは私にまた戻ります。全然関係ありあす!一年は我慢です」



 そもそもそんなにモチベーションに影響するなら賭けに出すなよ!わたしは心の中で叫ぶがガブリエルの追撃もきた。



 「ボクも我が君にオレンジジュースを持っていったらモチベーションが上がるかな」



 ここでガブリエル!地盤固めに入ったぁ!もうあとがないぞ!わたしはそもそもの問題を提起する。



 「そもそも、ガブリエルは地上での経験を踏まえて立候補しているのか?」



 わたしは疑問を口にするとガブリエルは曇りない言葉で答える。



 「うん!ボクは成長したし、きっとできるよ!」



 あっ、これ駄目なやつだ。だが曇りない瞳で見られたら否定しようにも否定できない。もう既に地盤を固められている。わたしは諦めるしかできなかった。



 「・・・わかった。ガブリエル・・・次から頼む」



 こうしてわたしの一年間の優雅なオレンジジュースライフは失われたのだった。

 ガブリエルとミカエルの賭け



 「ガブリエルはいるか?」



 ボクはミカエルの声が聞こえて振り向く。



 「ああ?ロボ女じゃん。なんかよう?」



 ボクはミカエルに話しかけるがミカエルは切れる。



 「言うじゃないかポンコツ天使!無能を行動だけで抑えておいた方が身のためだぞ?」



 言うじゃないか。ミカエル。ボクはミカエルに言い返す。



 「そっちこそ、知ってるよ?ミカエル。ロボ女ってボクの派閥の天使の様な雰囲気を目指してるみたいじゃない?ポンコツって言ってるくせに参考にするなんて、不良品ロボットなんじゃない?」



 「貴様!そもそも私はロボットではない!」



 「用ないならとっとと立ち去ってよ!ロボ女」



 「今、ここで塵にしてもいいんだぞ、ポンコツ天使」



 僕たちが睨みあっているとハミンが割って入る。



 「二人とも!そこまでです」



 ハミンはボクとミカエルの間に割って入った。



 「ああ、すまない。ついカッとなってしまった」



 「ごめん、ハミン!」



 ミカエルには強く出るがハミンには弱いそれはミカエルも同様だ。ハミンは要件を尋ねる。



 「それで、要件は何ですか?ミカエル様」



 「ああ、そうだな。ガブリエル、召集だ。マスターが呼んでる」



 どうやら用事があるのは我が君のようだ。



 「それならすぐに言ってよ!早くいくよ!」



 「私は言おうとした!」



 こうしてボクとミカエルの二人で我が君のところへ向かう。



 「・・・」



 「・・・」



 (色々と言い合ったあとだから気まずいなぁ)



 ボクとミカエルは横隣で歩いているが会話を発さなかった。わたしは遠くに自販機を見つける。通り道だ。ボクはミカエルに話しかけた。



 「あー、のど渇いたなぁ。ミカエルあそこに自販機あるからさぁ。奢ってよ」



 「誰がお前なんかに奢るか!」



 天界では地上と同じようにお金でものを買う。天使は天使に向けて商売をするものもいれば天界のインフラを整えてくれる天使もいる。暮らし的にはある程度暮らしが保証されている地上くらいの感覚だ。



 「じゃあ、勝負に勝ったら奢ってよ。ボクも負けたらミカエルに奢る」



 「そうか。ならわかった」



 そのときミカエルの広角が上がったような気がした。



 「じゃあ、じゃんけんで勝負なんかどう?」



 ボクはミカエルに提案する。それをミカエルは快く了承した。



 「じゃんけん、ポン!」



 ミカエル パー



 ガブリエル グー



 「あー。負けちゃったか。残念」



 ボクたちは自販機へ向かう。



 「このロイヤルオレンジジュースっていうのがいい」



 よりにもよって一番高い奴だ。ボクはそれを選ぶとミカエルに渡した。



 「ありがとう」



 ボクはミカエルの方を見る。そこには何か企んだことが成功したみたいな顔を浮かばせていた。五年一緒にいたが奴は顔に出やすいタイプだ。



 (これは、運命力を使ったな)



 ボクはその可能性を考える。運命力は改変能力に加えて未来予知がある。それを使ったのだろう。



 (ふうん、そう言うことしちゃうんだ、ミカエル。それならこちらにも考えがあるけど・・・)



 ボクは奴を陥れるための下準備に入った。



 「えー!悔しいな!ロボ女に負けてばかりじゃいられない!また勝負だ」



 「いや、もう飲み物はいらないので結構」



 「じゃあそこにあるクレープは?」



 ボクはクレープ屋の屋台を指差した。ちょうどまた通り道にあった。ミカエルはクレープ屋を見たあとニヤリとうっすら笑みを浮かべると了承する。



 「では、あそこのクレープ屋のいちごが入っているクレープが何個あるか予想しよう。近い方が勝ちだ」



 「わかった。じゃあ三種類かな?」



 ボクはそう予想するとミカエルは四と答える。僕たちはクレープ屋にいくと店主にたずねた。



 「ここにいちごのクレープって何種類あるの?」



 ボクが聞くと店主は答えてくれた。



 「ああ、えっと、四種類です」



 「当たったな。私の勝ちだ」



 ミカエルはそのことを聞いたあとすごく不敵な笑みを浮かべていた。完全に運命力を使っている。ボクは悔しがるそぶりをした。これでいい奴はこれで完全に味をしめた。



 「あー!また負けちゃった!」



 ボクはミカエルに約束通りクレープを奢る。



 「あっ!スペシャルクレープにトッピング全部つけてくれ」



 ああ!キレそう!だがボクは耐える。



 ボクたちはまた我が君の元に歩き出した。ボクはまた勝負を持ちかける。



 「あー。勝ちたいな!このままじゃ終わらないなー。ミカエル、また何かを賭けて勝負しようよ!」



 「でも賭けるものがないだろう」



 そこでボクは本命のものを提案をする。



 「じゃあさ。ミカエルって我が君にオレンジジュースを届けることをしてるでしょ?あの権利を頂戴?」



 「あげるわけないだろ!」



 そう言うと思ったからこちらも特大の品を用意してある。



 「でもボクが賭けるのもミカエルが欲しいものだと思うよ」



 そう言ってミカエルにある本を見せる。



 「こ、これは、マスターの隠し撮り写真集!コレクターの中ではまことしやかにささやかれていた幻の本だと!実在したのか!」



 「いいでしょ。一枚めくってみようか?ほら、普段は見れない我が君のこんな姿やあんな姿が・・・」



 「見せろ!ガブリエル!」



 「おっと、ここでお終い!どうする?賭ける?」



 「ぐぬぬ、じゃあ一年だけ譲るならいい」



 「わかった。じゃあ契約の魔法を使おう」



 ボクとミカエルで契約を交わす。この魔法で交わしたものは相手が解除しない限り行わなければならない。ミカエルは今完全に油断している。ボクが企んでいるともつや知らずに契約を行った。契約をすればこっちのもんだ。ボクは次のゲームを提案した。



 「ポーカーなんてどうかな。賭けるのはチップじゃなくて物品だからね。交換なしの引いた五枚の一発勝負だなんてどう?」



 「ああ、それでいい」



 ミカエルはもう勝った気でいるのか頬が緩んでいた。



 ボクは次元を開きカードを取り出す。



 二人でカードをシャッフルをする。ミカエルは完全に勝った気だが、ボクが運命力に気づいていないと思っているのか。全く、間抜けである。ボクはミカエルの運命力を破壊するべく目一杯の魔素の破壊の力を放つ。



 「っ!」



 ミカエルは驚くがそこにボクが一言告げる。



 「ああ、言い忘れてたけど、運命力なんて使ってないよね?」



 ボクはあたり一面に概念をも破壊する魔力を展開しながら問いかける。



 「早くカードを引きなよ」



 そのことにミカエルはものすごく焦っていた。そして気づいた。自分は誘い込まれていたということに。



 「騙したな!ガブリエル」



 「運命力なんてインチキ許すわけないじゃん、さっさとカードを引けよ!ロボ女」



 ミカエルはカードを引いた。そしてボクもカードを引く。ボクは今回は運がいい。ついていたみたいだ。



 「さあ、出すよ」



 僕たちは同時に出す。



 ガブリエル ロイヤルストレートフラッシュ



 ミカエル ハイカード



 「ロ、ロイヤルストレートフラッシュ!?嘘だ。何で!インチキだ!」



 ボクはロイヤルストレートフラッシュを出したが今回はボクは何も細工とかしていない。つまりは素でロイヤルストレートフラッシュなのだ。ボクも普通に驚いた。まあ、ずるしようとした奴には天罰が降るんだね。



 「じゃあ、ちゃんと賭けの話聞くよね。敗北者。じゃあ契約の魔法、発動」



 契約の魔法が発動する。これで一年間はオレンジジュースを運ぶ係はボクのものになる。



 「写真集もしまっちゃおう!」



 「そんな・・・写真集・・・」



 ボクは次元に写真集をしまう。ミカエルはもう自分のものだと思っていた写真集を逃して呆然としていた。ボクはそうしてオレンジジュース係を勝ち取ったのだ。

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