狂人は師匠を演じる
「これでとどめだ」
あれから時が経ち、彼らの学校が終わった放課後、わたしはいつものように三人の特訓をしていた。盤城龍太郎は東山札音と、わたしはさっきまで読札霊太と戦っていた。
「・・・負けた」
そんなことを言っている霊太にフォローを入れる。
「いや、前よりは強くなっている。成長しているぞ」
その言葉に札音と龍太郎は賛同する。
「俺もそう思うぜ、ぶっちゃけ俺と戦う時とか、めっちゃ霊太の実力が上がってるって感じるし、めっちゃ厄介になったよな」
「僕もそう思う。気にすることじゃないよ。僕たちまだ一回も先生に勝ててないんだよ」
しかし、霊太はそれに反論する。
「でも!これじゃあいけないんだ。僕はもっと強くならなきゃ」
その顔は穏やかな顔ではなかった。まるでこの世を恨むようなそんな顔だった。まさか、霊太がラスボスとかないよな・・・いや、ないか。もしラスボスだったら、わたしが戦うときにわかるはずだし。そんなとき札音がわたしに何かを渡してきた。
「はいこれ」
「これは御守りか」
「うん、私たち三人の想いがこもった御守りだよ。三人で想いを込めて作ったの」
そこには特徴的な模様を縫った御守りがあった。
わたしは三人に感謝を告げる。
「あっ、僕もう用事あるから帰るね」
そう言って札音はいつものように帰宅していった。わたしはふと疑問を口にする。
「そういえば、札音は毎回この時間に帰っているが、何か用事でもあるのか?」
わたしは疑問を口にすると龍太郎から帰ってきた。
「あれ、師匠知らないのか?札音は帰って家の手伝いしてるんだよ。なんでも両親がいなくて、姉が札音を育ててきたから、少しでも札音の姉 札花に楽させてあげたいって家業を手伝ってるんだよ」
わたしの疑問は解消した。そんな理由だったのか。
・・・
僕は東山札音。僕には年の離れた姉がいる。
「札音ー。お風呂上がったよー」
「はーい。おねーちゃん」
今、わたしを呼んだのが僕のおねーちゃん。東山札花だ。お姉ちゃんはすごい。美人で髪もツヤツヤでおっぱいも大きくて、男みたいって揶揄われる僕にとって憧れの存在だ。そしてお姉ちゃんは僕がものすごい小さい頃に両親が亡くなってからずっと一緒だ。
わたしはお風呂に入ってから。色々としたあと。お姉ちゃんを手伝う。
「ああ、札音!それ切って鍋に入れてくれない?」
「わかった。お姉ちゃん」
わたしはお姉ちゃんの横顔を見ているとその視線に気づいたのか、優しく微笑みかける。そんなお姉ちゃんは大忙しだ。わたしは記憶に無いけど、両親はろくでもない人だったようで、お姉ちゃんは学費の問題で学校に十分に行けなかったらしい。だから、お姉ちゃんは僕を自分と同じ目にさせないために一生懸命働いている。わたしはお姉ちゃんに学校はいいと言っているが引かない。でもわたしは知っている。お姉ちゃんが毎晩通帳を見て涙を流していることに、わたしはお姉ちゃんに楽をさせてあげたい。しかし、お姉ちゃんは引かなかった。そんなときわたしはカードプレイヤー推薦という話を聞く。その話によれば優秀なカードプレイヤーは学費が免除されるというものだった。僕はお姉ちゃんを楽させたい。そして近頃僕はプロに弟子入りをした。もっと強くなるために頑張ろう。大好きなお姉ちゃんのために。
最近、お姉ちゃんの様子がおかしい。何か隠し事でもしているようだった。夜に急に外出も多くなった。今度、長い外出があったら、外に出てみようかな。
・・・
「ふう、今回はこれで終わりかな」
「えー!師匠もっとバトルしたい!」
「そう言われても、もう暗くなってきてるぞ。今日は龍太郎がごねたから長くやった方なんだ。これ以上は長くしないよ」
「ちぇ!」
龍太郎は悪態をつく。すると霊太があるものを見つける。
「これって・・・、札音の持ち物か」
その声に龍太郎が反応する。
「ああ、確かに!じゃあ札音のやつ忘れ物したんか」
確かに見てみると札音が普段から持ち歩いているポーチだった。
「ああ。じゃあ、わたしは暇だから札音の家に届けてこよう」
わたしはそう言うと龍太郎は反応する。
「暇なら今ここでバトルしてくれよ」
「それとこれとは話は別だ」
そう言うことでわたしは解散したあと札音の忘れ物を届けに札音の家に向かうのだった。
カード図鑑②
クリーチャーカード
名前 ミニドラ
種族 ドラゴン
攻撃 500
防御 200
召喚コスト 0
このクリーチャーはフィールドに他のカードがいるとき攻撃できない。このカードがフィールドに出たとき他のカードがフィールドに存在しないならカードを一枚引く。
盤城龍太郎が使うコスト0のカード。見た目は小さな赤い竜でマスコット的な可愛さがある。このカードの背景からは竜の巣にいるミニドラの様子が見てとれる。同じ赤い竜でよく似た存在であるミドルドラと紅凶竜ラージドラはどちらも背景にミニドラが写っているが、関係性は不明。現在ではミニドラが成長した姿がその二枚なのではないかと言う説が有力である。




