狂人はクソゲー臭を嗅ぎとる。
「さてと、まずはどうするか」
わたしはニャルから渡された紙をもう一度見る。初めの紙を捲ると顔写真と名前が現れる。
・・・
盤城龍太郎
「見た目的には重力に逆らった赤髪が特徴的だな。資料によると快活で明るい性格らしいな」
見た目的には日本にいたら目立つ見た目だが、この世界では普通なのだろうか。服は奇抜じゃないな。わたしは次のページを捲る。
・・・
読札霊太
「前髪がくるんと、曲がって特徴的だ。青髪で、盤城龍太郎とは対照的になっている」
灰色のパーカーの上には緑のフィッシングベストを着ている。しかし、これを見るに二人とも子供だ。子供に世界を救わせると言うのか。もしやこれはとんだクソゲーをつかまされたのではないか。わたしはそんな文句を浮かべながら次のページを捲る。
・・・
東山札音
「結局、全員子供だな」
顔写真にはぱっと見でボーイッシュな少女が写っていた。髪型はショートヘアでピンクの髪の髪先は薄ピンクになっているのが特徴的だった。
・・・
「この三人が物語の主軸か」
そうしてニャルから渡された設定書を見ているうちにあることに気がつく。
「あれ?三人の居場所とかがのってないな」
そこには三人の居場所がのっていなかった。しかもそれ以前にここの場所もわからない。
「これ本当にクソゲーなのでは?」
ゲームを進行を手助けしてください。なお、自分で登場人物を探してくださいって、アホか。ここ現実の世界だぞ!
「それにニャルが言っていた罰ゲームと言うものも気になるな」
わたしはあのときの言葉を思い出す。
「君の負けで罰ゲーム・・・か」
確かそう言ったはずだ。
(このゲームに負けると罰ゲームがあるのか?)
わたしは勘案する。神が行う罰ゲームだ。それにニャルを見ている罰ゲームがどれほどのものか心配になる。それにあいつの去る前の言いぶり的にはゲーム上での死の可能性も十分にあると・・・。それがもし本当なら罰ゲームもきっとろくなことにならないだろう。
「もし三人と出会わずに三人がラスボスに負ければ、すなわち・・・」
ゲームオーバー。即刻罰ゲームの可能性があると言う訳か。これは三人を早く見つけないとやばいかもしれないな。
「あれ?よく考えたら負けの条件もわからないな」
今、明確に負けと言われているのがわたしがラスボスを倒すこと。それに推測にはなるが、三人がラスボスに負けることか。
(これはクソゲーポイント加算だな)
とにかく勝ちの条件が伝えられていても、負けの条件が伝えられていない以上はこのゲームの負けに関しては条件がわからないから慎重にいくしかないか。もしかしたら離脱で負けの可能性もあるからな。この世界から無断で脱出するとかもやめておいたほうがいいだろう。流石に歩いたらゲームオーバーとかないよな。ニャルを考えると外なる神が行うゲームが心配になってきた。いや・・・、そんなに深く考えるだけ無駄か。
さらにわたしはもう一つの不満を漏らす。
「はぁ・・・。さらには勝ちの条件であるラスボスについても謎のままか」
このゲームのクソゲーポイントがますます溜まっていく。
「一応、わたしとバトルするときは直感でラスボスとわかるらしいが、これはわたしが間違ってでも倒さないようにするための措置か」
それにしてもである。負けの条件も教えられてないが、勝ちの条件もこれじゃあろくに情報が無いじゃないか。
「おーい。ニャルいるのか」
わたしはニャルを呼ぶが何も返事は来ない。やはりクソゲーだ。心の中で悪態をついたあと、わたしは切り替える。
「魔素ももしものためにとっておきたい。地道に探してみるか。まあ、まずはとりあえず情報収集から始めるしかないな」
切り替えて進もうとすると目の前の道に武士風の格好をした男が歩いていた。この世界は髪型だけじゃなく格好も奇抜なのか。通りすがった男はわたしに声をかけてくる。
「すみませぬ、拙者、武者修行をしているものでござる。ゆえして、拙者とバトルして欲しいでござる」
こんなにもバトルが蔓延る世界なのか?まあこの世界の人の力量を図るためにはちょうどいいだろう。
わたしは武士風の男の誘いを承諾する。武士風の男はこのあと高々に言った。
「かたじけない。それがし、武田信玄餅と申すもの!この度決闘を申し上げる」
武士風の男は続けて言う。
「カードスタンバイ!」
「・・・・・・・・は?」
わたしは予想外の言葉に思考停止した。
クソゲーポイント (ゲームに例えると)
・イベントに必要な登場人物を広いマップの中からノーヒントで見つける。しかも三人。
・ラスボスを倒せと指示はあるが、そのラスボスに辿り着くまでのフラグが一切謎。
・ゲームオーバーの条件がわからない。
・現実だからセーブデータなしだし、しかも一回きり。
・そもそもこのゲーム自体半強制的にやらされている。
・そもそも運営がくそ。




