狂人、今こそ神のゲームを動かすとき
「まったくもって、説明不足だ」
わたしは穴に落ちた後、その先は草地の上だった。
わたしは周囲を見渡す。
「川に、勾配のある坂、それに橋?ここは河川敷か?」
あながち間違いでは無かった。と言うかむしろその推測は正解だった。わたしは坂を登った後に衝撃の光景を目にする。
「これは、・・・住宅街!?」
明らかにそこにはわたしの故郷、日本の風景が広がっていた。
(わたしは地球に飛ばされたのか?)
色々考えていたところである者が現れた。
「ここは地球に似ているけど地球じゃないヨ」
振り返るとそこにはニャル?がいた。なぜニャル?となっているのかというとその理由は見た目にある。
「二頭身になっているな」
なんと、ニャルの姿を少しデフォルメされたものを小動物のサイズにしたような姿をしていた。そして頭には小さいシルクハットをちょこんと被っている。ニャルは続けて言う。
「このくらいおちゃのこさいさいだよ。オレは変化が得意なんだよネ」
そういうと、ニャルは二頭身フォルムのまま身体を骨格を無視してくにゃくにゃさせる。まるでスライムみたいだ。
「あっ、言いたいことがあるんだった。このゲームの説明のネ」
ゲームも何もここに来る経緯もわたしはよく把握していないのだが・・・。とりあえず、ニャルに責め立てる。
「そもそもやるとは一言も言ってないのだが」
その言葉にニャルは反応する。
「えー。少しだけ遊んでもいいじゃない。オレたち外なる神は遊びが好きなんだ。少しくらい付き合ってヨ」
「だがな・・・」
ニャルは駄々をこねる。
「ああ。遊んでいこうヨ!それにこれをやれば、神の一人として正式にみとめられるんだヨ!神には戦闘を生業にしている奴とかいるからネ。そう言う奴らとの面倒ごとを避けるためにも、あの方、いや、アザトースを楽しませるのは有用だと思うよ」
わたしはニャルの言葉に一理あると考えた。なるほど確かに余計な面倒ごとが減るのはいいことだ。確かにやる価値はありそうだな。わたしはゲームをすることにする。
「なるほどわかった。やるにはやろう」
「おお、さすが!あっ、でも君の星は管理が難しいから、狙われる心配は低いかもだけど」
「おい!」
わたしはニャルにつっこむ。それならこのゲームやる意味もないんじゃないか?そこに慌ててニャルが言った。
「けど、けど!中にはそんなごと考えてない脳筋神もいっぱいいるからネ!ほら、遊ぼ!」
何か揶揄われているような気がしたが、そこは一旦引いておく。するとニャルは話を戻すため話し始めた。
「さてと・・・話を戻して。まずは何をしたらいいかだね。じゃしゃーん、はいこれ設定」
わたしはニャルから紙が渡される。
・盤城龍太郎
・読札霊太
・東山札音
ニャルから渡された紙には名前と顔写真が入っていた。
「で、結局何が言いたいんだ?ニャル」
わたしがニャルに質問するとニャルは楽しそうに答えた。
「ふふふ、つまりはネ。これがお題なんだよネ。この四人を中心に物語が進んでいくから。君は彼らが世界を救う手助けをすればいい。そういうゲームサ」
「ふむ、なるほど」
わたしは理解する。つまりは物語を進行させろと言うことか。
「あ、君が想定されたラスボスを倒すのは無しネ。そのときは君の負けで罰ゲーム受けてもらうから。あくまでも倒すのはあの四人のうちの誰か。君におんぶで抱っこだったら倒せるレベルにならないかもしれないから気をつけてネ」
「待て、罰ゲームってなんだ!」
そして続けてニャルは言う。
「あと詳しい設定は街に行けばわかるから。ちゃんとロールプレイしてネ。じゃあ、生きてたら。また」
そう言って逃げるようにニャルは消えていった。と言うか、最後しれっと不穏なことを言ったな。このゲームは死ぬ可能性があるのか?
『アカシック・レコード』
反応がない。やはり使えないか。アカシック・レコードはわたしが管理する星の記憶を見る技だ。しかしここは異世界であり別の星である。アカシック・レコードが機能するわけがなかった。それに魔素不足も相まって他にも色々なスキルが使えなかったりしている。現在は省エネモードだ。わたしは魔素が普段大気中にたくさんあったため、自身が魔素を産み出すような機能をつけていなかったが、それが現在仇となった。現在あるのは前にも言ったが体にある魔素のみだ。体内の魔素はいつも圧縮して限界まで詰め込んでいるが、限界もある。わたしは魔素の増殖と節約を心がけるのだった。




