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マッドサイエンティスト異世界で神をやる  作者: 竹馬の友
発展編

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19/92

狂信信者は布教したい4

 「アナシス!二人お願いわたしは残りの三人を引き受ける」



 「わかりました。マルタ様!」



 そういうとわたしは三人の相手をする。後ろには少女がいる。魔法でけりをつけよう。わたしは風の魔法を放つ。



 「はぁ!」



 わたしの放った風の刃はわたしに向かってくる一人に直撃した。



 「詠唱せずに魔法を放っただと!」



 茶色ローブは動揺するが臆せず襲いかかる。



 『ファイアボール』



わたしは水で『ファイアボール』を相殺する。そうしていると一人が近くに迫り短剣を振る。



 『障壁』



 「なに!」



 わたしは障壁で短剣から守り、至近距離で魔法を放つ。



 『ウィンドカッター』



 「ぐほっ!」



 短剣を持ったローブは崩れ落ちる。あと一人。



 『ファイアランス』



 最後のローブが魔法を放つ。わたしの障壁にひびが入る。わたしは構わず魔法を使う。



 『植物操作』



 わたしはポケットに入った種から麻痺薔薇を成長させ魔法の男を拘束した。麻痺薔薇の棘が刺さると耐性がない限り麻痺をする性質をもつ。男は体を拘束した麻痺薔薇によって麻痺になった。



 「アナシスも終わったかな」



 ちょうどアナシスも戦いが終わったようだ。ひと段落着いたことで少女の話題になる。



 「あなた、名前はなあに?」



 わたしは優しく聞いてくる。



 「みんなわたしを特別被験者-001って呼んでた」



 帰ってきた返答は予想以上のものだった。数字で呼ぶだなんて、この子がいる場所は碌な場所ではなかったようだ。それは身体からもうかがえる。



 「被験者・・・。まさかこんな幼い少女を・・・」



 わたしたちは絶句した。この少女の傷だらけの体からは壮絶な仕打ちを受けたことを思い知らせた。

 わたしは麻痺薔薇で拘束したローブを衛兵に預けたあと、少女を連れて城へきた。衛兵は少女を見て止めたが、少女は今狙われているのだ。わたしは巫女の旅の一行であると突き通し城に通すことに成功した。





・・・




わたしは少女を見ると、回復魔法「ヒール」をかけていった。そんなに回復魔法が得意なわけではないが普通の人よりは使える。とりあえずは傷は消えたかな?古傷などは治せなかったが目に見える傷は癒えた。



 「お姉ちゃん?」



 少女はぎゅっと手を握ってくる。わたしは少女の頭を撫でる。



 「何か名前がないと不便ね。そうだ!名前がないならわたしがつけちゃいましょうか。そうね。例えばフォルトゥナなんてのはどう?あなたのこれからの人生に幸運があるようにって願いを込めたの」



 「フォルトゥナ・・・わたし、フォルトゥナ」



 どうやら気に入ってくれたようだ。わたしはフォルトゥナの頭を撫でる。どうやら嬉しそうだ。



 「それに次は綺麗にしないとね」



 フォルトゥナは風呂にもろくに入らせてもらっていなかったのか薄汚れている。それに臭い。衛兵に洗ってこいと言われるくらいだ。わたしはフォルトゥナを連れて浴槽にいく。王宮の風呂なだけあって豪華で広い。わたしはフォルトゥナを洗う。



 「ヒッ」



 「ああ、驚いた? フォルトゥナはもしかして水に慣れてない?」



 フォルトゥナは縦に首を振る。



 (そうか。フォルトゥナはろくに風呂にも入れてないみたいだし傷口が無数にあった昔では痛くてそれどころじゃないだろう。感染症とかあっただろうに、よくこれまで生きていけたものだ。これも魔族だからとかあるのかな)



 とにかくもうフォルトゥナには傷も危険もない。フォルトゥナにはお風呂に慣れてもらおう。



 フォルトゥナを洗っているとだんだんと汚れがおちてフォルトゥナ本来の姿が現れる。



 「これは・・・」



 ボサボサの髪は綺麗な黒髪になり、薄汚れていた顔は今では見る影もないくらい美人になっている。

 わたしは思わず引っ張る。



 「うっーー」



 フォルトゥナな思うがままにほっぺをいじられている。子供の肌のもちもちだ。魔族はスペックが高い種族と聞いたが、肌のスペックも高いとは。反応が可愛くて触るのをやめられない。

 わたしはほっぺを存分に堪能した。





 ・・・




 風呂のあとわたしとフォルトゥナが遊んでいるとアナシスが入ってきた。



 「王様から呼び出し?」



 「はい。どうやらローブの男の件のようで」



 アナシスはそう言ってきた。わたしは席を立つ。するとフォルトゥナは手を掴んできた。わたしはその可愛さに感激して、一緒に連れて行くことを決める。



 「怒られますよ」



 「フォルトゥナは関係者なんだから大丈夫だよ」



 「フォルトゥナって?ああ、この子のことですか」



 アナシスは少しマルタを指導するが、そのまま押し返される。キマ教は、世界的に信仰されている宗教であり、そのトップである巫女は凄まじい権力を持つ。たとえ王様であっても軽々しく扱っていい存在ではないのだ。わたしはフォルトゥナとアナシスを率いて王様ジョン・ルドルを訪ねる。王は見ない顔がいたことに少し驚いていたが、すぐにとりもち席に座らせる。ジョン・ルドルは30代後半くらいの味があるイケオジである。本来他国で襲われたりした日なんかには国際問題になるがわたしたちが街に出たのはわたしの責任だし、そのおかげでフォルトゥナを救えたのだから何も咎めるつもりはない。わたしたちが座ると挨拶などしてから早速本題に入っていた。



 「それで巫女殿、貴殿が襲われたという。ローブの男の正体がわかった」



 ジョン王が話す。



 「奴らの正体は国際指定犯罪組織『ドラゴンズチルドレン』であった」



 「ドラゴンズチルドレン・・・」



 ドラゴンズチルドレンはドラゴンを信仰し、ドラゴンに生け贄を捧げようとする集団である。わたしたちキマ教と敵対し、精霊から視認できなくさせるローブを纏って行動する。ドラゴンに生け贄を捧げるためなら手段を選ばないやばいやつだ。これはわたしたちも放っておくことはできない。



 「尋問したところその中でも六人いる幹部のうちの一人。風竜の使徒 テュポーンがいるようだ」



 「っ!」



 「テュポーンだと!」



 ドラゴンズチルドレンには六人の幹部がいる。各竜の棲家ごとに一人いるとされている。その中でも風竜を讃えるものそれがテュポーンだ。



 「幹部級・・・少なくとも一人で災害級の被害を起こすことも考えられるね」



 ジョン王はそれの後にわたしに言う。



 「幹部を確実に討伐するための戦力はあるわけでもない。幹部となると一人で戦況をひっくり返すというからな。だから巫女殿、協力を要請したい」




 わたしとしては願ってもない要請だ。わたしはその要請に承認する。そしてドラゴンズチルドレン幹部風の使徒テュポーン討伐に乗り出すのだった

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