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第18話・寿司(前編)

ナレーション2「各地区で反乱軍制圧作戦に乗り出した正規軍。中央レジスタンス連合の本拠地となっていたマンション・レジデンス反吐川サイドにも奇襲を仕掛け、一時は反乱兵たちの拘束に成功したものの、想定外の反撃を喰らった挙句、多数のクロスレンチを撃ち落とされる失態を犯す。一般兵が攻略に手を焼く中、ミハラはグランドクロスに乗り込み、矢面に立って反乱兵と戦うべく、マンションの屋上目指して飛んでゆくのであった」


連合軍兵士103「なんだありゃ……デカいクロスレンチが出てきたぞ!?」


連合軍兵士56「いや、クロスレンチじゃない……グランドクロスだ!」


連合軍兵士103「ぐ、グランドクロス……!?あんなのとやり合って勝ち目はあるのか……!?」


連合軍兵士56「大丈夫だ、よく思い返せ。さっきだってうちらはクロスレンチの大群を撃ち落としてみせたじゃないか。クロスレンチは優秀な武器だが、むしろその優秀さ故に敵兵は武器の性能に()()()んかんに戦況を観察することを怠っていた」


ショウ「甘えび一丁!」


ハン「へい!」


連合軍兵士56「モガッ……ほほはふへひふふひは。ほひはふほーへひほひはへへ、ふーはんへはーほははひはひへ、ははふ!ほへはへひははほーひははひほ……ゴクン」


連合軍兵士103「そうだよな……このまま何もしなかったら無意味に捕まるだけだもんな……やるだけやってみるか!」


ナレーション2「反乱兵の注目を浴び、銃弾や投擲物の集中砲火を受けるグランドクロス。だがその勢いは落ちることなく、どんどん高度を上昇させてゆく」


連合軍兵士103「いや、やっぱりダメだ!全く効かない!」


連合軍兵士56「クソッ、重量も頑丈さもクロスレンチの比じゃないんだ!」


ナレーション2「そしてとうとうマンションの屋上に到達するグランドクロス。高速回転する砲身で反乱兵に接近し、体当たりを狙う」


連合軍兵士103「うわっ、危ねえ!あんなのに当たったらひとたまりもないぞ!」


連合軍兵士56「怯むな、どうせ脅しだ!正規軍は敵の生け捕りを原則としてるはずだから、あんな風に人をミンチにするような攻撃は本気じゃないだろう」


連合軍兵士103「そうは言っても事故って死ぬ可能性はあるだろ!それに、有効な攻撃の手段がない以上、無闇に突っ込んでも返り討ちに逢うだけだぞ!?」


連合軍兵士56「なら……例のブツを試してみるか!」


連合軍兵士103「や、やるのか!?例のブツを!?」


ナレーション2「ボトルクレートを担ぎ出す反乱兵。並ぶビール瓶を次々と手に取り、ライターで詰め物に着火させ、飛び回るグランドクロス目掛けて投げてゆく」


連合軍兵士56「こっちは()()()レがあるんだよ!喰らえっ!」


ショウ「真だこ一丁!」


ハン「へい!」


ナレーション2「反乱兵が言う『コレ』の正体は火炎瓶であった。投げられた瓶のうち何本かがグランドクロスに当たり、火柱を上げる」


ミハラ「なんだ?……うわぢっ!」


連合軍兵士103「やった!当たった!」


連合軍兵士56「モグモグ……はへんひんはへんはひふーほーはほひーはほほははふ。ふひははははひっはひはへんひんひははっへひほーへーひはへふほは。ふはんほふほふひへんひんははふほははふへーはは、はひふひほーへほはへーひほへはっへひふはひははふはほひへははひ」」


連合軍兵士103「な、なるほど!」


連合軍兵士56「ほーはんはふははへへ、ほっほへんほーはへふほ!……ゴクン」


ナレーション2「追撃を受け、炎に包まれるグランドクロス。しばらくは勢いを保ったまま回転を続けていたが、やがて制御を失い、マンションの屋上で不時着した。砲身からミハラが這い出る」


ミハラ「あぢぢ……」


連合軍兵士56「ストップ!動かないでください!」


ナレーション2「反乱兵に銃を向けられるミハラ」


連合軍兵士56「腹這いのまま、両手を頭の後ろで組んでください」


ミハラ「……」


連合軍兵士56「ミハラさん、取引しませんか?」


ミハラ「……取引?」


連合軍兵士56「単刀直入に言います。マンションの外で逃げ回っている連中と……それから、コンテナに入れられた仲間を見逃してください」


ミハラ「見逃してどうなる?見返りはあるのか?」


連合軍兵士56「マンションの中にいるメンバー一同、無傷で投降します」


ミハラ「……それが見返りだとでも言うのか?私らにはなんのメリットもないだろ?」


連合軍兵士56「あなた方の目的はあくまでも我々を生け捕りにすることでしょう?可能な限りの非殺傷を貫いてきたからこそ、戦後秩序の維持を托せる組織として、民衆の信頼を得られていたはずです。……おい、アレを見せてやりな」


連合軍兵士103「あ、ああ」


ナレーション2「屋上の隅へ向かう反乱兵。足元のポリタンクを靴の先でつついてみせると、ミハラの顔が険しくなった」


ミハラ「それは……!」


連合軍兵士56「そう、灯油ですよ。下の階で我々の仲間が手筈通りに撒き散らしていれば、火種ひとつであっという間に大炎上させられます。もし、今回の作戦で多くの焼死者を出したとなれば、()()()正規軍と言えど、非難の的になるでしょうね」


ショウ「いくら一丁!」


ハン「へい!」


連合軍兵士56「ムグッ……はんへんははは、ひはほはへはへひはへーひふんひはへふほほほふほふははひはへんは……ゴクン……いざって時はマンションと心中して焼死体になるくらいの覚悟はあるんですよ!」


ミハラ「……話は終わりか?生憎だが、こちらとしては()()なる要求も呑むつもりはない」


ショウ「いか一丁!」


ハン「へい!」


ミハラ「ムゴッ」


連合軍兵士56「……言っておきますが、今、マンションの中に正規軍の兵士がいることをお忘れなく。『加護』があるから死ぬことはないでしょうが、いざという時には我々と火ダルマになっていただきま


ミハラ「はっへひほ!」


ナレーション2「『やってみろ』の『ろ』を言い終わらないうちである。ミハラが隠し持っていたクロスレンチの銃撃により、反乱兵たちは鎖骨を砕かれていた」


連合軍兵士56「ナッ」


連合軍兵士103「ウゲッ」


ナレーション2「反乱兵の胸ぐらを掴むミハラ。クロスレンチの銃口を眼前に突きつける」


ミハラ「ゴクン。おい、軍の兵士らは……私の部下は無事なんだろうな!?」


連合軍兵士56「……」


ミハラ「答えろ!どうなんだ!?」


連合軍兵士56「……ゲホッ……ど、どうぞ……撃ちたければ撃ってください」


ミハラ「……」


連合軍兵士56「ほ、ほら……早く撃ち殺したらどうなんです?」


ミハラ「……クソッ!」


ナレーション2「兵士の胸ぐらから手を離すミハラ」


ミハラ「お前ら、甘く見るなよ。必ず全員()()したまま捕まえるさ」


ショウ「いか、もう一丁!」


ハン「へい!」


ミハラ「ムゴォッ……ほへはへはひっへほふ。ははひはふんひんはは、はへひほひほひへひんへんほひほひほはほんひふふほひははひ……ゴクン」


連合軍兵士56「……」


ナレーション2「吐き捨てるように言い放ち、階下に向かおうとするミハラ。ドアノブに手をかけたその時である。辺り一帯が真っ暗になった。朝を迎え、雨天ながらも空が明るくなっていた中、突然のことである」


ミハラ「こ、これは……まさか『シャーリー』か!?」


ナレーション2「身を翻し、屋上を駆けるミハラ。ぐったりしている反乱兵たちの元へ戻り、彼女たちを叩き起こす」


ミハラ「おい、聞こえるか!?」


ナレーション2「ミハラはクロスレンチの銃口のひとつからペン状の注射器を取り出すと、反乱兵の脚部に刺した」


連合軍兵士56・連合軍兵士103「ギャッ」


ミハラ「い()()お前ら、よく聞け。緊急事態だ。『与野本町の怪人』が現れた」


ショウ「またまたいか一丁!」


ハン「いか人気っスね~!へいっ!」


ミハラ「ムゴホッ……ほほひひふほひへんは。ひはふふひへほ。ほほはんほんはははっふふひへ、ひはひははふはほはへはひへ」


連合軍兵士56「な、何を


ミハラ「ひへっ!ひはほはへはひひはほーふーほひほほほほひは。ほへへはひへふはふは。ひはほはひひひふはふほふへへ、ひっほふほははふひはんふふんは」


連合軍兵士103「ひ、避難ってどこに?」


ミハラ「ほひはふひはひほはふほほほは!……ははひははほへはひひへははひは、へーひふんほはふはほふへへひっへふへふとはひははひ。……はほんはほ!……ゴクン」


ナレーション2「そう言い残し、グランドクロスに乗り込むミハラ。突如として辺りを覆った暗闇は一体なんなのか?『シャーリー』、『与野本町の怪人』とは?そして正規軍と反乱兵の駆け引きの末路や()()に?次回『コウノトリの野望』第19話、乞うご期待!」


ショウ「さらに追加でいか一丁!」


ハン「今日はもうネタ切れっス」

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