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名声を手に入れるまでは死ねない
人は死んだらどうなるのだろうか。何もなくなってしまうのだろうか。
俺は常にそんな疑問を抱き、「死」におびえながら生きている。
自分が生きたことを後世に伝え記憶に残すことで「死」というひどく恐ろしいものを回避できるというのが俺の出した答えである。
故に俺は何かを成し遂げること、そして名声を手に入れることに固執している。
「今日も大学の講義は難解だったなー。けど、この程度もできないで何ができるっていうんだ」
国内トップ層の大学の工学部に在籍する俺はそんなことをぼやきながら実家に帰っていた。
そんな時、目のまえに突如として車が現れ俺の体は宙を舞った。
「こんなところで死ぬわけにはいかないんだ......!クソッッ!」
しかし、無情にも視界は暗転してゆく。
俺は死んだ。
ならここはどこだ。
目の前には自然豊かな大国が広がっていた。