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芸術部の事件簿  作者: ハルコ
桜丘高校芸術部の守るべき日常
3/61

絵は私が描きます

「すいませんでした!」

風邪が治った木曜日の昼休み。俺と明は中庭で雪と会っていた

雪は俺の顔を見るや大きな声で誤り、頭を下げた

「話は聞いているから謝らなくていい、悪いのは顧問だ。」

「そうそう。顧問は今年変わったばっかりだったんだけど、あんな人だとは思わなかった。まさか雪ちゃんに勝手に書いた発表文を読ませるなんて…これは問題だよ、今日あたり教頭あたりに話に行くよ」

俺と明は雪をフォローする

頭を上げた雪はまだ申し訳なさそうだった。

「でも言ってしまったのは私です…

絵は私が描きます」

それを聞いて俺は呆れた

「絵を描くのは構わない。だが十中八九佳賞すら取れないと思うぞ。県内コンクールはクオリティも高いしな」

俺はすこし説教のような口調で言ってしまった

また落ち込む雪をフォローするように明は俺に紙を手渡した

紙の1番上には新人部門と書いてあった。

「調べてみたんだけど今度のコンクールには1年生が出展できる展覧会があるんだ。まぁ規約上学校につき1つしか提出できないから本選には出せないんだけどね」

なるほど、同じ1年生どうしならもしかしたら…ということか

「しかし雪、お前絵を描いたことないんだろ?

提出まであと3ヶ月…お前どうやって色々覚えるんだ?」

そういうと明はニヤニヤしてこっちを見た

「それに関しては問題ないだろ。わが芸術部には素晴らしい画家がいるじゃないか」

…ん?

なんでこっちを見るんだ?

なんだ…?いや…それは嫌だぞ…

冷や汗が垂れる

雪を見ると、真剣な眼差しでこっちを見ていた

おいまて、まさか

そのまさかだった

「先輩、どうか私に絵を教えてください!」

「いやだ」

そんな1言は部長権力で無効化され、

俺はその日から雪専属コーチとなった。



それから2か月が経ち、俺は一通りの技術を叩き込んだ。

彼女はヒーヒー言いながらもマスターし、しっかりと上達をしていた。俺も最初は嫌々だったが、雪の成長は面白く、結局は俺も楽しみながら出来た。

今日も授業中終わりに明と共に部室に行くと、いつも通り既に雪が部室を開けていた。

「先輩。お疲れ様です」

雪はいつもの席に座りながらこっちを向き、挨拶をする

「よぉ」

「やぁ、雪ちゃん。毎日職員室に行かせてゴメンね」

「いやいや、半年間の辛抱ですよ」

俺は雪の隣、窓際の特等席に座る

雪の絵を見る。提出用の絵も下書きが進み、今日にも色つけに入ってもいいだろう。

俺の視線に気づいたのか

「先輩、どうですかね」

と雪が聞いてきた

「そうだな。もう色つけに入ってもいいんじゃないか?」

「そうですね、今日は少し描きたしたいとこがあるんで、明日から入ります」

この調子だと提出日には余裕で間に合うだろう。

初めはどうなる事かと思ったが。

ここまでくればもう教えることは無いだろう。俺もゆっくり絵を描きたい

雪を見習い、充はキャンバスに集中した。

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