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芸術部の事件簿  作者: ハルコ
ラブレター捜索事件
21/62

ラブレターは何処に?

冬になった

あまり雪の降らない街だが、今年は大雪で外は1面銀世界だった

年中窓を開けている美術部も今だけは締め切り、ヒーターの恩恵を授かったこのぬくぬく空間でまったりと絵を描いていた

「しかし寒いねぇ、ヒーターの温度上げてもいいかい?」

部長の明は今日も今日とてソファーに寝そべりスマホをいじっていた

「明先輩、ヒーターの設定温度は変えられませんよ

というよりたまには部活したらどうです?」

暫定次期部長、春風雪は冬のコンクール出展用の絵を描き上げたので明の対面、一人用ソファーに腰掛け、次の絵のテーマ探しの一環で、本を読んでいた

「充先輩も言ってくださいよ、幼なじみなんですから」

と、俺にふられるが

「しらん、コイツは初めからこうなんだ」

と興味なさげに返す

雪が来てもう半年以上、やっと出来上がった日常

寂しげな部室も賑やかになったなぁとしみじみ思った

そんな日常を壊すように

コンコンと軽快な音が響き渡った

「なんだろう?キツツキかな?」

「何言ってるんですか、人に決まってますよ」

明はジョークに真面目に答える雪。

明と俺は目を合わせ「いつも通り」「そうだな」と無言の会話をする

「あれ?」

と、よそ見しているうちに雪が扉を開けたらしい

扉の前に立っていたのは

「すまない、少し相談に乗って欲しいんだ」

最近引退した、元生徒会長、楠優だった


「お茶をどうぞ」

「すまない、頂こう」

いつも通り会長を二人がけのソファーに座らせて、雪はお茶を出した

会長の向かいに座った明は、会長がお茶を1口飲んだ飲んだのを見計らって話し始めた

「で、どういった要件で?」

「あぁ、実は物入りな話があってだな…実は…」

会長は言おうか言わないか迷っているようだった

まぁどうだっていい。そうなこと考えてるうちに雪がお茶を出してくれた。

「充先輩、お茶です」

「あぁありがとう。そこに置いてくれ」

と、たわいもない会話をしてる時だった

「ら、ラブレターを探して欲しい」

と元会長は明に言った

「は?」

「え?」

「んな」

美術部美術部一同それぞれの反応を示す中、数秒時間を開けて、明が話し始めた

「ら、ラブレターなんて…どういうことですか?」

まぁそうだよな

心の中で頷いた

会長は真面目な顔で続けた

「実は先月自殺した女子生徒がいたんだろ?」

明は前のめりで聞く

全く話をするのも、聞くのがうまいやつだ

「あぁ、そう言えば

今でも自殺した原因の話題で持ち切りですね」

俺にお茶を出した後、あきらの隣に座った雪が合いの手を入れる

「実は…その…そいつと秘密の付き合いをしていてな

死ぬ前に俺に話をしたんだ」

「話…ですか」

「あぁ、今思うとその時止めていればって思うんだが、なんせ冗談だと思ってな…悔しいよ」

少ししょぼんとした会長だったが思い出すように、そしてゆっくりと話を続けた

「あれば死ぬ直前の日だった

俺は彼女に呼ばれて黄昏時…6時くらいだったな、教室に向かったんだ。教室に入ると白い封筒を持った彼女がいてな、俺は「何を持っているんだ?」と聞いたんだ。そしたらアイツ「これは私からのラブレター。2ヶ月後にこれを見つけた時、私の気持ちがあなたにだけにわかるわ」って満面の笑みで言ったんだ

俺はそれを直ぐに見せればいいって言ったんだがアイツは「2ヶ月後だから意味があるの、どこかに隠しておくから」って言ってさ

結局その日は俺も生徒会で外せない用事あったから先に帰ったんだが…」

ふと見ると明も雪も悲しい顔をしてるが、前のめりで食い入るように聞いていた

もうダメだ、アイツらは会長の手伝いをする気満々だ。

「次の日彼女は自宅で死んでいたらしい。俺は悔しくて悔しくて」

会長は涙を浮かべながら語るように話していた

あれ?よく見ると2人も泣いてないか?

「それでなんだ。俺はアイツの気持ちをすぐにでも知りたいんだ!

だけどどこにあるのかも検討がつかなくて…手伝ってくれないか?」

そう言うと直ぐに雪が会長の手を取り

「もちろんです会長さん!彼女さんのラブレター、直ぐに探しましょう!」

と涙ぐみながら言った

明も無言で涙を流しながら頷いていた

「ありがとう…ありがとう!!」

会長は嬉しそうに何度も繰り返す

…ちょとまて、俺、忘れられてないか?

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