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6-14













今日も、ラテコーデの君とデート。





肘が顎につく君は、どこか人間と違う雰囲気を醸し出している。







「ねぇ!見て!虹だ!!」





〝夜空〟にかかる虹の橋。



息で曇った車のウインドウ越しでも、はっきりと伺える。











「ん?、虹なら隣にいるけど?」







「もう、君ったら!、」







そう言って抱きついてくる君。





その温もりは

まるで呪いのように僕に絡みつく。









「じゃあ、胸に刻んでおくね!君と虹を見たって!」







「じゃあ、俺も!

虹と虹を見たって!」











----------------------------------------------------------------------------------











What is learned in the cradle is carried to the grave.







果たして、ゆりかごでこの状況を打破する術を身に付けた人はどれほどいるのだろうか







































「えーと、なんで厭ってるの?」







「ふん、」







「えーと、どこから来たのかな?」







「ふん、」







「ほ、保護者の方は…」





「ふん、」







さっきからずっとこんな感じだ。



あやとりを披露してもダメ、

静かなボサノヴァを口ずさんでもダメ、手品も、ジャグリングもダメ、









ただ……







「この状況について何か知ってる?」





「…ゆき…のせい……」







間違いない。、この子はあの時、出会った少女だ。





戦場に一人でいるということは、

サイキックとか、強い魔力を持ってるとかが漫画のお約束だ。







また、

レーヨン素材の、ドレープを着ていることから、皇族ではないかと思う。





そして、

聴力が回復している今なら分かる。



気のせいじゃなく、雪のせいだと言ってる。









てか、雪のせい?、雪のせいだよ、



たしかに、雪でスリップしてぼくが乗っていた馬車は転倒したのかもしれない。





ということは、この少女は馬車が転倒する瞬間を見ていたと推測できる。









それにしても、さっきからそれしか喋らない。







ドン、ドン、ドン、ドン、とさっきから衝突音が鳴り止まない。





占い師とジーグを置いてきた方角から。

きっとまだやり合ってる筈だ。









ネアさんのことは後回し。

今は、この子を預けれる人を探さないと…







この狂った戦場で?

感染者がうようよしてる村で?





いや、弱気になるな!

ネアさんを止めれば全て元どおりになる。







「えーと、名前は?」







「ふん、」







「じゃあ、ぼくと一緒にギルドまでいこっか!」







「させぬー!!干渉スキル:ライフジャック」





未知の霧が、突如、ぼくを包む。







なんだこれ、体が重く…







「音スキル:ソニックホイッスル」





複数の音撃により、地面を転がされる。









「く、だ、誰だ!!」





「「「「我は、ニナ様親衛隊!!」」」」







なんだ?そんなんばっかじゃねぇかよ!











「新生してやる!鋏スキル:パワーチョッパー」





「格闘スキル:ヘルチョーク」









くそ、なんだこいつら!、





脳がスノーホワイトカラーに潰れる。







「ぐっ、ぎぎぎぎぎ」







「お、生きておったか!少年!!!」















この、不毛な戦いに終止符を打ったのは、

かつてぼくを助けてくれた老人だった。











----------------------------------------------------------------------------------






〜村のバー〜













ここは、どこかのバー。





その、イートインでぼくは、

インストア商品を食べている。









「ああ〜ニナ様って本当に素敵だな〜」



「癒しだ〜」



「媒体変数使って微分されたい!」





「激しく同意!」



「右に同じ!」







な、なんなんだ、この状況。



こいつら頭おかしいんじゃないか?





「な、新入りもそう思うだろ?」



「別に?…」









アザミ、セイヨウミザクラ、エンバク、カラスムギ、オートムギ、モロコシ、ネコートーダ、キンセンカ、ガロン、ブタクサの香りが広がる。






やばい!殺気だ!









「ただの、ロッカールームトークだろ?本気にするなよ!お、推せるわ〜」





「だよな!そうだよな!わかってるな!新人!!」







ニナ様親衛隊。

それが、この組織の名前。





そして、組織の一員のことをナイトと呼んでいる。、あれだ、イオンピープルみたいな組織の一員の呼び名だ。









ま、こういう集団だったら、

エンパワーメントは高まりそうだけど…







そして、何故かこの組織、レベルが高い。









「ハングリードラゴンの分布区域は…」



「平衡感覚の喪失と漸次濃縮の関連が…」



「予防よりも治す方がセンセーショナルだが、感染の予防にも力を…」



「有為転変と個体群圧力の…」



「サンプルの雌不妊化は…」







研究者が忙しなく動き回っている。



そのうち文明が追いついて、アルキル化を促す代謝拮抗物質は…みたいなことを言い出しそうだ。







あ、これ美味しい。

ビャンビャン麺に、ヴェルミチェッリ…







ぼくは、カウンターに移動する。、







「お前もサラヤ村か?」



「お前もか!!」





横では、ジモトークが繰り広げられている。







さてと、情報収集だ。







「マスター、ミルク。ホットで。」





「クスッ、」







ん?







「マスター、あの女性に水を!」





ぼくの一言で、マスターが水の入ったグラスをカウンターの隅に座る女性までスライドさせる。









「まさか!水でナンパのつもり?」





「ええ、そのまさかですよ!」





食い気より色気な雰囲気。

はだけた胸元がより一層、色気を際立たせている。









「何飲んでるんですか?アルデンテ?」





「ある…?、何?これは、エリクサーワインよ!」









「で、ぼくの100000ニラはいつ渡してもらえます?」





不実告知の件だ。

ここできっちりといただく。、













赤縁のツートンカラーの眼鏡に、

レインボーの髪色を持った女性は、

ぼくの訴えに耳を傾けながらも、優雅にワインを嗜んでいる。







「ふふっ、そう急かさないで…」







その、髪をかきあげる仕草、グッド!

バブみを感じる…









「雪雀は、その人の理想を具現化する…」







ん?、









「ふふっ、わけがわからないって顔をしてるわね!使いの者が持ってた刀の能力よ!」







ワインを飲み干し、

どこかアンニュイな表情を浮かべる。













「それで…あなたには何が見えたの?」







何が見えた…か……





あれは、透明色に光るクリスタル。

…型のスキルホルダ。、



ただ、その効果は知らない。、









「ふふっ、それはあなたが本当に望んでいるものよ」





ぼくが望んでいるモノ。

それは一体…







「おい、坊主!!ニナ様がお目覚めになられた!!何か…用があるのだろう?」





そう話しかけてきたのは、

愛鳥家と呼ばれる老人。







用というのは当然、ここから出ることだ。

出て、ネアさんを止めに行く。









ただ、ニナ様?の許可がないと出られないから、こうして目覚めるまで待っていたのだ。、



なんでも、ここにいるのは、何人だろうがニナ様の所有物らしい。なかなかコアな性癖の集団だ。













欲望は満たさせることを望まない。

欲望は増殖することを望む。

欲望は無限だ。



by トーマス セドラチェク









次にその刀を目にするとき、

ぼくの目には何が映るのだろう…?



変わるのか?変わらないのか?

ぼくの望むモノは一体…







「では!名も知らぬ美女よ!…もし、今度会えたらその時はお金、お願いしますね!」





ありがた料ってやつだ。







「ふふっ、いってらっしゃい!」









ああ、その仕草!すっごく良い!!プレイバック!、!





figma化希望だ。











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