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1-2 ポスト・カードリッジ



「…あなたが助けてくれたんですが?」



せっかく会えた人だ。僕は慎重に言葉を選ぶ。




「おおお!!、そんなに警戒しなくても(笑)そうだ、私が助けたんだよ」




脳の回転数がトップギアの僕はどんな些細な嘘も悪意も見逃さない…多分……




「おおお!、お腹がすいただろ。話はそれからだ」




目の前の男はそう言うと、でっかい牛?、ホルスタイン?みたいな生き物の死体をドサッと置いた。




「…これは?」




なんだこれ、見たことない。


僕はすかさず確認する。




「おおお、これか?、これは焼いて食べるつもりだが?」




や、そうじゃない。誰も調理法なんか聞いてない。名称が知りたいんだ。




「違います。その生き物の名前は?」




「おおお、これはブラッドディア。確かD級モンスターだったはずだ。この辺では有名だと聞いたが…」




え、元の世界じゃない説濃厚じゃん。しかもモンスターとかいるし…

というか、怪しまれてる。なんとかごまかさないと。




「…どうやって調理するんですか?」



これでいけるか…




「おおお、ちゃんと火系統のスキルホルダを持っている。安心してくれ。」



男はそう言うと、僕がさっき拾った球に似た輝きを放つ何かを取り出した。


形状はどことなく、アルコールチェッカーに似ている。柄は赤の水玉模様。なんかスパンコールみたいなのがたくさん付いている。




「調理スキル:キャンプファイア」




男はそう唱えると等身大の炎がD級モンスターブラッドディアを丸焼けにした。


ジュウジュウと香ばしい香りが広がる。差し出された肉片に僕はかぶりつく。



























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結論から言うと、あのでっかい牛?じゃなくて名前的に鹿?は美味だった。

あれはそう、アラスカで食べた松葉ガニにどことなく似ている。ああ、蟹といえばカナダ産とロシア産も美味しかったな……




「私はレイサ・ストーン…君は?」




なんとなく打ち解けたと思ったのか、男は自己紹介を繰り出してきた。

多分ここから、情報交換の流れだな…気を引き締めていこう。




「僕は、ポスト・カードリッジ、ただの旅人だよ。」



一過性の関係だし、まずはそれっぽい偽名で様子見だな。




「おおお!、ポストというのか!お前さんはどうしてこの、トレントの島に?」




トレントの島?ちょっと意味不、訳不だ。

俗称なのか、固有名詞なのかわからない。




「多分、ストーンさんと同じ理由ですよ。」




僕は、なんとか怪しまれまいと、渾身のアルカニックスマイルを浮かべた。




「おおお!ということは君も、マッドウルスの討伐ということだな。」




この男…すごく良い人だ。なんでも答えてくれる。どんどん情報をくれる。


そういう人柄なのかも知れない。ということでここは…質問攻めだ!!!









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ほんとにレイサさんは良い人だ。内心はいまいち分からないが何でも教えてくれる。

取り敢えず、得た情報を順位整理していく。




まずここはトレントの島の南区域。そしていわゆる剣と魔法の世界。


魔力を必要とする魔法というものが浸透しつつある世界。そして神の祝福と呼ばれるスキルというものが浸透しつつある世界。スキルはある日ある時、唐突に目覚めるらしい。

だから、神に愛された証、神の祝福。


魔法は人類の叡智と呼ばれ、勉学を必要とし、がり勉でも魔力がないと発動できないらしい。

魔力を補う道具があるらしいが…


さらにさらに、神の祝福も人類の叡智も扱えぬ弱き者のためにスキルホルダというものが誕生した。製造方法も不明。製作者も不明。だが、何故か浸透している。そいうものらしい。


このスキルホルダだが、一回きりというデメリットがあるものの、スイッチ一つで、詠唱一つで簡単に発動することができる。つまりこの世界なら空を飛んだり、俺TUEEEも夢ではないということじゃん。


大きな街にはギルドという組織があるらしいが、今のところ、異世界かゲームかは不明。





しかし、死んだら終わりということは一緒だろう。



僕がこれまでに触れた作品は、

ファンタジー系アニメ135種、ラノベ242種、WEB小説452種、同人誌62種。





それらの経験が…妄想に蓄積されたexpがそう囁く。




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