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2-5 ゴブリンゴブリン




「まずい!急がないと!!」




まさか、ナイトメアゴブリンロードが率いていたなんて……


完全に読み違い。私の見通しが甘かった。





白霊草が咲き誇るあの、洞窟の奥へは何度も足を運んだことがあった。


だから知ってる。冒険者の出入りが少なからずある、あの小さな洞窟にゴブリンたちが住み着くなんてのは考えたこともなかったけれど、それでもあの洞窟の規模からして、ゴブリンは少数の群れである。


そう判断してしまった。













「火炎スキル:ブレイズストーム」




私は今、逃げ惑うゴブリンたちを蹴散らしながら、地上へと向かっている。


それにしても数が少ない。私が闇に捕らわれてる間にほどんど避難したのかもしれない。闇…闇……





そう、私はナイトメアゴブリンロードの巧妙な罠により、ずっと身動きが取れなかった。


まさか、ナイトメアゴブリンロードが潜んでいたなんて…





自分の甘さに悔しさが込み上げてくる。


自分を捕えていた闇もろともナイトメアゴブリンロードを消し炭にしたが、大幅な時間を取られてしまった。一応、しずえさんらしき人は確保した。あとは彼だけだ。





一般的にナイトメアゴブリンロードはその名の通り、悪夢のような精神干渉スキルを駆使する。また、暗黒スキルにも長けており、闇による空間拡張やその隠密性のせいで、最低数として、群れが数百規模の大きさと言われている。










「爆炎スキル:焔国」




私は、スキルによる爆破で地上までの最短ルートを作る。








脳裏に浮かぶのは、スキルも魔法も使えないというあの男。







はじめは疑ってた。スキルも魔法もない人が存在するのは知ってる。


でも、スキルも魔法もなく武装勇者と渡り合えるなんて不可能だ。


私は勇者とは何度も戦ったことがあるからわかる。








しかもあの男は戦ったことは愚か、剣すら握ったことがないという。


確かに、身体に戦傷はなく、手に剣マメすらなかった。



それに都合よく記憶がないふりをしている。








だから、敢えて戦わせた。


そして彼は、D級やE級程度の群れではあったものの、見事勝利してみせた。


私はその、傷つきながらも、どこか狂気じみた笑顔を今でも思い出せる。








あの男は無事だろうか?


事前の打ち合わせでは、様子を見て行動するという話だった。


あの男がゴブリンの群れに突っ込むなんて考えられない。




どのくらいの時間捕らわれてたか不明だが、もしかすると闘っているのだろうか。それとも……












「業火スキル:烈火の鼓動」




入口がもうすぐそこに迫っている。


外には何百匹のゴブリンが逃げ出したはずだ。



私は、スキルの効果でさらに加速する。










「まずい!薄暮!?」




入口から差し込んだ光を確認する。


まずい、日が暮れようとしている。どうやら相当長い時間、捕らわれてたらしい。













「……!?」






















私は絶句した。














洞窟を抜けるとそこには………































数多のゴブリンの山に鎮座する、あの男の姿があった。





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