表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/130

1-10 紅の魔王





「……………」






もう声も出ない。体の感覚がない。僕はどうしたんだ。


勇者め…強すぎるだろ……









眼も前には、罅の入った白い勾玉。なんとか手を延ばそうとするも届かない。


動かない。くそ、動けよ僕の体。動け、動け。






「…勇者の切り札を使わせるとはな……」






動け…動かない。それでも僕は勾玉に手を延ばす。


体中のシナプスが爆ぜるも、無視して手を延ばそうとする。






「が……」





コーチングにより、自身を鼓舞させる。


コンプリメントにより、腹内側前頭前野を活性化させ、闘争心をむき出しにする。


拡張子に、怒りと名の付く記録を検索し、片っ端から開けまくる。







「あ……」





だめだ、もう心のバッテリーが上がってしまった。いや、まだだ。


僕は、殺意のハンドルに手をかけ、そんな弱気を振り切る。










「……………」





…やっぱりだめだ……体が動かない…疫学的にも、ここは精神論しかないはずなのに……












「…今度こそ終わりだ……」





勇者の持つ対6対の翼が鮮やかな雷を纏う。








動け、動かないと死ぬぞ……


逃走本能に働きかけるも、全く動かない……





レイサ…力を貸してくれ……





「僕は…僕は諦めない!!!」













「火炎スキル:ガードブレイキストームプロミネンス」


「……何!?」










勇者が突如、炎の渦に飲み込まれる。





「もう大丈夫。よく持ちこたえたね」



「…紅の魔王……」










なんだか温かい人だな…




これが、顔に刃創が目立つ、その女性に対する最初の印象だった…






















雨はもう止んだみたいだ……




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ