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11-10 笑い顔


「私これでも、美鱗(肌)なんだよ!」

「もう〜、鱗、ざらざら〜」




古来より、チョコレートは薬とされてきた。







「さすが〜」「最高〜」「3150〜」「ベビタッピ〜」「最行〜」「断行〜」「捨行〜」「離行〜」





多くの人が一カ所に集まると生じるのが格差だ。






「やばい!パラソル級のタオオクトパスだ!」「急いで、魔力砲を準備しろ!」「急げ急げ」「魔法が…魔法が動いた!?」





魔法文明はこの世界において常に、変革の口火を切ってきた。





「アビガン」「レムデシビル」「デキサメタゾン」「ミンタカ」「アルニラム」「アルニタク」





その坂を、下り坂と上り坂と見るか?。

それとも、平な道と見るか?丘と見るか?線と見るか?山と見るか?傾斜と見るか?床と見るか?天井と見るか?路肩と見るか?





「you look great…that is your color…l love what you wearing…」






いつから、政治手腕やガバナビリティ、ファシリテーター、ポスト・トゥルースではなく、民度や人格が重視されるようになったのだろうか…


まるで、ホメオスタシス。ポストモダン。ハードパワー。ビルディングブロック。ビジネス不仲。マーチャンダイズ。ベーパーロック現象。自己免疫に侵される体のように…







ニューノーマルをぶっ壊せ








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



〜相模国〜





「お〜い!拝み屋はいるか〜??」


「参詣人のあいつは今、まっちんぐあぷりで、でーとに行っちまった、」


「t.m.i.かよ!!」


「余計な情報ってか?異常旅程なお前さんよりマシさ、」


「おいおい、労わってくれよ……それよりも、E.T.のことだが……」


「ああ、地球外生物のことか?まさか!?あすぺくとに関係が?」


「月隠りが近い……」


「っ!?それは可笑味溢れるな」


「ああ、グロテスクな面白味だな!!」


「あっぱー商品と預金商品を用意せねば!あと、予約商材も!」




「金もいいが、気をつけろよ!富んだ人ほどシャレたことをしたがる……」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




アクセサリーの着け過ぎを防ぐには、

家を出る前に一つ、外すこと


ココ・シャネル








〜ペンデュラムフォレスト〜








老樹が滴る、梅雨期の雪渓。

薄墨色の雲がバタバタと慌しく空を急ぎ、

松虫草と蝿取蜘蛛と吾亦紅がロココ咲いている。麦が膝まで届く畑を舞台に、拳と〃怪物〃が奏でる。







「拳スキル:暖冬拳」


「剣スキル:驟雨」






魔剣士と拳闘士が必死の攻防を繰り広げるのを、僕はただただ見ていた。




「これ、帰っていいよね?…」



遠くで二人が戦っているけど、僕には戦う理由がない…うん、ない…それにもう朝だ。

ギルドに行かないといけないのにさ…










「剣スキル:酸葉」


「よっと!!」




拳闘士が不器用に片手を挙げる。





「何?」


「本気出せよ?全力の相手と戦うのが、漢としての悦びだろうが?」





ネプチューン作戦のような緊張感が場を支配する。







「どうせあなたは私に勝てない…」


「どうせだと!?去年の桜と今年の桜は違うだろうが!」





「……………………………」



「まぁ、あれか?俺が弱いからか…春を待つ桜の気持ちってのがちった分かった気がするわ」











「剣スキル:徒花」


「拳スキル:サイバーナックル」









「お前さ、何がしたいんだ?」


「何がしたいって…」






「なんでクモリンを憎む?」


「あ、あいつは…」





「何迷ってんだ?」

「っ!?迷ってなんか…」





「俺には事情とやらは分からねぇが、片方の選択肢が正解だと思うから、迷うんだろ?」


「簡単に言うな!?あいつは、あいつは悪だ!この街を…」





「話し合いはしたか?クモリンがした行いの理由を聞いたか?確認したか?」


「あいつは、何も話してくれない!」







「ポケットから手を出させるんだろうが?握手が困るかってか?」


「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい」










「したかねぇ…歯を食いしばれよ!これでもE級だ…目を覚まさせてやるよ!exスキル:盛夏の力」





深い森に迷い込んだかなような感覚が場を支配する。





「変身スキル:ドレスアップ、宙詩鬼・カタストロフィーデーモン」








なんだ…なんだこの、眼鏡を逆さにしたような感覚は……





「鬼スキル:リブート!鬼スキル:トートロジークラッシュ」






肉情的な濁声とともに、マゼンダ色の角鬼が、花網模様の翅を張って拳闘士へ向かっていく。




「その目…やっと本気になったか……exスキル:拳拳服膺!拳スキル:桜拳」






guu guu guaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!






それは、抱懐的な銅鑼声。

拳闘士の胸に穴が空いてから、遅れて聞こえてくる。





「っ!?」


「ぐっ…へへ、捕まえたぜ…E級の俺にはこれしか思いつかなかった…拳スキル:毒拳!!!」
















〝たす…助けてよ…〟






何かが胸を轟かす。





「カシワさんから離れよぉぉぉぉぉぉぉぉぉその人は関係ないだろうがぁあぁぁぁぁあ」



「うるさい」



「ぐっ、」




僕はそのまま、左手で首を絞められる。





「ぐっ…」


「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい」





まるで幼な児が自暴自棄を起こしたように、

僕らを開削した池まで投げ飛ばす。







「なんで僕なんかの為に身体張って…別にカシワさんじゃなくても…」

「は?下見て暮らせってか?そんな人生俺は嫌だな…まぁ、そんな顔すんなよ!あー、あれだ…挫折は挑戦者の特権ってやつさ」





「カシワさん……」


「左脇に毒拳を撃ち込んだ…いいか?氷毒だ…クモリンならやれるさ…」







それは燃えるように熱く焼き付くような笑い顔だった。









感情を冷却する。感情を没却する。





〝相反する利益を衝量するんだ!〟

〝逃げる?いや、問題を放置して生じる追加損失を考えるべきだ〟





「外聞的に……」


「?」





僕は、勾玉を片手に角鬼を見据える。




「僕は〝トラウマがあって変身できない〟。でもそれは、〝人の目がない〟時だけ。ノゾータ…今の君は〝怪物〟だから良いよね?〟」








何他人よりも金に愛されたヒーロー。

マネーズ・イナーシャ。


特性〝リベート〟で数多くの難敵を撃破した十勇士の一人。








「モード:マネーズ」





陽炎書体で描かれた〝家鴨〟という文字が背に現れ、その先にマニッシュな白銀の翼。金鶏鳥のようなミニマルな嘴。アナーキーなラペリングロープが両手に出現する。






「君は完全にスキルに呑まれている…誰かに怒りを感じるのはその人のことが本気で大切だからって言うけど、僕は違う…」



「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい」







樫の芽の強い香りが広がる。






「鬼スキル:破落戸」





角鬼の超然たるアッパーカットをかわし、




「螺鈿!!!!!!!!」





闘龍書体で、〝山鳩〟という文字を纏った金筋を巻いた腕で殴りつける。





「guuっ!?」





「罨法!!!!!!!!」




エシカルな黒塗金字が黄色の巻脚絆に浮かぶ。






「膾炙!!!!!!!!」




「guuっ!?」






華革張りの踵で角鬼を大地に叩きつける。






gaaaaaaa





稲妻紋と双喜紋のようなデコラティブ性のある魔法陣が白鳥漢の掌に出現する。




「掛行燈!!!!!!!!」





白色の暴風に塗れた羽根竜巻が鬼を吹き飛ばす。











「ただの同族嫌悪だ…」








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