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精霊ピエロと迷宮な日々  作者: なお☆プリン
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2年2組教室にて(ユウ)

~2年2組 教室~

朝の会をやるために、担任の松原(まつばら)先生が教室に入ってくる。


「よーし、朝の会やるぞー。と言ってもいつも通り休んでるやつを確認するだけだな。」


少し……いや、だいぶテキトーだ。だが、これでも理科、社会、国語を掛け持ちで担当しながらすべての授業が分かりやすいし、このぐらいの方が話しやすくて僕は好きだ。


「……あ。そうだ、水森、砂川、鳥越、石町の4人は三・四時間目の自習の時間が始まったら多目的室に来るように。それじゃ、今日もがんばれよー。」


……えっ。


「ユウ?一体何したんだ、我に話すがよい。」


席が隣の露季が聞いてくる。


「……なにもしてないよ。」

「……なら、いいんだけど……。」


それにしてもなんだろう。僕はなにもした覚えがないし、呼ばれたメンバーも特に関わりがない4人だし。


「砂川と石町は女子だぞ、男女2:2とかなにかやったと思うだろ?」

「いや、思わないから。」


なんか変な疑惑かかっちゃった。


「ユウくん?ドウシタの?」

「あー……先生に呼ばれちゃったんだ。」

「……キヲツケテね。ボク、ムースとオハナシしてくるネ。

「確かに学校いても授業受けられないし……そうだね、部室でムースとお話ししててくれる?」

「ウン!イッテキマァァ…………」


……速い。でもタルトがムースと友達になれれば精霊どうしでなにか分かるかもだし、なによりタルトが喜べばそれでいいや。


「……なぁ、先生の呼び出しって精霊のことじゃないのか?」

「まさか、先生に見えてたとすればクラスのみんなにも見えてるだろ。」


そう。なぜか教室に入っても挨拶だけで、タルトのことは誰も触れてこなかった。たぶん見えてないだけ……だと思う。


「そう……だよな……」


なぜか露季の横顔が悲しそうなのは気のせいかな。


「あぅ……あのぉ……水森くん……。」

「あっ、石町さん。どうしたの?」

「いや……なんで……呼ばれたのかなって……。」



石町(いしまち) (しずく)さんはとても物静かで普段は本を読んでる。本を読んでるイメージしかない。小学校の時にいじめが起こりそうな感じだったんだけど露季が友達になって周りが逆によってきたらしい。

露季は性格はあんな感じだけど、中身はすごく良いやつで、なんというか、見た目も……その、可愛い。だから結構みんなに好かれてて、そんなみんなの憧れだった露季と石町さんが友達になったとき、石町さんに尊敬のまなざしが……

みたいな感じ。



「まっちーは昨日なにか変なことなかったか?我に話してくれる?」

「あ……うん……あのね、昨日は星が綺麗だったから空を……見てたの。そしたら隣に突然精霊が現れて…………こっ、こんなこと信じてくれないよね……。」

「いや、それは同じような体験したやつを朝もみたし、今ここにいるから、信じるぞ。」


それ、僕だよね。


「あぅ……ありがとぅぅ……。」


仲いい同士の方が話しやすくていっか。

……ということは、呼び出しはやっぱり精霊関係?信憑性が増してしまった。まさかあと2人も精霊と契約したのか?


「なぁ、水森。なんで呼ばれたか分かるか?俺、なんかしたっけなぁ……」

「鳥越君……僕も分かんないんだよ……。」



鳥越(とりごえ) 亮太(りょうた)君は中学校に入ってから出会ったが、誰にでも話して誰でも話しかけやすい性格で他クラスにも友達が多い。その上正義感が強く、困ってる人を見捨てられないらしく、どうやら梨乃が入学したてのときに色々教えてくれたらしい。そのためなんか梨乃と仲が良い。一部では付き合ってるとか噂がたってるけど詳しくは不明。僕はあまり自分・他人共に恋愛に関わるのが苦手だから、そういうのは進先輩の方がたぶん詳しい。



「俺、昨日部屋に出てきた精霊だっていうのと契約結んだだけなんだけどなぁ……」


……それだよ。


「いや、たぶんそれでしょ!たぶんっていうか、ここまできたらもうそれじゃないかな!?」

「そうかな……、とりあえず三時間目だな。」

「そ、そうだね。」


……もはやそうとしか思えなくなってしまった。

これは砂川さんからもなにか言われる……と思っていると、チャイムが鳴った。

砂川さんとは話してないけど、たぶん精霊関係なのだろうと確信した僕は、心に不安を抱えつつ、次の授業の準備を始めた。

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