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不良品と証明

「なんだこれは…」


メイドもの以外のエロ本を夏日に全て捨てられた。くそ。今はそれどころじゃないのだが…早く俺と夏日が付き合っていないという証拠を考えないと。

いや、その前にあのゲームセンターで俺と夏日が2人で遊んでいた理由を話さなくてはいけないな。ロボットと言っても信じてくれないだろうし…

その時、俺の目に一冊のエロ本が飛び込んできた。

---弱みを握られた幼馴染を俺のメイドとして飼い慣らしてみた---

ゴクリ。いやいやそうじゃなくて、夏日を俺の幼馴染という事にしてみればいいんじゃないか?

親の仕事の都合で地元に戻って来た仲の良い幼馴染という設定なら、ゲームセンターくらい2人で行っていてもおかしくない。よな?

いやでもそうすると幼馴染だという証明も必要になるな…

夏日が俺の学校へ編入すればいいんじゃないか?そうすれば夏日の為にもなるし、俺も楽しい。

俺の学校は私立、馬鹿では無いが特別賢いという訳でもないところだ。そして丁度欠員が出ているな。

夏日は「不良品」として捨てられたが腐ってもロボットだ。記憶力や計算力に関しては人間など比らべ物にならないだろう。

いやしかし、そうなった場合学費は誰が払うんだ?やっぱり母さんや父さんだろうか…でも親にはできるだけ迷惑をかけたくない。ならせめて俺もバイトでもしないといけないよな。

とその時。「優気ー、話があるんだけど」

母さんが一階から呼んできた。丁度いい、夏日の事も相談してみよう。


リビングに行くと、母さんが1人掛けのソファーに座っていた。

俺も向かいにあるソファーに座った時、母さんが喋りだした。

「何の話か分かるわよね?」

ああ。おそらく夏日の話だろう。

「夏日だよな」

「ええそうよ。夏日ちゃん、いつまでいるのか知ってる?私は別に迷惑じゃないんだけど向こうのご両親がね。」

「夏日には親が居ない。身寄りもない筈だ。だから、夏日をもう少し住まわしてあげて欲しい。」

「ーっ!?なら仕方無いわね。私もお父さんが単身赴任で寂しいし。それなら幾らでもいていいわ。」

よし。では学校についての話をしよう。

「母さん。夏日を、学校に入れてやって欲しい。」

「ダメよ。第一学費は誰が払うの?」

「俺が払う。」

何故か母さんは何か企んでいるような顔をし、

「そんな事できるの?」

「できる。俺は夏日の為ならどんな事でもできるっ!」

それを聞いた母さんは満足そうに、

「分かった。でも、何か困った事があればすぐに相談して頂戴ね。」

「分かった。何時でも相談する。」

「それと、入学試験は明日だから。夏日ちゃん勉強できそうだからいけるでしょ。」

「え?」

母さんは最初から夏日を高校に入れるつもりだったんだ。

となると、学費も払うつもりだったのか!くそ。まあ夏日が学校に来れるならそれに越したこと無いけど。

そして、俺がソファーから立ち上がり、廊下に向かって歩き出すと、『ドスドス!』と何者かが急いで階段を上がる音がした。


俺が自室の扉を開けると、荒れた部屋の中で『ハァハァ…』と息が荒れている夏日がいた。

とりあえず夏日に学校のことを話さなくては

「夏日、俺と学校に通ってみないか?」

「学校?学校に私が行くんですか?へぇー、初耳ですねー。」

「その編入試験が明日なんだが、いけそうか?」

「いけますとも!私はロボットですよ。記憶力なら誰にも負けません。」

フラグが立った気もするが、まあ大丈夫だろう。

すると、夏日は顔を赤らめて、口を開いた。

「それより優気さん。私の為になんでも出来るんですよね。なら、この部屋を片付けるのを手伝って欲しいのですが…」

「おまっ、聞いてたのかよ!」

俺の顔が赤くなっていくのを感じられた。


そして、編入試験当日になった。昨日は朝方まで部屋の片付けを手伝わされていた。お陰で全然寝れていない。勿論それは夏日も同じだ。

大丈夫か…夏日。

母さんは手続きに行き、夏日は試験に行った。高校の前で俺はどうしようか悩んでいた。

とその時、

「愛徒くんだ。何やってるの?」


そこには、昔俺に告白してきた茅野美咲(かやのみさき)がいた。


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