第二十六話「監視者」
お待たせしました。
十二月一日。
ラスペードとジニーがペリクリトルに向けて出発した。
順調にいっても、片道四日ほど掛かるため、早くても十日後にしか戻ってこない。
昨夜、アシュレイとステラと今後のことを協議した結果、ラスペードたちが戻ってくるまでこの街で待つことになった。
その話し合いの中で、アシュレイが、「本当にペリクリトルに行かなくてもいいのだな。私とステラはお前が後悔することを一番恐れているのだが」と気遣う。
レイは少しこわばった笑顔を見せ、
「正直なところ、よく判らないんだ。確かに僕たちがいった方がいいんだろうけど、僕が行くことで何かが起こるような気もするし……後悔するかもしれないけど、今はこれが最善だと思っているよ」
アシュレイとステラの二人は僅かに安堵の表情を見せた。
その後、魔術学院に行く用事もなくなったため、ラスペードたちを待つ、この十日間をどうすべきかアシュレイたちと話し合った。
「ラスペード先生もいないし、図書館での調べものもあんまり成果は上がらないし、朝夕の鍛錬だけじゃ体が鈍りそうだから、この辺りの魔物の討伐依頼でも受けてみようかと思っているんだけど……どうかな?」
アシュレイが「そうだな。確かに体が鈍る。私は賛成だ」と大きく頷き、ステラも「私も賛成です」と笑顔で頷く。
ラスペードとジニーを見送った後、冒険者ギルドを訪ねるため、新市街に向かった。
毎日、旧市街に帰ると入市税二Cを徴収されるため、宿も変えることにし、荷物をまとめて新市街に入っていく。
レイは運動不足で機嫌の悪い愛馬に語りかけながら、旧市街の門をくぐった。
冒険者ギルドは新市街の西側にあり、木造三階建ての建物で朝の九時頃だが、人の出入りは比較的多かった。
中に入ると、前によく行ったモルトン支部よりやや大きく、十箇所ほどある受付カウンターはすべて冒険者で埋まっていた。
(モルトンだと午前八時には人が減っていたのに、ここは活動開始が遅いのかな? それとも数が多いのか? それならカウンターの数が足りないか。近場が多くてゆっくり出られるのか、それとも遠すぎて必ず野営になるのか……)
三人は受付カウンターに行き、支部への登録を済ます。
アシュレイは受付の若い女性に声を掛ける。
「ここで依頼を受けるのは初めてなのだが、この辺りの状況を聞かせて欲しい」
「判りました。ここドクトゥスでの依頼は、北のサエウム山脈での討伐と採取がほとんどになります。サエウム山脈は、過去の戦争でほとんどの村が焼かれて、人が住んでおりません。そのため、多くの魔物が出没します……」
受付嬢の説明では、カエルム帝国とラクス王国との戦争のため、サエウム山脈内にあった開拓村は壊滅した。その影響で人の代わりに多くの魔物が棲み付き、主要街道であるアウレラ街道近くまで魔物が降りてくることがある。
このため、討伐については特定の依頼は少なく、サエウム山脈から降りてくる魔物に対し、常時討伐の依頼が出ていた。この辺りでは過去の戦死者が魔物になったアンデッドや山に住む小型の竜種、サイクロプスなどの巨人など、強力な魔物が降りてくることがある。その他にも定番の森狼や灰色熊、ゴブリンやオークなどがアウレラ街道を狙って降りてくるため、一々、討伐依頼という形を取らず、倒した数だけ依頼を達成したとみなされるとのことだった。
「……新市街の周囲には大規模な城壁がございません。このため、周辺の魔物だけを狩る冒険者の方もいらっしゃいます。街の近くと言っても数kmは離れておりますので、街に魔物が現れるようなことはないのですが……」
(学術都市と聞いたから安全かと思ったら意外と危険なんだな。まあ、ハミッシュさんクラスが護衛をやっているくらいだから、この先の街道は危険なんだろうけど……)
「……そして、ここ特有の依頼がございます。学院や私塾の先生方の護衛です」
レイは「護衛? 傭兵ではなく?」と首を傾げる。
受付嬢は「申し訳ございませんでした。言葉足らずでした」と笑顔で軽く頭を下げる。
「先生方が山や森の中に調査に行く時の護衛になります。特に薬学系の先生や魔物の生態が専門の先生方は、山や森に詳しい冒険者の方に護衛を依頼されます。この依頼は報酬が良いので、いつもすぐに無くなってしまいますが」
彼女の説明では、この二つが主な依頼でこのドクトゥスでも百人以上の冒険者がいるそうだ。
「傭兵ギルドにも登録されている方たちが、魔族討伐に参加されて人手不足なのです。アシュレイ様たちのようなレベルの高い冒険者の方に来ていただけてギルドとしても大変助かります」
アシュレイは受付嬢に礼を言い、打合せスペースで今日受ける依頼について相談を始めた。
「今日は近場で魔物の討伐をしてみようと思うが、どうだろうか?」
レイとステラにも異論がなかったので、アシュレイが以前宿泊した宿に馬と荷物を預けに行く。
その宿は新市街の東側にあり、レイたちは宿に向かう途中、東に向かう光神教の一団を目にした。
真っ白な鎧を身に纏った聖騎士が百人ほどと、四頭立ての大型の馬車――豪華な装飾が施された箱馬車――が十両ほど進んでいく。その後ろには大きな背嚢を背負ったみすぼらしい格好の男たちが続いていた。
(馬車一台に十人として、全部で二百人ほどか。いや、その後ろに徒歩の兵士が二百人ほどいるから、四百人ってところか。それにしても兵士たちの装備はかなり貧弱だな。兵士じゃなく輜重兵なのかな? いや、敗残兵と言った方が近い感じがするな……)
彼の目に映る兵士たちはかなりくたびれた装備を身に纏っていた。使い込んで斑に変色した革鎧、擦り切れてボロボロになった麻の服と革靴、ところどころ凹み錆びの浮いている鉄製のヘルメット、剣はなく、柄が黒く変色した槍を手に持ち、その顔には疲れと諦めのような表情が浮かんでいた。
レイが輜重兵と思ってしまうほど物資を背負っているが、それは野営用の道具類がほとんどだった。彼らは街に入っても宿に泊まることが許されない徴兵された農民兵だったのだ。
魔族討伐軍の話が出たときに、たまたま聖都からカエルム帝国との国境に向かう予定の大隊があった。聖都の指導者たちはその大隊に目をつけ、魔族討伐軍としてラクスに送りだすことにした。大隊のほとんどが農民兵で、彼らは目的地の変更を知らされることなく、聖都パクスルーメンから商業都市アウレラ行きの船に詰め込まれた。
アウレラからも馬の足に合わせて行軍してきたため、疲労が溜まっていた。昨日はガスタルディ司教がレイたちを訪問したため、休息を取れたが、数百kmに及ぶ強行軍の疲れは回復していなかった。
レイたちは光神教に見付からないよう建物の陰に隠れ、全軍がいなくなったところで再び宿に向かった。
アシュレイの常宿は“麦酒樽”亭という如何にも酒飲みの傭兵が好きそうな名前の宿だった。
名前から連想されるより中は清潔で、フロントにいた女性に一人部屋を三部屋頼み、馬を預ける。
荷物を部屋に置き、新市街を北に上がっていき、森に入る。
森に入った瞬間、ステラは自分たちに向けられる視線に気付いた。だが、一瞬にしてその感覚は消え、どこから見ているのかは判らなかった。
(街の中でも時々視線を感じていたけど、私たちが珍しいからだと思っていたわ。森に入っても視線を感じるということは監視が付いているということね……それにしても凄腕のようね。魔族の視線の方がもっと強く感じたわ……)
「レイ様、アシュレイ様、誰かにつけられています。魔族では無さそうですが、気配の消し方が一流の間者と同じでした。お気を付け下さい」
アシュレイが周りを気にしながら、「敵意は感じたか」と尋ねるが、ステラは首を横に振り、
「敵意のようなものは感じませんでした。今のところ、あくまで監視のようです」
「魔族じゃなくて、凄腕ねぇ……光神教かな? ステラのいた里の出身者ならあり得そうだし……どうする、アッシュ?」
「そうだな。一旦森の中を動いてから街に戻る。レイの予想が正しければ、獣人の監視者だろう。それならばうまく行けば監視者を特定できる。だが、目的は何なのだ?」
「どうも光神教の司教、ガスタルディ司教の行動がおかしいんだ。僕をしきりに協力させようとしたし、たかが地図一枚に金貨十枚も出そうだなんて。何が目的かは判らないけど、監視をつけてもおかしくないと思ったんだ。もう一つは魔族の協力者っていう可能性もあるけど、僕たちを追ってここまで来るにしても、タイミングがずれている。タイミング的には光神教が一番それっぽいね」
レイはステラに向かって、「監視に気付いても殺気を感じない限り気付かない振りをして」と指示を出す。
三人は街から離れないように周囲を警戒しながら、森の中を進んでいく。
ステラは時折感じる監視の目を気にしながら、複雑な思いをしていた。
(“里”の訓練に似ている……やはり、里の出身者なの……もし、お二人に危害を加えるつもりなら、見知った人でも容赦はしない……)
レイたちは一時間ほど森の中を歩いた後、唐突に街に戻り始める。
監視者たちはレイたちから距離を取りながら、尾行していた。
彼らのリーダーは、ステラが勘付いていることに気付いていた。
(凄腕の獣人の娘が仲間だと聞いていたが、“里”の出身者なのか? いや、それにしては気配に感じる感情の起伏が大きい。どこか別の組織なのか……)
彼は上司である司祭からの命令を履行するため、更に距離を取っていく。
再び街近くに戻ったレイたちは、彼の指示で一旦立ち止まった。
「監視している人に声を掛けようと思うんだけど、どう思う?」
彼の問いにアシュレイが首を傾げていた。
「何のためだ? それに何を言うつもりなんだ? 第一、向こうは出てこまい」
「監視され続けるのもストレスが溜まるから、何とかしようと思ってね。監視している人がステラと同じような“里”の出身者なら、話はできないと思うんだけど、光神教がバックにいるなら、上司に報告が入るはず……」
レイは監視者に対して、こちらに光神教に敵対する意思が無いのに、光神教側が監視を付け、隙を狙って襲い掛かってくるつもりなら、徹底抗戦すると宣言すると説明した。
「監視が光神教なら、これで監視の方法が変わるはず。もし、魔族や全く別の組織だったら、薮蛇になるかもしれないけど、これだけ街に近ければ、何とか逃げ切れると思うんだ」
アシュレイは「ステラはどう考える?」と意見を求める。
「レイ様のお考えの通りだと思います。私と同じ訓練を受けた者のように感じますから」
アシュレイはそれに頷き、
「襲い掛かられた場合は街に逃げ込むことを最優先する。反撃は最低限だ」
レイは「了解」といった後、「まあ、街の中で騒ぎを起こすくらいなら、森の中で襲い掛かってきているだろうから、多分大丈夫だと思うけどね」と笑顔を見せる。
そして、監視者に聞こえるような大きな声で、
「見張っているのは判っている! コソコソつけ回しながら、隙を狙っているのなら無駄だぞ! 光神教が我々を排除するつもりなら、こちらは死ぬ気で反撃する。これでもマーカット傭兵団の傭兵だ。三人は道連れにするから、そのつもりで掛かって来い!」
彼は内心ひやひやしながら、そう言い放つと、彼の愛槍アルブムコルヌを構える。
彼の横ではアシュレイとステラも剣を抜き放っており、殺気を周囲に振り撒いていた。
「これ以上付き纏うなら、光神教は敵だと認識する! 判断できないなら、上司に聞いて来い!」
そして、三人は周りを警戒しながら、街に入っていった。
残された監視者のリーダーは
(完全に気付かれている。一旦離れたとしても、気付かれずに監視することは不可能だ……司教様のご判断に任せるしかない……)
彼は部下の一人を報告に走らせ、自分たちはレイたちから距離を取ることにした。
ガスタルディ司教は途中の町で休憩しているところで、その報告を受けた。
そして、獣人部隊の伝令に対し、「貴様らは満足に監視もできんのか!」と叫びながら、足蹴にし、倒れた後も執拗に暴行を加えていく。
狼の獣人である伝令は、司教の容赦ない暴行により、血反吐を吐きながら、必死に耐えていた。
十分ほど暴行を加え、少し落ち着いた司教は、
「宿の監視に留めよ。もし、宿を引き払ったと確認できたら、どこに向かわれるのか跡をつけよ。そして、すぐに私に連絡を寄越せ」
血反吐を吐き、蹲っていた獣人の伝令は、司教に対して跪いて礼をした後、覚束ない足取りで部屋を出て行った。
残された司教は、
(姿は見なかったが、獣人の娘がいるという話だったな。獣人どもの話では間者の訓練を受けた者だという。だが、我が国の管理下にない“調教された獣人”はおらぬはず……教団の知らぬところで何かが起こっているのか? それとも私に知らされていないだけなのか?……いずれにしても見失うわけにはいかん。何としてでも所在だけは押さえておかねば……)
レイたちは街に入るが、まだ監視の目は付き纏っていた。
(司教たちが出発して半日は経っているから、伝令に走ったとしても今日一日は監視の目は消えないはず。もし、監視のための責任者が残っているなら、すでに監視が緩むはずだ……少なくとも襲い掛かってこないということは、今のところ、敵対する意志がないということか。それとも全く別の意図があるのか? まあ、明日の朝になれば判るはず……)
彼はそのことをアシュレイたちに話し、
「今日は街の中にいた方がいい。新市街を散策して時間を潰そう」
三人は新市街を散策していく。ステラは監視の目を気にしながら、“敵”の正体について考えていた。
(レイ様がおっしゃるのだから、光神教関係者なのだろうけど、いつ“敵”になるか判らない存在が近くにいるのが気に入らないわ……里の者なら私一人では守りきれない。どうしたらいいんだろう……)
日が傾く頃に宿に戻ると、ステラにも監視の視線は感じられなくなった。
「やっぱり光神教だったみたいだね。でも、何が目的なんだろう?」
アシュレイは警戒を緩めるつもりはなく、
「今の状況で決め付けるのは危険だ。今夜は三人で不寝番を行った方が良さそうだな」
その日の夕食は酒も飲まず、重苦しい時間が過ぎていった。
翌朝、朝食を取った後、ギルドには向かわず、そのまま森に向かった。
ステラは宿の外で一瞬だけ視線を感じたものの、それ以上の監視の兆候を感じられなかった。
「今のところ、私には感じ取れません。昨日より手練という可能性はありますが……」
「レイの考えが当たっていたのかもしれんが、警戒は緩めるな」
三人は警戒を強めながら、森の中に入っていった。
森の中に入っても監視の兆候はなく、彼らは罠を警戒しつつも思い切って森の奥に向かった。
森の奥、北側に進むにつれ、上り坂になっていく。一時間ほど進むと、更に勾配はきつくなり、森というより山林という感じになっていった。
そこに至っても監視の兆候は全くなかった。
「どうやら僕の考えが当たりだったようだね」
「ああ、光神教の監視で間違いないだろうな。ステラの感じた気配の質からも噂の“獣人部隊”なのだろう」
アシュレイの言葉にレイが感じていた疑問を口にした。
「さすがに一度も姿を現さなかったね。獣人部隊といえば、ルークス聖王国の最精鋭部隊なんだよね。それだけ、魔族討伐に力を入れているっていうことなのかな? それにしては僕の監視にその精鋭を置いていくし……光神教は何を考えているんだろう」
最後は独り言を呟くような感じになる。
「まあ、考えても仕方がないな。折角来たんだし、魔物を狩ろう。もちろん、監視の目は警戒しつつだけど」
アシュレイたちも頷き、山林の中を魔物の痕跡を探しながら進んでいった。
山林の中で二十頭ほどの灰色狼の群れと遭遇した。
狼たちも餌を探しながら彷徨っていたようで、完全な遭遇戦となったようだ。
「灰色狼です。こちらに来ます!」
ステラの警告で戦闘が始まる。
レイは接近してくる狼の群れに光の矢を打ち込み、三頭の狼を無力化する。
アシュレイは思いのほか動きの速い狼たちを見て、近くの大木を指差しながら、二人に指示を出していく。
「数が多い! あの木を背にするぞ! レイは中央、ステラは左、右は私が相手をする!」
レイたちはアシュレイの指示通り、大木を背に狼たちを待ち受ける。
子牛ほどある灰色狼たちは、数m手前で止まり、二重三重に彼らを取り囲んでいく。そして、飛び掛るタイミングを計っていた。
群れのリーダーらしき一頭の狼が遠吠えのような咆哮を上げる。
狼たちは一瞬頭を下げ、力を蓄えてから、レイたちに飛び掛っていく。
だが、レイたちは冷静だった。
レイは槍のレンジを生かして狼たちを牽制し、狼たちの気勢を削ぐ。間を外された狼たちは、僅かな間だが動きに迷いを生じさせる。
その迷いにステラがつけ込んでいく。
彼女は足の止まった狼たちの間に踊り込み、二頭の狼を葬り、すぐに元の場所に戻っていった。
我に返った狼たちは再び唸り声を上げながら、襲い掛かっていくが、明らかに統制を失っていた。
「レイ! ステラ! 殺す必要はない! 一匹に掛ける時間は最小限にしろ! 取り付かれるなよ!」
アシュレイは指示を出しながら、自らは目の前の狼を斬り裂いていく。
五分ほどで彼らの前に十頭以上死体が積みあがっていた。
狼のリーダーは悔しげな声を上げ、引き揚げようと後ずさっていく。
無傷の狼たちもリーダーに従い後退するが、レイの魔法が追い討ちを掛けていく。
三頭の狼に光の連弩を打ち込むと、生き残った五頭ほどの狼たちは文字通り尻尾を巻いて逃げ出していった。
アシュレイは二人に「ケガはないか」と声を掛けるが、二人から「「大丈夫(です)」」という声が返ってきた。
アシュレイは笑顔で「思ったより動けるな。体は鈍っていないようだな」とレイに語りかけ、彼も笑顔で答えていた。
「そうだね。昔だったら、このくらいの狼でもかなり苦戦したのに、少しは強くなったのかな?」
ステラは周囲を警戒しながらも、彼らの話に加わっていく。
彼女はティセク村周辺での魔族との戦いを思い出しながら、
「狼だけだと単調であまり危険は感じませんでした。やはり、立体的に攻められる方が脅威を感じますね」
アシュレイも「そうだな」と頷き、
「そう考えると魔族の魔物使いの技は脅威だな」
「確かにね。今回も狼の他に上から襲い掛かられたら、結構苦戦したと思うよ。あの状況じゃ魔法を使う余裕なんてないから」
三人は狼たちから魔晶石を回収し終わると、街に戻っていった。
街に入り、ギルド支部で魔晶石を換金する。ギルドを出たところで、ステラが自分たちに向けられた視線を感じた。
「また、監視の視線を感じました。すぐに消えましたが、どうしましょうか?」
レイはステラとアシュレイを見ながら、
「多分、宿の近くにも監視はいるよ。付き纏わずにピンポイントで監視する方法に切替えたんだろうね。しかし、本当に何が狙いなんだろう?」
彼の言うとおり、宿の近くでも監視者の視線らしきものがあった。
(僕が狙いなのか? それなら何のために? 光属性の使い手が欲しいだけなら、こんな手間を掛ける必要はないはず。僕の体、レイ・アークライトに何か秘密があるのかも……)
レイは光神教の思惑について考えていた。
半月ぶりの更新です。
まだまだ展開は遅いですが、少しずつ動いていく予定です。




