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僕らに吹く風に揺れる花  作者: ヨハン
引き寄せられる春
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妹とか両親とか

直接的表現は避けたはず。今回は妹と両親が出てきます。というかハル君のキャラ固まらない……

 早朝。まだ六時にも満たない内に俺は目を覚ます。眠くないのかと聞かれれば、眠いと答えるだろう。しかし、毎日のようにこの時間に起きているのでさほど苦にもならない。

 俺はベッドから降り、部屋を出て洗面所へと向かった。

 冷たい水で顔を洗うと、一気に目が冴える。寝起きの口臭はかなり嫌なので、口を水で軽く濯ぎすぐに歯を磨く。

 洗顔を済ませ歯を磨き終え、リビングに来てみると誰もいなかった。テレビでは朝のニュース番組をやっている。庭に目を向けると、見慣れた後ろ姿が洗濯物を干している最中だった。


「おはよ、母さん」


「あ、ハル君。おはよう。今日も早いわね」


 母親、日高和(ひだかなごみ)はおっとりした声で俺に言った。

 俺達学生は春休み中だが専業主婦である母さんに休みは無い。これは毎朝当たり前のようにしている変化の無いやり取りだと思うが、ちゃんと感謝はしなければならないとも思う。


「朝食は何にする?」


「んー、お味噌汁とかサラダは作って欲しいかな。卵やウインナーやお魚は冷蔵庫にあるからね」


「了解」


 俺はそう言ってキッチンに向かう。手馴れた手つきで味噌汁やサラダを作り、卵焼きを作りながらウインナーを焼いていく。焼き魚の火加減も時々見る。これは料理をし始めて数年、毎日のように朝食や夕食を作っている俺の日課だった。

 一応母さんの尊厳のために言っておくが、これは俺が好きでやっていることであって決して母さんが料理をしないわけでも出来ないわけでもない。一時期料理を真剣に勉強して以来料理の楽しさを知り、今でもそれが抜けないだけだ。母親が暇な時は一緒に料理してるし。

 朝食の準備をしているとYシャツ姿の父親、日高秋斗(ひだかあきと)がリビングにやって来た。


「おはよう二人とも。お、今日の朝食も美味しそうだね」


「おはよー父さん」


「おはようお父さん」


 ほぼ同時に挨拶を交わす。父さん曰く、これは日々の小さな幸せだとか。

 作り終え、皿や器に盛り付けた朝食をテーブルに並べ終えた所で俺は言った。


「リンは? まだ起きてないの?」


「あの子目覚めが悪いから……悪いけど起こしてきてくれる?」


「りょーかーい」


 これも毎朝のことだが、いい加減自分で起きてほしいと思う。

 渋々階段を登り、妹の部屋のドアをおもむろに開ける。ベッドを見るとそこには布団に包まる妹が……いなかった。


「あれ? ……あ」


「…………」


 部屋を見回す。すると着替えの途中だったのだろう。白い肌を露出させ、小さなリボンの付いた下着が体の下半身の一部を隠している。そんな姿の妹、日高凛子(ひだかりんこ)、リンがすぐそこにいた。と同時に。


「ーーーーーーーッッッ!」


 耳まで真っ赤になったリンによって、顔面に大きなダメージを負うことになった。


「ハル君、ちゃんとノックはしなきゃ駄目よー? リンちゃんだって思春期の女の子なんだから」


 リビングにて、朝食を食べてる最中に笑いながら母さんが言った。


「いつも寝てるからてっきり」


 俺がそう言うと父さんが苦笑交じりに言った。


「それはそうかもしれないけどね。まぁ仲直りしなよ、はは」


 そう言ってリンをちらりと見る。さっきから俺と目を合わせようとしない。そんなに見られたのが恥ずかしかったのか。

 よく見るとなんだか呟いているようだった。


「……お兄のばか……お嫁に行けなくなった……うぅ」

 

「あのー、リン」


「こうなったからにはお兄が私をお嫁に貰ってよね!」


 なんでそうなる。というか朝からなんてことを言うんだお前は。

 俺が言うのもなんだがこの子はかなりのブラコンなんじゃないかと思う。夜中に俺の布団に潜り込んでくることもよくあったし、小さな頃から俺にべったりだった。色々と変わった中でも、それは変わらなかった。兄として妹に好かれるのは幸せなのかもしれないが、実際ギャルゲのようにリンに恋愛感情を抱いたことはない。ここら辺は風花と一緒かもしれない。

 近すぎる存在を意識することは難しい。


「駄目よ、リンちゃん。ハル君には風花ちゃんがいるんだから……」


「春斗も罪な男だなぁ。こんなに可愛い妹の気持ちを弄んで」


「弄んでないし風花はただの幼馴染だし。つか父さん? そろそろ仕事に行かなくていいの?」


 冷静にからかいの言葉を受け流し、父さんに促す。

 父さんは時計を見て少し慌しく準備を始める。


「おっと、もうこんな時間か。そろそろ行くよ。それじゃいってきます」


 三人分の「いってらっしゃい」を受け、父さんは家を出た。

 俺達は再び朝食を食べる。


「それでハル君はどっちを選ぶの?」


「しつこっ! つか妹と結婚することにツッコミ無し!?」


 母さんはかなりおっとりしていて、それでいて物凄い発言をする。風花に結構似ていると思う。この人の場合は平和ボケしている一面もあって、かなりのものだが。


「あらー、お母さんは止めないわよ? リンちゃんが幸せになってくれるなら、ハル君がお嫁に貰ってくれても」


 大物過ぎてついていけない。


「大体リンが本気でそんなことを望むわけが」


「お兄、子供は何人欲しい?」


「ぶっ!」


 啜った味噌汁を少し噴き出してしまう。だからなんでこんなにとんでもないことを言うんだよ。

 しかもリンはリンでちょっと頬を染めてうっとりしてるからタチが悪い。この家族、常識人少ない。


「ハル君、リンちゃんはまだ中学生だからね? 犯罪だからね?」


「何が!?」


 この母親在ってこの娘在りといったところか。発言が常人のそれではない。

 リンは顔を片手で覆って恐る恐る言った。


「ママ、実はもう……」


「な、なんですって」


「もうやだこの茶番」


 この二人にこれ以上振り回されてはたまらないと思い、俺は朝食を急いで食べ終え自分の部屋に戻った。ベッドに寝転がり、携帯ゲーム機の電源を入れる。


「そういや妹のキャラのルートもあったっけ……」


 俺は妹キャラのルートを選択し、しばらくゲームを続けた。そして物語が進み、主人公とその妹が禁断の関係に陥る場面になった。

服がはだけた美少女が恥ずかしそうな表情でこちらを見つめるグラフィックはちょっと刺激が強い。


『お兄ちゃん……優しくね』


『わかってる……優しくするから』


『んッ……っくぁぁ……』


 これは駄目だ。流石に駄目だ。人として駄目だ。俺は首をぶんぶんと振る。二次元だけだこんなものが許されるのは。三次元だったら人の道を外していると思う。妹とこんなこと出来るはずが無い。いくら妹が美少女だからってこんなことをしたら兄失格だ。俺ならたとえリンが同じような誘いをしてきても断る自信がある。いやむしろそれしかない。確かにリンは美少女だし兄的に見ても可愛いがまだ中学生だ、今度から受験生だ。だから、だから、だから……

 そう自分に言い聞かせていると、何か違和感に気づく。さっきまで持っていた携帯ゲーム機が手から消えていた。


「……リン」


『お兄ちゃんっ! ×××の××××に×××××――」


「お兄、これ凄いっ……えっちぃ」


『ぁぁぁぁぁぁッッッ――――!」


「駄目! 中学生がこんなもの見ちゃ駄目!!」


 フリーズした思考と体を全力で働かせリンからゲーム機を奪い取る。画面には絶頂を向かえ恍惚の表情を浮かべる美少女。そして隣には現実世界の妹であり俺との結婚願望があるらしいリン。キャラは妹という設定、どう考えてもやばい。この状況。俺、ゲームオーバー。何がゲームオーバーなのか? 色々とだよ言わせんな恥ずかしい。


「お兄もつい最近まで中学生だったじゃん」


 冷静なツッコミ。もしかして特になんとも思ってない?


「てか……なんでこんなのしてるの?」


 アレ、ちょっと怒ってる? 心成しか不機嫌そうな目だし。


「えっと……これは」


「こんなことしたいなら言えばいいのに……」


 そう言って身に着けていた衣類をおもむろに脱ぎ始めるリン。って実況してる場合じゃなくて止めなければ。

 

「リン! ちょっと待て!」


「っきゃ!」


 服を脱ぎ、短パンを脱ごうとしていたリンの腕を掴んだはいいが勢い余ってしまった。

 そして今、俺の下にリンがいる。服がはだけ下着が露になっている妹を押し倒す兄、これじゃまるでさっきのゲームみたいじゃないか。


「……お兄……ちゃん」


「ッ!」


 ちょっと待て。今まで『お兄』だったのに『お兄ちゃん』って。そんな潤んだ瞳をするな。頬を赤らめるな。甘い声を出すな。


「ハル君、リンちゃん。風花ちゃんが来たけど二人ともここにいるn………………」


「おじゃましまーs………………」


 全てが終わった気がした。背筋は凍り、部屋の空気は絶対零度。下にいるリンの体温だけが暖かく感じられ……ってオイ。


「あ、あの! 母さん! 風花! これは誤解で!」


「せめてあと数年待てなかったの!? リンちゃんまだ中学生でしょ!?」


 母さん怒るとこそこ!?


「それにこんな早い時間から……全くもう」


「…………」


 いや、むしろこの状況で俺をボコりまくってボロ雑巾にしない方がおかしいだろ。そして何か言え風花、固まるな。


「ママ、ふー姉。これは誤解……」


「リン!」


 リンもこの時だけはちゃんと弁解しなければならないと思ってくれたのだろう。


「服を脱ごうとした私をお兄が無理やり」


「違ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」


 常識人の神様お願いします降りてきてこの場を静めてください。この場には場を悪化させるお馬鹿と根本的にズレ過ぎて常人じゃない人しかいないのです。俺がそんな風にもう全てを投げ出したくなり始めた時だった。


「……ハル君。これは全部何かのアクシデントなの?」


「あ、あぁ! そうだよ! だから信じてくれ!」


 俺にそう確認する風花に俺は何度も頷く。風花はその反応を見て言った。


「んー、ハル君がそう言うなら信じるね」


 そう言って微笑んだ。むしろ安心したようにも見えた。どちらにせよそう言ってくれる風花が今の俺には女神にしか見えなかった。ありがとう風花、もうどんな言うことでも聞く。


「まぁ、きっとハル君がえっちなゲームをしててそれを見たリンちゃんが発情しちゃったのかしらね」


 母さんもう少し言葉を選んでください、発情て。てか全部お見通しなのかよ。


「ほら、リン。さっさと服を元に戻せよ」


 俺は我を取り戻してリンにそう促す。


「うー……もうちょいだったのにー」


「誰がもうちょいだ」


 リンは渋々服を元に戻す。


「そういえば、ハル君はどんなゲームしてたの?」


「あ」


 風花はそう言って携帯ゲーム機を手に取った。そしてボタンをポチポチと軽く連打する。


『お兄ちゃんのすごいよぉ……』


『お兄ちゃん大好きぃ……』


『責任取ってよね? えへへ……』


「……いつものハル君だね」


 風花がポツリとそう言った。いつもの俺ってなんだよ。心の中でそう言うと、風花は更に小さな声で言った。


「あ、でも……せめてキャラは幼馴染とかにして欲しかったなー……」

一発書き、プロット無しだとgdgdになりますね……

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