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音と心  作者: ふみりん
3/5

青春

高校生になると、あちこちで誰と誰が付き合っているとか別れたとか恋愛の話が聞かれる。自分には縁がない話だったが、友人がホテルに行ったなんて話を聞くと夜も眠れない位興奮した。

しかし好きな人は出来る。成就しないとわかっていても気持ちは抑えられない。そんな時に聞いていた曲は、大人ぶってかどうかわからないが、外国の歌だった。歌詞は分からなくてもメロディーとタイトルやリズムに惹かれて夜中ラジオを聴いたり、ラジオをカセットテープに録音したりして口ずさむんでいた。

体育祭で、Call meを黒いタイツ履いてノリノリで踊っていたら、好きな人に笑われてしまった。

この曲を聞くと元気が出るのは何故だろう?

憧れと弾けたい自分が爆発したのだろう。

押さえつけられれば、反発心がより強くなっていた。


高校生の美幸に親は言う

「道を外れてはいけない」

「1日を無駄にせず過しなさい」

「恋愛はまだ早い」


「何だ、それ」

「窮屈な高校生活だなぁ」

心の鬱憤は蓄積していた。

「大学は親元を離れよう」

心に誓った。


ビートルズの「Get Back」のように体が縦に揺れる曲も好きだが、ビリー・ジョエルの「Honesty」の様に静かな曲に心が癒される。

ピアノを弾きながら歌う彼をコンサートで初めて見てもっと好きになった。ピアノを弾ける男子に惚れやすいのは今でも変わらない。

この頃の歌はイントロが素敵な曲が一杯だった。中でも「HOTEL California」は最高で泣けてくる。

歌詞の意味もわからずに、曲調とギターの音色だけで涙していたのは10代だったからなのか、それとも自分の感性なのかよくわからない。大人になって歌詞の意味を知った時、少し怖くなったのを覚えている。


一夜だけの恋とは存在するのだろうか?

大学生の美幸は好きだった彼と2人きりになった。いつも一緒のルームメイトが彼の所に行ったと話をすると「家においでよ」と言われた。

本当にドキドキしながら過ごした夜は彼の吐息が一晩中聞こえてきて一睡も出来なかった。

この時聞いていたのはサザンだ。「いとしのエリー」を聴くと今でも彼を思い出す。

そんな彼は信念はあるのだが学生生活は続けられず疎遠になっていった。

飲み屋街で「モンロー・ウォーク」がかかると胸騒ぎがする。彼はホストをしていると噂で聞いたからだ。

青春とは不思議だ。その時の心と風景、感情が曲と入り混じっているのにいい思い出として胸に刻まれている。




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