81 春の風物詩
ここ10年ほど作ってはないけれど、神戸の春と言えばコレ!と言うものに「いかなごのくぎ煮」というのがあります。
気が付いたのはこっちに嫁に来て二年ほどした頃でしょうか?春になると数日にわたって、魚屋さんや鮮魚コーナーに行列ができるのです。
あの人たちは何を並んでるのだろうか?としばらく謎に思ってたのですが、娘の習い事でご一緒したママ友から教えてもらって分かりました。
「いかなご」の入荷を待っているのだ、と。
毎日朝の漁で揚がったいかなごを購入し、そのままくぎ煮にする人たちが並んでいたのです。
ママ友にレシピを教えてもらい、翌年から私も挑戦しました。
それまで「小魚であったもの」が、お鍋の中で明らかに食品になっていくのを見るのは、なんというか「達成感」みたいなものがあってとても楽しかったのです。
「いかなごのくぎ煮」と言うのは、言ってみれば小魚の佃煮のようなもので、水飴で炊き上げて折れた釘みたいな仕上がりなので「くぎ煮」と言われてるようです。
春先のこの時期にはあちらこちらのお家の換気扇から、「いかなご炊いてるんだ〜」というような香りがしてきたものです。
ここ10年ほどいかなごを炊いてないと言うのは、いかなごの不漁が大きい理由です。天候不順とか水温の変化とかのせいなのか、水揚げが減ってるのです。
とれる量が減ってるので、いかなごがとてつもなく高いんです。私が作り始めた頃は1キロ千円くらいだったんですが、さすがに四千円を超えた辺りから買うのをやめました。
それでも三千五百円くらいまでなら買って、作ってたんですが…
今年はまだ水揚げしてないようですが、一体幾らになるでしょうか?




