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寄る年波  作者: きむらきむこ


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 32 結婚の先生

 まだ学生の頃、中島らも氏の本を読んでいたら、「好みの異性と結婚する方法」というのが書かれてありました。


 「結婚の先生」という方がいらして、その方の主張だそうです。日頃からどんな人と結婚したいかを、何個も書き出してそれを眺める、だけだそうです。


 そうして頭に叩き込まれた好みの人に出会ったら、自然と好き好きアピールをして結婚に結び付くらしいです。


 私はその時に書き出しこそしなかったのですが、条件を頭の中で浮かべました。


 1 関西在住である(出来れば転勤無し)

 2 細身のマッチョ

 3 安定した職業 (父のように休日にも働く人は嫌でした)

 4 好きな顔をしている (イケメンとかではなく好きな顔です)


 多分最低でもこれくらいは考えたと思います。

世の中はバブル、好景気に沸き上がり、結婚するなら三高と言われた時代です。


 ご存知ない方にも説明すると「三高」とは、高学歴高身長高収入の略です。バブル時には一千万以下は嫌とか言う話が結構ありました。そんな人とどうやって知り合うんだろう?と不思議でしたが。世間知らずの学生であった私もある程度このような風潮に染まっていたと思います。


 私以上にこういう考えに染まっていたのが、父でした。

苦労して育って中卒で働いてた父は、娘たちには苦労させたくないとの気持ちから、バイト先や出先で娘がどこかの馬の骨に騙されないか心配で心配で仕方なかったようです。


 そうなると、父の娘たちへの過干渉が起こるわけです。

私は大体において聞き流していたのですが、妹は父とバトルしてました。(私と妹は似たようなパーツで出来ているのですが、圧倒的に妹の方がモテるのです)


 父は本当は長女である私を実家のそばに、所帯を持たせて住まわせたかったようですが、初代夫を連れて妹の方が先に実家の近くに家を構えました。


 両親と妹夫婦のあれこれの隙間を狙って、私が結婚。実家からの逃走を果たしました。


 私の夫は、三高はともかくとして、私が考えていた1〜4の条件をバッチリ満たした人でした。中島らも氏のというか「結婚の先生」の主張は、私においては正しかったようです。


 もし、未婚の方がいらしたら、試してみて下さい。成果のほどは保証いたしませんが。


 因みに父も私の夫のことは、大変喜んでくれました。安定した職業(公務員)であること、これが一番嬉しかったようです。


 

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― 新着の感想 ―
中島らも なつかしい名前です。 思えば、松本人志がずっと中島らものキャラを模倣していた時期があったと、個人的には考えています。 中島らものエッセイは、何作かチラ見したことがある気がします。 あ、なんか…
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