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寄る年波  作者: きむらきむこ
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  12 整理整頓の話

 実家の中はまだ片付いていません。


 うちの母は整理整頓がこよなく下手なのです。整理棚とか小物入れのタンスとか好きで買ってくるのですが、中にものを入れずに、その前に積んでいくタイプなのです。


 母は、整理棚があれば整頓されると思っているようなのです。参考書を買ったら勉強した気になる受験生よりも、ひどい錯覚です


 おそらく中にいれると、何が入っているのか分からなくなるのでしょう。家には各部屋にクローゼットもあるのですが、その中にはほぼ空のタンスが置いてあり、その上にものが積まれているのです。ですので、タンスや整理棚を買う前に必ず私と妹の許可を取るようにと、母には言ってあります。


 もちろんこれも母は気に入らないのですが。自分のお金で自分のものを買ってなにが悪い、と考えているのです。


 かつて、妹と二人で母がストーブを買うのを必死で止めたことがあります。床暖房とエアコンで暖房は充分だし、危ないから火を使う暖房器具は買わないで、と母に懇願してます。整理整頓が下手な母の家で、ストーブを使おうものなら、火災一直線です。


 絶対にものを置くな、と言ったにも関わらず、階段には不要なカバンや膝掛けなどが積んであります。いつかあれに足を取られて転倒するだろう、と思っていたのですが… その前に転んで膝の皿にヒビが入ることになりました。


 母のお友だちの招待は、もう二度と出来ない気がします。


 人に座ってもらう場所を作るのに、家の中の不要物を片付けたり、処分すると母が「私のものを捨てるのは、私が死んでからにして」と言って怒るからです。


 母本人には思い入れがあるんでしょうが、50センチ角のお城の模型とか、作った人が家に置ききれなくて処分する代わりに母にくれたんだろうな、というのが透けて見える代物は、必要なんだろうか、と思うのです。


 誰々さんが作ってくれたんだから、と言って後生大事に置いてあるものがなくなったらスペースが四畳分くらい空くんですが……


 母の世代の人は物を捨てないので、できれば母の思うようにはしてあげたいのですが、置いておく場所には限りがあるのです。現在母は一人暮らしの3DKを、自分の衣類で埋め尽くしています。


 母はキッチン・バス・トイレ付きの巨大な(それも物凄く汚い)クローゼットの中で暮らしているのです。


 二度と母が二階に上がらなくなったら、絶対に使わないであろう布団の予備や二階の部屋を占拠している母の服を、処分してやる!との野望を胸に秘めています。






 


 

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― 新着の感想 ―
お疲れ様でございます。 処分させてくれませんよね… 私の母は整理整頓はしているのですが、それでも処分させてくれません。 「思い出が〜」を破る術は、「娘が使うから〜」しかありませんorz (そして家に持…
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