燃恋〜ある女の燃える恋〜
※この物語はフィクションです。実在の人物や団体・場所などとは関係ありません。
燃えるような、とろけるような恋をした。
包まれ、受け入れられ、幸せな恋をした。
ーー記録 1984年 6月ーー
「おはよう」
今日も俊夫さんはぶっきらぼうに挨拶をする。
無理もないわ。寝起きだし。
「おはようございます。貴方。今日は目玉焼きだけど、塩胡椒とお醤油どっちでたべますか?」
「あーー、うん、醤油で。」
俊夫さんはその日の気分で目玉焼きの味付けを変えるんだわ。
お醤油だと、ごはんと混ぜて食べるのかしら?
ちょっと品は無いけれどとっても美味しい食べ方よね。
「貴方、最近眠れないようですけど病院通わなくて大丈夫なんですか」
「あぁ、うん。 仕事が立て込んでいて考え事が多くなってるだけさ。あと数日の辛抱だ。」
あら、寝起きでぶっきらぼうな挨拶かと思ったら最近眠れていないのね。
少し心配だわ。お仕事、早くひと段落すればいいですけれど。
そんな、少し心配な話もしていたけれど身支度を整えて俊夫さんはお仕事に向かう。
「今日も少し遅くなる。先に晩飯とか食べてて構わないから。」
「あら、分かりました。お夕飯は作っておきましょうか。」
「あー、いや、外で済ますから大丈夫。じゃ、いってくる。」
「はい、いってらっしゃい」
俊夫さんは出勤していったわ。 いつもいつも思うけど俊夫さんはスーツがよくお似合い。 何年たってもあの頃の俊夫さんの姿と変わらないように思う。
大袈裟かしら?もうお互いいい歳だものね。大人の色気も加わっているわ。
俊夫さん、今日も夜遅くなるのね。帰ってくるのが待ち遠しいわ。
そういえば、不眠症気味って言っていたわよね。安眠におすすめなアロマオイル買っておいてあげよう!
ーーー2024年4月ーーーー
「おはよう」
「おはようございます。貴方。あら、なんだか今日はスッキリしているみたいですね」
「あぁ、枕元にラベンダーのアロマオイルが置いてあってな。試しに使ってみたらすぐ眠れたんだ。おかげで昨晩は快眠だった。」
「アロマオイル…?そんなもの置いてあったかしら」
「なんだ、お前が買っておいたものではないのか?まぁ、小さな小瓶だし昔のやつを今のいままで気づかなかっただけかもしれないな、ハハハ。」
「そうかしらね……?一時期ハマってた時もありましたっけ?その時のやつかもしれないわ。」
「だろ?」
俊夫さん、快眠だったのね!私が置いておいたアロマオイル、喜んでくれたみたい。とっても嬉しい。誰かが喜んでくれるのって本当に自分も幸せな気持ちになるのね。それとも愛する俊夫さんだからかしら?
「今日も遅くなるから、外で済ますから晩飯はいらない。
ここのところすまない。」
「あら、そうなの。分かりました。」
「じゃ、いってくる」
「いってらっしゃい」
俊夫さんは今日もお仕事遅くなるのね。昨日も帰ってきたのは0時12分だったわ。いくら外でお夕飯といっても、深夜に小腹くらい空くんじゃないかしら。
リビングにおにぎりでも握って置いて置いてあげよう!
お夜食として! 俊夫さんは確か、おかかが1番好き。おかかおむすび作っておいてあげよう!
ーーーー2024年4月ーーーー
「おはよう」
「おはようございます。貴方。」
俊夫さんは今日も寝起きな挨拶をする。
「昨晩はありがとうな。」
「え?」
「夜食用におにぎり作って置いてくれただろ」
「作ってませんけど。」
「は?そんな訳ないだろう。俺の1番好きなおかかおむすび、リビングにラップかけて置いてあったぞ。」
「だから、おにぎりなんて作ってませんって! 外で済ますっていっていたじゃないですか」
「じゃあ誰が作ったんだ。」
「知りませんって」
「・・・・・・」
「からかうんじゃない! 感謝していたのに朝っぱらからなんだ!
もういい。いってくる」
「あ、ちょっと貴方!」
俊夫さん、今日はご機嫌斜めだったみたい。でもおにぎり美味しいっていってくれたわ。嬉しい! 朝はご機嫌斜めだったけれどきっと、夜にはまたいつものぶっきらぼうで優しい俊夫さんに戻ってるわ。
そうだ、俊夫さんがお仕事から帰ってくつろげるようにソファー、整えてあげよう! 掃除機かけて、コロコロして、俊夫さん好みのクッションを置いておこう! ゆっくり寛げれば少しは疲れがとれると思うし!
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掃除機をかけて、コロコロしてソファーを整えて!
それにしてもこのリビング、汚れてているわね。
床は汚れているし、大きなオモチャは置きっぱなし。
きちんと拭いて、おもちゃは片付けないと。
それにしても許せない。俊夫さんが仕事で忙しいのにかこつけて、新しいお人形を呼んでいたなんて。
大きなお人形2つ片付けるのは一苦労だわ。でも俊夫さんが喜んでくれるのを想像すると疲れもふっとびそう!俊夫さん、私、頑張るからね!
ーーーー2024年4月ーーーーー
今日はなんだか朝から騒々しいわ。俊夫さんは顔が真っ青で心ここにあらずと言った感じ。どうしたのかしら?
ソファーはきちんと整えたのに。気にいらなかったのかしら、残念。
俊夫さんの家の前に何台か車がとまってる。
お仕事で何か失敗したのかしら? 本当は側にいって安らぎを与えてあげたいけれど、それはできない。
私は、ただ、遠くから、見守ることしかできない。
あぁ、歯がゆい。俊夫さん、早く元気にならないかしら。
ーーーー2024年4月ーーーー
俊夫さん、今日も元気がない。
憔悴してるって感じだわ。 そうだ、少しでも助けになるように電話で応援してあげよう!
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おかしいわ。今日はもう500回近く電話しているのに俊夫さん全然電話にでないわ。家にはいるはずなのに。タイミングがわるいのかしら。
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あれ、おかしいわね。今日も電話にでないわ。
うーーーん、どうしたものかしら。
そうだわ! きっとお人形をなくしていて元気がなくなっているのね!
お人形さんをつぶやきアプリに写真を載せたらみるかもしれないわ!
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うーん、おかしいわ。毎日電話もして、お人形の写真もみせたのに俊夫さん、元気にならないわ。
そうだ、お花! お見舞いにお花を送ってあげよう!
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俊夫さん、貴方をずっと愛しています。
ずっとずっとずっと見守り続けます。
俊夫さん、ねぇ。電話鳴らしているのに。
まったくいじらしい人。可愛い。
俊夫さん、大好き。貴方は私を試してて。まったく意地悪な人。
でもかっこいい唯一のひと。
ねぇ、俊夫さん、私を唯一受け入れてくれた人。
俊夫さん大好き。大好き大好き大好き。
俊夫さん今日はやつれてる。
あら、今日はご飯、食べれたのね。
俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん俊夫さん
ーーー燃えるような、恋をした。
包まれ、受け入れられ、幸せな恋をした。ーーー
覚えていますか。
「あ。」
昼下がり、俊夫さんのためにベットを整えていた。
お仕事、だと思ったから。
そしたらビックリ。俊夫さん、帰ってきちゃったの。
「!、、、誰だお前!!」
あら、ひどいわ俊夫さん。覚えていないのかしら。
あら俊夫さん一目散に下へ降りていったわ。
だめよ。
「あああああああ!!よるな!動くな!!!!」
あら、お仕事疲れかしら。ひどく混乱しているわ。
「よるな!!! だ、、、、、、、、誰なんだ、、、、、、お前!!
、、、、、、、、、、、、、、、
り、、、、、、、、律子、、!! 律子を、、、、、、、、お、、お前、、、、、、どうした、んだっ!!」
俊夫さん、ひどく取り乱して。かわいそうに。お仕事疲れね。
律子さん?初めて聞く名前だわ。
そっと手を握ってあげようかしら。
「!!!!!!!!!よるな!!!!化け物!!!」
「………バ、チガ……………オボッ…………オボエテル………?」
「お前みたいなやつ、知らん!!、!というか鏡見たことあるのか!?
お前人間か!? 、、、、、、もし会ったことあるとしてもそんな容姿じゃおもいだせん!!!」
…………おかしいわ。俊夫さん。歳を重ねたとはいえ私はそんなに変わってないわ。
自慢のサラサラな黒髪に右目の下の黒子が可愛いっていってくれた。
あの時のままなのに。
もしかして、あぁ、そう。
家、間違えちゃったかな。この人、俊夫さんそっくりだけど、別人か。
しまった。私としたことが。
じゃあこのお人形さんも、片づけないと。
「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、!み、、、み、、、なっ、、、、、、、、、、」
俊夫さんそっくりのお人形さん、最後に私の名前、いいかけた?
よくわかったわね。
あーあ。また片付け、一苦労だなぁ。
俊夫さん、まだお仕事かな?
俊夫さん、俊夫さん。待っててね。
美奈子、がんばるから!
『今日のニュースをお伝えします。
速報です。
茨城県某市で連続殺人事件が起きました。
殺害されたのは、某市在住
栗橋 俊夫さん(会社員・56)
栗橋 律子さん(主婦・56)
このうち栗橋俊夫さんは自宅で首を強くしめられていて意識不明の重体で病院に搬送されましたが、病院で死亡が確認されました。
また、妻の律子さんはバラバラに解剖されて山中に死体遺棄されたことが判明しました。律子さんは死後、一か月は経過している模様です。
この2名を殺害・死体遺棄した疑いで逮捕されたのは
同じ住宅地に住む
小岩 美奈子容疑者(無職・56)
警察の取り調べに対し小岩容疑者は支離滅裂なことを繰り返しているとのことで、殺人動機等は未だ不明。
しかし警察からの発表によると
小岩容疑者と栗橋 俊夫さんは同じ高校の同級生だったことが判明しているということです。
警察の見解として
俊夫さんは小岩容疑者にストーカー被害を受けていた可能性が高いと考えており捜査を続ける方針です。
また詳しいことが分かり次第、速報でお伝えします』
番外編
『峯村刑事の捜査記録』
皆がゴールデンウィークで浮かれている頃、惨たらしい殺人事件が起きた。
ーーいや、起こっていた、と言うべきか。
物凄い悲鳴が聞こえると近隣住民からの通報で駆けつけた時にはもう、男は倒れていた。
犯人と思われる女は呆然と立ち尽くしていた。
その場で現行犯逮捕したが、それにしても何なんだこの女は。
黒いヨレヨレスエット、髪はボサボサで頭垢だらけ、それにものすごく臭い。
きょうびホームレスでももう少しマシなもんだぞ。
俺の部下たちも吐かないように連行するのがやっとのようだ。
パトカーが駄目になっちまう。
取り調べもやったが、終始支離滅裂で何言ってるか解りゃしない。
くそっ。このままだと心身喪失で無罪になっちまうかもしれん。
現場とこいつの情報を洗い出して少しでも証拠を集めなければ。
まずは殺されたホトケ、栗橋夫妻の家だ。
「あ、みねさん、お疲れ様です。」
「おう、つかれさん。で、どう?状況は」
「凄いですよ。」
部下の白井が眉をひそめながら手帳を開く。
「まず、盗聴器が10個仕掛けてありました。どれも小型で、コンセントの中や電灯の裏側といった気づかれにくいところに各部屋最低2個、仕掛けてありました。」
「なるほど。」
案の定、といったところか。やはり栗橋夫妻のどちらか、あるいは両方があの汚い女のストーカー被害に遭っていたのか。
「また、電話線が抜かれていたので調べたところ、ここ一か月ほど1日500回ほど小岩容疑者から無言電話があったようです。」
「500!?すげぇな。」
「はい。また栗橋 律子さん、あー奥さんの方は4月初旬に行方不明になっていて捜索願いを出されてました。まだ見つかっていないようです。ちょうど行方不明になった頃ですね、無言電話が始まったのは。」
「……黒だな。」
「黒?」
「奥さんも恐らく既に仏になっているだろうな。殺ったのはあの女だ。くそっなんとか聞きださねぇとな。」
「刑事の勘ってやつですか」
「白井もこのくらいの勘、磨いとけよ。」
「はっ。精進します」
そのあとは殺された旦那の遺体状況や現場の状況など、真面目な白井は詳細に語ってくれた。
遺体は分かりやすい。首を絞められて殺されていた。
ゴミ箱には花束が捨てられていたようだが、恐らくあの女が送った花束に違いない。気持ち悪い。
「……ありがとな、白井。 で、問題はどうしてホトケさんがストーカー被害を受けたのか、だな。」
「そうですね、現状、被害者との接点は不明です。」
ストーカー被害に遭うということは、芸能人じゃない限り必ずどこかにきっかけはあるはずだ。
まずはそれを見つけ出さなくては。
「……白井」
「なんですか。」
「ホシの……あー、小岩美奈子の家は判明したのか?」
「あ!はい。つい先ほど判明しました。ちょうど向かおうとしていたところです。」
「そうか、じゃあ、行ってみるか。」
ホシ、小岩美奈子の家は意外なことに殺された栗橋夫妻の家とさほど離れていないところにあった。
隣の丁目くらいだ。
ガイシャの家に到着した途端、絶句した。
ゴミ屋敷だ。
庭からどっちゃりとゴミ袋が散乱して積み上がっている。
「………みねさん、すみまっ!!」
白井は謝るまもなく嘔吐してしまった。
無理もない。かく言う俺もモドしそうだ。
「…大丈夫か白井。入るぞ。」
「みねさん、すみません、先行っててもらいますか。心の準備が」
「あぁ、わかった。無理すんな」
かろうじて通れる隙間から入っていく。
一歩、一歩踏み出すたびにコバエが湧き、壁にはゴキブリがはって出る。
くそっ、最悪だ。
奥の部屋に1部屋だけ、比較的ゴミが少ない部屋があった。
恐らくここがホシが普段いた部屋だろう。
ゴミは少ない、が。
壁一面に殺されたガイシャ、栗橋俊夫の写真がびっちり。
そしてちゃぶ台には、盗聴器の本体か。
こりゃ、典型的だな。
ちゃぶ台の脇に写真立てが置いてあった。ゴミ屋敷なのにこの写真だけ小綺麗なのが違和感たっぷりだ。
「……誰だこれ。えらい美男美女じゃないか」
女の方は黒髪のロングで右下の黒子がなんともいえない色気を出している美人だ。男もハンサムな2枚目だな。
ん?制服になにか刺繍がある。
私立 常盤高校………。
調べてみる価値はあるな。
惨たらしい殺人事件からおよそ一年。
大体の大筋は判明した。
まずあの写真の美人はホシ、小岩美奈子の若かりし姿だった。これには心底驚いた。そして隣のハンサムは殺された栗橋俊夫だ。
2人は高校時代、有名な美男美女カップルだったらしい。同級生らの証言だ。
しかし、青春の恋だ。一生続く訳もなく、高校卒業の進学に伴い別れてしまったらしい。
まぁ、小岩の中では、まだ続いているのだが。
そう、小岩美奈子容疑者の中ではまだあの日のままなのだ。
別れ話も、拒絶も一切、逃避して。
18で別れてから38年、ずっと恋人のままなのだ。
どう考えても頭がおかしい。
栗橋俊夫は結婚しているのだが、奥さん、つまり栗橋律子さんのことは小岩美奈子にとっては人形らしい。
栗橋俊夫が人形遊びが好きでそんな姿も愛らしかった、、と。
この一年、精神科医も心理士も加わってなんとか聞き出せた情報だ。
まったく気色悪い。人形だと?都合の悪いことは全部逃避しやがって。
小岩美奈子からこうも供述がとれた。
お人形さんはある日、別の男のお人形さんを連れてきたので、お片付けして山に埋めた、と。
俊夫さんのためにソファーを整えてあげようとしたら、まったく腹立たしかったわ、と。
つまり、小岩美奈子は栗橋俊夫のためにソファーを整えようと栗橋家に不法侵入しようとした。
庭に回ったところで、たまたま、栗橋 律子さんが不倫していたのを目撃した。
栗橋俊夫さんが傷つくと思った小岩美奈子は、そのまま家に不法侵入し栗橋律子と不倫相手を殺害。
死体を持ち帰り分解して山中に埋めた、ということだ。
奥さんと不倫相手の遺体はその後、Nシステムなどで小岩美奈子の足取りを追跡し山を特定、発見した。
死後一か月ほど経過しており腐敗が凄かったことを覚えいる。
あれから、小岩美奈子は警察管轄の閉鎖病棟に隔離され裁判を待っている。
ほとんどをボーーっとして過ごしており、たまに喋るといえば支離滅裂な言葉や栗橋俊夫は何をしているのかとか、そういうことらしい。
あいつの中でまだ栗橋俊夫は生きているのだ。
きっと、栗橋俊夫と鉢合わせした時、栗橋俊夫は白井美奈子だとわからなかった。それもそうだ。今の小岩美奈子は酷い容姿をしている。
写真立ての美人とは掛け離れすぎている。
栗橋俊夫に気づかれなかった小岩美奈子は栗橋俊夫を栗橋俊夫ではない、とまた逃避した。本物の栗橋俊夫なら自分に絶対気づくはずだから。
だから、この別人(栗橋俊夫なのだが)は不法侵入の目撃者になったので殺したのだ。
なんとも、胸糞悪い話だ。
最後に、栗橋夫妻の向かいの家に防犯用の監視カメラがたまたまついており、捜査協力してもらったところ。
少なくとも、メモリ保管されている10年。
ほぼ毎日、小岩美奈子が栗橋宅の庭に入っていたことが判明した。
近所の人もときたま見かけていたらしいが。決定的なところを目撃した訳ではなかったので通報まで至らなかったらしい。カカシか貴様らは。
きっと、10年以上、いや、付き合ってからの38年、白井美奈子は視ていた。
栗橋俊夫を。自分のボーイフレンドを。
俺の刑事の勘がそう告げている。
「まったく。胸糞悪い。」
「だが小岩美奈子からすると……………………燃えるような恋なのかもな。まったく気色悪いが」
タバコに火をつけ、空を仰ぎ見る。
以上が、栗橋夫妻殺人事件のあらましである。
はじめまして。梵丸と申します。ここまで読了してくださり誠にありがとうございます。
今回、知人から「昔、家をのぞいていた不審な女をみたことがある」という話を聞いてその話をベースに小説を執筆してみました。初めて執筆した小説なので、至らぬ点もあるかと思います。
また自分のモットーとして、文字離れが多い現代「サクッと読めるけど心に余韻を残す小説」を心掛けて行きます。
自分のペースでこれからも執筆していくと思いますので、よろしくお願いします。