【PC用】共闘するトキヒサと共闘する皇太子
横37文字を前提としたPC用になります。
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※すみません。やってみたかったです。
独り言が止まらない。 つい独り言を言ってしまう。
「ずっと独りだった。」 「生まれた時から独りだった。」
「アリシアはいたけど。」 「クレアとも距離が開くばかり。」
「友達なんて出来なかった。」 「友達と呼べる奴はいなかった。」
晴天。早朝。荒野の決戦場。 晴れやかな気持ちの朝になった。
「だから。」 「だから。」
「パトリックと会えて安心した。」 「トキヒサと出会って新鮮だった。」
「気兼ねなく話せる唯一の友達。」 「無遠慮に話してくる唯一の友達。」
荒野の上空、約10m。風速、約5m。 ゆっくりと浮遊する。
「本当は味方になりたかった。」 「出来れば味方になって欲しかった。」
「でもあの時は決心出来なかった。」 「味方でなくても仕方がなかった。」
巨人の左翼で浮遊。巨大な槌、確認。 デンメス様の右側に待機する。
「諦めてしまった。」 「諦められた。」
「今度は違う。」 「予想外だった。」
「共に戦おう。」 「一緒に戦ってくれるとは。」
戦闘準備。鎧の生成。籠手の生成。 杖を構える。
「行くぞ。」 「はじめよう。」
巨人へ接近。炎弾の牽制。顔面へ攻撃。 空を駆け、デンメス様に接近する。
槌の攻撃確認、上空へ回避。雷、準備。 槌を振るいあげた隙に岩片を叩き込む。
籠手に雷を纏う。頭上から攻撃。 さらに槌を握る手に氷を作り鈍らせる。
槌を持たぬ手による防御、雷撃継続。 高度を下げて地面スレスレに接近する。
手で掴まれる。そのまま投げられる。 トキヒサが投げ飛ばされている。
姿勢制御、減速開始、地面が迫る。 反転して着地点に水の壁を作った。
何故か着水、地面に激突。損傷軽微。 振り返ると槌が振り下ろされる。
水を振り払う。上空へ、巨人へ。 あわてて後ろに下がる。
友への攻撃確認。足元へ集中砲火。 槌の軌道が逸れて、なんとか躱せた。
巨人の動きが止まる。咆哮準備。 すさまじい衝撃音だ。
「避けろ。」 トキヒサが何かするらしい。
息を吸いながら着地、固定、咆哮。 後ろから咆哮が迫り、横に回避する。
両腕の防御確認。咆哮継続。 あれを防いでいるのか。それなら、
巨人は不動。咆哮終了。 咆哮を避けながら懐に移動し、
巨人へ再接近。風を纏い突撃。 終わりを見計らって胸元へ飛び込む。
風を束ね嵐へ。巨人のよろめき確認。 至近距離からの火炎をくらえ。
足元へ着地、『巨体を縛る嵐』。 突然、嵐が突っ込んで来やがった。
友からの抗議。嵐の制御、継続。 「トキヒサ、危ないだろ。」
「すまん。もっと燃やしてくれ。」 謝りながら要求するとは、まぁいい。
嵐の中に押し留める。友の魔法待ち。 耐えてくれよ。奥の手を出すからな。
巨人の抵抗、確認。出力維持。 よーし、燃え尽きろ。
着火確認。巨大な炎嵐へと変貌。 どうだ。嵐と同調させてる分強力だ。
状況注視。炎嵐維持。友の安堵の声。 「これなら大丈夫だろ。」
「いや、待て。」 トキヒサは心配性なんだよな。
地響き。雄叫び。炎嵐の消滅。 って、マジかよ。まだやれるのか。
巨人健在、損傷大。作戦検討。 ダメージは通っているみたいだな。
「質問がある。」 ん?何か思いついたのか?
警戒、槌の準備確認。返答の声。 「なんだ?」
「魔力は?」 魔力は、ほとんどないな。
残存魔力、軽微。友も同等と回答。 「大技は無理だな。そっちは?」
「俺もほとんどないな。」 トキヒサも同じくらいか。
選択肢の精査。友の助言。 「いっそ、もう殴りかかるか?」
「それだ。大外刈りは覚えてるか?」 冗談のつもりだったのに、大外刈り?
役割の検討。上半身を選択。 「覚えてるけどよ。」
「俺が上だ。脚は頼んだぞ。」 本気でやるのか。相変わらずだな。
最接近、石つぶてによる牽制。 軸足の膝裏を押せばいいんだったか。
槌での迎撃、確認。そのまま迫りくる。 一人じゃ無理だろ。雷でも落とすか。
回避行動。雷雲の生成、確認。 さて、今のうちに後ろに回るか。
一旦地面へ。さらに牽制しつつ退避。 トキヒサも避けてくれたみたいだな。
落雷、確認。若干のよろめき。 雷は1本、これ以上は無理だな。
岩の手。腕を引き体勢を崩す。 よし、今だな。
軸足への攻撃確認。引き倒す。 くらえ。
仰向けに倒れる。追撃準備。 よっしゃ。なんとかなるもんだ。
「その辺にしておけ。」
ん?テルペリオンに追撃を止められてしまったけど、もういいのか。
「デンメス。満足したか?」
「はっはっはっ。お前が認めるわけだ。いいだろう。」
終わったのか?なんだか拍子抜けだな。
「やったなトキヒサ。どうした?」
「いや、あっけないなと。」
「お前まさか、本当に最後までやりあうつもりだったのか?」
だってそういう話じゃなかったっけ?
「うーん、まぁ。」
「あのなぁ。言葉の綾だってば。」
「まぁ、それもそうか。」
何にしても、これで一段落だな。




