後押しするアリシアと後押ししたいトキヒサ
投稿が遅くなり申し訳ありません。
「アリシア。さっきな、テルペリオンと一緒に過去の記憶を見てきた。」
「へー、そんなことできるんだね。どうだった?」
「アリシアと出会った時の記憶も見てきた。」
「え?いいな。」
「う、うん。俺ってあんなんだったのか?」
「あんなん?」
「なんというか、すごく強引だったなと。」
「あー、それって一番最初の頃だよね。ずっと振り回してくるから大変だったよ。」
「よくついてくる気になったね。」
「うーん。ほら、あの頃の私って諦めていた事が多かったから。何をすればいいのかわからなくて、だから、そんなに嫌じゃなかったよ。」
「そうか、最近はどう?」
「最近?」
「俺としては、そんなに振り回していないと思ってるんだけど。」
「うん、そうだよ。どっちかというとトキヒサが振り回されてばっかりだね。」
「どうだった?」
「ん?正直、トキヒサがどうしたいのかわからないこともあったけど、別に嫌じゃないよ。」
「そう、なのか。」
「どうしちゃったの?」
「まぁ、大人になりすぎたのかな。」
「何それ?変なの。」
「・・・アリシア。」
「え?どうしたの?改まって。」
「また、俺に振り回されるとしたら、どう思う?」
「・・・何で、そんなこと聞くの?」
「何でって、平穏に過ごしたいのかなと。」
「それは、私の望み。トキヒサの望みじゃないでしょ?」
「え?」
「私達は、お互いに我慢するために結ばれたの?違うよね、お互いの望みを叶えるために結ばれたんでしょ。」
「でも、それは。」
「トキヒサは私の望みを叶えてくれる。私もトキヒサの望みを叶えるだけ。」
「俺の望みを叶えるために、アリシアに我慢してもらわないといけないかも。」
「それは我慢じゃないでしょ。ただの協力。」
「・・・アリシア。これからたくさん振り回す事になるかもしれないけど、付いてきてくれないか?」
「えぇ?ふ、ぅふふ。」
「何だよ。笑わないでもいいだろ。」
「だぁって、プロポーズの時も同じ事言ってたよ?」
「そうだっけ?」
「へ?忘れちゃってたの?」
「まぁ、」
「ヒドい。」
「すまん。」
「すまんじゃないよ。そんな大事な事忘れて、もう1回記憶を見てきなさい。」
「いや、1人じゃ無理だって。ってそんなに揺らすなって。」
「うるさい。全部見てきなさい。」
「無理なものは無理なんだよ。」
「もぅ。それで、どうしたいの?」
「クレアさんを救って、パトリックと逃してやりたい。」
「そう。」
「反対しないの?」
「前に反対したのは、トキヒサが周りに振り回されているだけに見えたから。他の人の望みを叶えるために私が我慢したくなかっただけ。トキヒサの望みなら協力するよ。」
「あの時は悪かったよ。」
「うーん。トキヒサが悪かったのかな?あっ、でも2人を助けたい理由はちゃんと聞かせて欲しいな。なんとなくわかるけど。」
「理由か。こっちに来て、テルペリオンに加護を貰ってからまともに人と話せるようになったから。みんなよそよそしいというか、距離があるというか。そんな中でパトリックだけは本音で話せた。まぁあいつも同じ気持ちだったんだろうけどな、王族だし。だから、その、困っているなら助けてやりたい。あいつは親友なんだ。」
「わかった。でも、クレアさんはどうするの?」
「まぁ、解放してもらうようにお願いして、ダメならテルペリオンとぶっ叩く。」
「えっ⁉︎それ、テルペリオン様は良いって言ってるの?」
「良いってよ。理には反しないってさ。」
「そう、なら良いのかな?」
「テルペリオンにはさ、もっと信頼しろとか言われちゃった。」
「ん、良かったね。」
「まぁな。」
「私のことも信頼して欲しかったな。」
「悪かったって。」
「・・・私ね。トキヒサと出会えていなかったら、ずっと腫れ物扱いされていたから。そこから救い出してくれて、救い出してくれたのがトキヒサで本当に良かった。」
「俺も。1人でこっちに来て、頼れる人がいなかったから。アリシアが付いてきてくれて助かった。」
「そうなんだ。良かった。それじゃぁ、明日から忙しくなるね。」
「ああ、今夜はいいものを食べに行こうか。行ってみたい店があるんだ。」
「良いよ。」
「・・・明日から、みんな引いちゃうかもね。」
「どうして?」
「いや、転移前は大人しかったから。どう思われることか。」
「気になる?」
「気にはなるけど、もういいやってなってるな。アリシアとテルペリオンは味方でいてくれるってわかったから。」
「ふふ、どういたしまして。」
「・・・それじゃ、行こうか。」
「うん。」
ご感想ありがとうございます。
※後ほど個別にも返信させていただきます。
私自身、文章の未熟さを感じておりましたのでとても参考になります。
特に戦闘についての評価は気になっていたところですので、ご意見ありがとうございます。
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今後ともよろしくお願いします。




