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炭鉱の状況と炭鉱へ行くメンバー

「ルーサ様。私から説明させてもらっていいでしょうか?」

 「いいの?じゃぁよろしく。」

 「はい。つい先ほどの話になります。炭鉱の奥からガーゴイルの群れが侵入してきたそうです。それで夜勤の方々の大半が連れ去られてしまいました。その中には皆様のお仲間も全員含まれているそうでして、」

 「待ってくれ。あいつらみんな連れ去られたってのか?ならこんなことしている場合じゃ、」

 「お待ちください。マコト様の言うことはご尤もです。ですが、朝にならないと動けない事情がございます。」

 「事情?」

 「はい。炭鉱の内部はドワーフの技術により一定の日光は取り込めますが、今は夜なので完全に暗闇です。そのため、朝からドワーフの戦士が捜索を開始する予定になっており、混乱を避けるために今は炭鉱への立ち入りが禁止されております。トキヒサ様には是非協力して欲しいとの事ですが、捜索開始時刻は合わせるように要請されています。」

 立ち入り禁止っていうのは、連れ去られた人の家族やらが各々入って混乱するのを避けるためだろうな。まっどうせ俺らだけで広い炭鉱を捜索するのは無理があるし、一緒に入った方が良さそうだな。

 「わ、わかった。九十九だけで行くのか?」

 「それはトキヒサ様がお決めになることです。」

 「ああ、まぁ、俺とエイコムかな。」

 炭鉱の中は足場が悪いだろうから、エイコムは問題ないとしてアリシアはパスかな。怪我人を治療するにはアリシアがいた方が良いんだけど、動きが鈍って見つけるのが遅れるのは本末転倒だしな。

 「俺も行く。」

 「え?でもお前は、魔力が無いだろ。」

 「ルーサに手伝ってもらえれば大丈夫だ。いいよな、ルーサ。」

 「そうね。マコトには私が加護を与えているから。炭鉱にも慣れているし連れて行ってもらえない?」

 それは初耳だな。でもな、妖精の加護って強いのか?全然わからないんだよな。

 「エイコム。どう思う?」

 「はい。動きを見ている限り問題なさそうですが、加護を使いこなせているか確認しないことには、なんとも。」

 「うーん。確認してもらえる?俺はそろそろテルペリオンと話に行かないと。」

 「かしこまりました。ではお二方、ご一緒していただきませんか?」

 「おぅ、望む所だ。」

 「アリシア。残りの2人は頼んだ。」

 「任せて。」

 さて、テルぺリオンはどんな反応をするんだろうな。


挿絵(By みてみん)


 「なるほど。そんな妖精がまだ残っていたとはな。」

 「あれ、あんまり驚かないんだな。妖精のこと信用していなかったみたいだけど。」

 「妖精は信用できん。だがまれに話がわかる奴もいる。長老がいい例だ。」

 「あぁ、なるほど。」

 「転移者はガーゴイルに襲われて行方不明、か。なかなか面白いことになっているではないか。炭鉱の中では暴れられないのが残念だがな。」

 テルぺリオンのやつ、最近暴れていないから欲求不満になってやがるな。張り切りすぎないでほしいんだけど。

 「とにかく、そういうわけだから。明日は早いし、今からリンクしてくれ。」

 「構わんぞ。」

 それじゃ早速リンクして、宿まで戻ろうか。帰り道は、もう静かになっているな。

 「それで、転移者どもはどんな様子だったんだ?」

 「どんなって言われてもな。」

 「今にも噛み付いてきそうな危ない感じではないのか?」

 「それはない。」

 「なんだつまらん。お前とは大分様子が違うようだ。」

 「あのな。俺の場合はワケわからん間に牢屋に入れられて、そこから逃げてきたんだぞ?状況が違いすぎるだろ。」

 「それもそうだな。私はもう休む。また明日な。」

 テルぺリオンは寝ちゃったのか。あいつらは7人一緒で、炭鉱仕事で体力的に大変だとはいえ、命の危険が無いだけマシだよな。さっき話したときもリラックスしていたみたいだし。

 「おーい九十九。」

 考え事をしていたら、いつの間にか宿か。というか外に出て何してるんだ?

 「どうした?部屋に入らないの?」

 「いや、それなんだがな。あそこは3人部屋だろ。寝る場所がないし、女子2人は疲れて寝ちゃったみたいだし、一緒に俺らの宿に行かないか?」

 「ああ、そういうことね。エイコムは残ってくれ。4人までならなんとかなるだろ。」

 「かしこまりました。」

 「じゃぁ行くか。」

 「おう。」

 また移動か。今日はずっと歩きっぱなしだな。

 「いやー、エイコムさんだっけ。参ったね、全然歯が立たなかったよ。」

 「あたりまえでしょ、相手はガーダンなんだから。いくら私の加護があっても、マコトじゃ太刀打ちできないわよ。」

 「そうだったのか。それで、エイコムはなんて?」

 「それがな、問題ないだろうってさ。」

 「へー、良かったな。」

 「まぁ、そうだな。」

 「エイコムが良いって言うなら問題ないさ。明日はよろしくな。」

 「おう。ちなみに九十九はエイコムさんに勝てるの?」

 「テルぺリオン無しだと勝てないな。」

 「へー、有りだとどうなるの?」

 「ちょっとマコト、そんなの聞いても意味無いわよ。この人たちの暴れっぷりときたら。」

 「え?それはどういう。」

 「やることなすことド派手だって噂よ。マコトは気にしないでいいわ。」

 一体どんな噂が。まぁいいや、さすがに疲れたし、とっとと寝てしまおう。


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