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常識的な委員長と常識的なアリシア

Q&Aについてですが、

特に読まなくても今後の話の展開は理解できますので、ご安心ください。

あくまで世界観を深堀するためのものとなっております。

 皇太子と使用人が結婚、ってできるのか?

アリシアとベンジャミンがものすごく驚いている、ってことは難しいんだな。

 「あの、パトリック様。私、やっぱり。」

 「いいんだ。俺が決めたんだ。クレアは気にしなくていい。」

 「そうですよ。そもそも好きな人と結婚できないのが変なんですから。」

 盛り上がってるねぇ。委員長、じゃなくて正木義恵か、いや合わせてヨシエ委員長でいっか。

ヨシエ委員長がそう思うのは良いとして、パトリック?

自分が何を言っているのかわかっているのか?

 「パトリック、それは。」

 「わかってる。自分が何を言っているかはわかっている。だから、トキヒサしか頼れないんだ。」

 そりゃ気持ちはわかるけどさ。でも、そういう問題じゃないよな。

 「で、どうしたいんだ?」

 「半年前のワイバーンの巣、覚えているだろ?

あの先にエルフの遺跡があるらしくって。そこならなんとかなると思うんだ。」

 「え?側室にしたいとかじゃなくて?」

 「俺はクレアだけを愛したいんだ。お前ならわかってくれるだろ?」

 だから、気持ちはわかるけどさ。そもそもエルフの遺跡って、そんなんでいいのか?

まぁ、ワイバーンの巣を突破するなら俺の手助けがあった方が良いだろうけど。

 「その後は?どうするんだ?食べ物とか運べばいいのか?」

 「いや、そこまでは迷惑かけない。自分でなんとかする。」

 なんとかって、そりゃお前1人ならなんとかなるだろうけどさ。

 「あのね、難しいかもしれないけど助けてあげて。九十九君だっておかしいと思うでしょ?相談できる友達も九十九君しかいないみたいで。」

 そりゃ、こんなこと相談できるのは俺だけだろうな。でも助けようがないんだよな。

まっここは思いとどまるようにパトリックを説得するか、っと思ったんだが。

全然引き下がらないな。

これは時間がかかりそ、ん?アリシア?

突然立ち上がってどうした?なんか怒っていない?

 「帰ってください!!」

 「ア、アリシア?別にそこまで言わなくても。」

 「トキヒサは黙ってて。私ね、お母さんがいなかったから、ずっと諦めてたんだ。でもトキヒサと出会えて、自分だけの幸せを見つけられて、とても嬉しかったの。でもトキヒサが爵位をもらえて、魔源樹にもなれて、諦めなくてもいい事がわかって。だから、これから、トキヒサと、ハーレムを作るんだから!!邪魔しないで!!」

 はい!?そこまでだったんですか!?ここにきて今日一番の驚愕が。

というか途中まですんなり入ってきたのに、最後の一言だけヤバすぎる。

ヨシエ委員長もドン引きしちゃってるし。

そしてベンジャミン?なんで泣いてんだ?お前は。

 「あの、アリシアさん?どうしちゃったんですか?」

 「うるさい!!とにかく帰って!!トキヒサを巻き込まないで!!」

 「そう、ですね。巻き込むのは良くないですね。」

 「お、おい。パトリック。」

 「いいんだ。アリシアさんの言うことはもっともだ。見送りもいい。」

 いいのか?でもアリシアに睨まれてて身動きできないな。

ベンジャミンは?ダメだ、号泣してやがる。


 そして3人とも行ってしまった。

部屋に残っているのは、俺とアリシア、それにやっと泣き止んだベンジャミンか。気まずいな。

 「トキヒサ?」

 「ん?」

 「トキヒサは、私のことどう思う?」

 「どうって、当たり前のことを言っているだけでしょ?」

 「私にとってはね。でもトキヒサにとっては違うんでしょ?」

 「それは、」

 「いいの。私、ワガママだよね。トキヒサは私だけを好きでいてくれていて、私もそういうところが好きになったのに、私たちにとっての当たり前だからって、ハーレムをお願いするなんて。」

 「・・・。」

 え?なんて答えればいいんだ?

 「アリシア様。そこまで思い詰められていたのですね(泣)」

 え?ベンジャミン?泣かないで。

 「ぐすっ。ごめんね。トキヒサはそのままでいてね。」

 アリシア!!君は泣いちゃダメだ。これは1人にしてはいけないやつだな。

パトリックのことは、うーん、授与式の日にまた相談にのってやるかな。


 

 そして授与式当日。

 正装に着替えて、作法の最終確認もして、

とっとと終わらせてパトリックとゆっくり話しますか。

ん?ベンジャミンが血相を変えてこっちに来ているんだが、何があったんだ?

 「アリシア様、トキヒサ様、一大事でございます。」

 いや、それはわかるんだけどさ、どうした?

 「パトリック殿下が駆け落ちいたしました。」

 「・・・は?」



■テルペリオンのQ&Aコーナー

Q.どうしてハーレム制度が普及したのでしょうか?

A.魔源樹から魔力を得ている事が要因だな。

親2子1の場合と親2子2の場合を比較すると、親2子1の方が子1人あたりの使える魔力量が多くなる。ゆえに積極的に1人っ子にすることで使える魔力量を増やしていこうという考えが定着していった。だが一夫一妻制で子供が1人だけだと、不慮の事故などで子孫がいなくなってしまう。これは子を失った夫婦の祖先から継承していた魔力を失ってしまうことを意味し、夫婦にとってはもちろんだが人類にとっても損失となってしまう。そのような事態を防ぐために一夫多妻もしくは一妻多夫制が採用され、貴族の片親1人に対して子を複数作ることで問題を回避する制度が作られ定着した。


Q.貴族同士は結婚しないんですか?

A.結婚する。貴族同士の場合例外的に子供を複数産むことが求められている。側室については一般女性から連れてくる事が多い。


Q.使用人が王族と結婚できないのは何故でしょうか?

A.王族については貴族よりさらに厳格で、一般女性との結婚は認められていない。貴族との結婚が義務付けられていて、相手も魔力の継承量を考慮して決められる。特に貴族同士で生まれた一人っ子が王族と結婚する場合が多い。パトリックが人類最強なのは、こうして魔力を濃縮していった結果だ。


Q.ハーレム制度は貴族だけが採用しているのでしょうか?

A.一般にも普及しているが、貴族ほど厳格に運用されてはいない。


Q.貴族はみんな強いんですか?

A.技術的な問題もあるが、少なくとも魔力量が多いという点から弱くはない。


Q.1人しか子供を産まないのであれば人口は減りませんか?

A.減っているな。一部の国では2人以上産むように強制しているらしい。


Q.テルペリオンは好きな人と結婚できないことをどう思う?

A.知らん。


Q.テルペリオンの用事って何?

A.そのうちわかる。


Q.どうしてトキヒサに加護を与えたの?

A.懐かしかったから。


Q.好きな食べ物は?

A.チーズケーキ。


Q.趣味は?

A.ジェグジェグ (ヒップホップダンス)。


高評価ありがとうございます。

また、誤字報告についても大変助かっております。


ブックマークも増えてきていることから、

みなさんにお楽しみいただけているんだなと実感しております。


引き続き完結を目指して投稿を続けますので、

よろしくお願いします。

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