第785話 雨のデメリット
縄張りから逃げて、その外に集まってた敵は一掃! うふふ、Lvも上がったし、進化ポイントもそこそこゲット!
「さーて、もう一息で縄張りを脱出です!」
強い雨で視界が悪いままだけど、再び進んでいくのさー! うふふ、索敵の反応を頼りに進んでいこー!
咲夜 : 思いっきり駆け出すと思ったけど、案外慎重だった!?
ミツルギ : 雨で塞がれた視界より、マップに表示された『索敵』頼りでの進行か。
富岳 : まぁここまで前が見えてない状況だと、それが無難だろうよ。
「ふっふっふ! そういう事ですね! 私だって、慎重に動くんですよ!」
何も考えずに駆け出すなんて事は……さっきまでしてたけど、今はしてないのですよ!
「あ、砂地になって……水の流れが出来てますね!?」
普通なら砂地なんだろうけど、なんか小規模な川みたいになってる!? これ、降った雨が流れていってるんだ!
ミナト : まぁ砂地だから、簡単にそういう流れは出来るからねー。これからどんどん水量が増して、川とも繋がって、大氾濫って感じかな?
富岳 : そもそも砂浜自体が、川から流れてきた土砂が堆積した場所だしな。川が増水すりゃ、砂地は水の底だ。
「あー、まぁそうですよね……って、ここにいるの、危なくないです!?」
待って、待って、待って!? 雨がどんどん降ってて、どんどん水量がこれから増えてきてる状態なら……どう考えても、私の辿り着いた場所って川の底に変わるよね!?
咲夜 : ぶっちゃけ、危ない場所だな!
神奈月 : 迂闊に増水した川に呑まれれば……海エリアまで強制運搬だなー。そこからの溺死……更に、ランダムリスポーンの無限ループ!
ヤツメウナギ : そうなったら……行き着く果ては、水への適応進化だな。
「それ、絶対に嫌なんですけど!?」
ぎゃー!? 何気に、サラッと恐ろしい場所へと進んでたー!? ちょっと戻ろう! 砂地じゃなくて、ちゃんとした地面のとこに!
ミナト : まぁ雨の量にもよるんだけど……今のこの雨が、どの程度降り続くかによるかな?
ミツルギ : 降る時間も、ランダムだからなー。通り雨程度の事もあれば、1時間くらい降り続く事もある。
いなり寿司 : 小雨で1時間ならいいが、土砂降りで1時間は……危険ではあるな。
「そんなところもランダムなんです!? ……いつまで降るんですかね、この雨。雷は落ちそうにないですし……」
むぅ……今の状態じゃ、どう考えても私にはデメリットしかないよ!? これ、砂浜をまともに進めないよね!?
神奈月 : いっそ、雷の適応進化を保存して、水への適応進化を取り直すのもあり?
ヤツメウナギ : あー、それもありかもな。このまま降り続いて、川が増水し過ぎると対岸に渡るのも厳しくなるし……。
こんにゃく : とりあえず、縄張りの再使用が可能になるまでは待ちじゃね? そこまで待って、状況に変化がなければ……。
ミナト : まぁそれが無難かなー? 雷が落ちないなら、これだけの雨だと『放電』自体が役に立たないからねー。
「むぅ……確かに、この雨じゃまともに放電が届く気はしませんね……」
水に触れたら流れていっちゃうんだから、この雨との相性は最悪だよ! うがー! 雷さえ鳴り始めたら、逆に猛威を発揮するのにー!
「……待つしかないなら、その間にスキルでも確認しましょうかねー」
多少は進化ポイントが溜まったはずだし、何か解放出来るスキルはないかなー? そもそも、何ポイントまで溜め直せたんだろ?
サツキ : スキルツリーの確認だー!
水無月 : 確認だー!
咲夜 : 今日のサイコロタイムが来るか!?
いなり寿司 : そうなるかは、何が解放出来るか次第だろうな。
「あはは、まぁそうなりますねー! えーと、今の進化ポイントは……90ですか。そこそこ溜まってますね!」
あっという間に無くなる量ではあるけど、それでもこれだけあれば、それなりに解放は出来るはず!
ミナト : サクラちゃんは、今はどういう方向性がご希望? 知恵はもう十分補えたから、他に回せられるよ?
「うーん、そうですねー? 耐久性も十分な気もするので、遠距離攻撃の威力を上げたいとこですかねー?」
凝縮すれば威力は上がるけど、その分だけ範囲が狭まるもんねー。近接攻撃を強化するのもありな気もするけど、器用系統を強化して遠距離攻撃を伸ばしたいかも!
金金金 : ほほう? 得意な部分を更に伸ばす方向か。
ミナト : なるほどねー。んー、それなら……器用のステータスを伸ばすのが手っ取り早いかも?
咲夜 : いやいや、ここは屈強のスキルツリーを伸ばすのもありな気がするぜ!
水無月 : 伸ばしたいのは遠距離攻撃なのに、なんで屈強なの?
神奈月 : あー、まぁそれは当然の疑問なんだが……有用なスキルがあるんだよ。
こんにゃく : 段階はかなり高いが……溜め攻撃の挙動に影響を与えるのがあるからな。あの辺は、遠距離攻撃にも有用だ。
「あ、そういえば、そんなのもありましたっけ!」
えーと、屈強のスキルツリーを開いて……確か、完全体から解放が可能になった範囲のだよね!? うん、これらだ!
「『溜めの維持』と『凝縮限界突破』と『任意解放』の3つが影響あるやつですよね!」
多分、これで合ってたはず! 私のメインの遠距離攻撃は溜め攻撃なんだから、この辺は確かに強化になりそうかも?
解放までは少し遠いけど、途中で屈強のステータスも上がるから……乱戦用にも、決して悪くはないよね!
神奈月 : そうそう、それら!
ミツルギ : どれも溜め攻撃を強化するスキルだが……今のサクラちゃんなら、『任意解放』がいいかもなー。
富岳 : 『任意解放』……溜めの最中でも、放てるようになるスキルだな。1番解放されている噛みつき系のスキルツリーのルートではあるが……それでも少し遠くはあるぞ?
「お勧めは『任意解放』ですか。これがあれば……あっ! 『獅子咆哮』が使いやすくなりそうです!」
あれ、完全に溜めてる間は動けなくなるもんね! それが途中でも放てるようになれば、使い勝手は良くなりそう!
イガイガ : 『任意解放』で途中で放てば、溜め時間が短くなる分だけ、威力は下がるぞ?
G : いや、凝縮しまくれば、下がる威力は抑えられる。まぁその分、射程も範囲も狭くはなるが……範囲を絞るには有効だぞ。
富岳 : 距離と敵の数によって、使い分けが出来るようになるのが『任意解放』の強みだな。それに、『気配隠蔽』との相性も悪くはない。
「あっ! 気配を消して、近距離で溜めつつ、1体を倒すのに十分な程度にすればいいんですか!?」
多分、こういう事だよね!? この私の解釈は間違ってないよね!?
富岳 : その認識で間違いないぞ。途中で手に入る『砕獲牙』も、性能は悪くない。
チャガ : 少し特殊な溜め攻撃ではあるんだが……まぁ有用ではあるな。
サツキ : でも、流石に進化ポイントが全然足りないよ?
ミナト : 解放に必要なのは……第9段階の『屈強+20』で進化ポイント30、第10段階の『砕獲牙』で35、第11段階の『屈強+30』で40、第12段階の『屈強+40』で50、第13段階の『任意解放』で60だからねー。
ミツルギ : 合計で、215か。90じゃ半分にも満たないな。
「うー!? スキル的には良さそうな気はしますけど、結構遠いですね!?」
これ、悩むなー!? 器用のスキルツリーなら、低い段階の方でステータスの強化がまだ残ってたはずだし、シンプルに威力を上げるならそっちでもいけるし……。
金金金 : 頭を抱えて悩み始める狐っ娘アバター。こりゃ、他の選択肢も考えてるか?
サツキ : サクラちゃん! 他に何を考えてるのー?
「あ、シンプルに器用のステータスを低い段階ので解放もありかなーって思いまして! でも、屈強のステータスが大幅に増えるのもありですよね……」
ぐぬぬ!? 今すぐに解放しなきゃいけない訳じゃないんだし、溜まり次第でやる? それとも、すぐに解放出来る範囲で器用を伸ばす? どっちにするか、すごく悩むんですけど!? これ、サイコロタイム行きかなー?
急ではあるんですが、ここでしばらく休載にさせていただきます。
詳しくは活動報告に記載していますが、ここ最近スランプ続きだったのと……飼い猫の1匹が亡くなりまして、正直、色々としんどい状態です。
復調し次第、再開はしますので……それまでお待ちいただけると助かります。




