第778話 頑健なナマコ
ふっふっふ! 突っ込んできたのを回避したら、勝手に朦朧になってるナマコがいるから、絶好の攻撃チャンス!
「行きます! 『強牙』!」
朦朧になっているナマコに、ガブっと噛み付く! ……あ、ちょっと硬い!? このナマコ、堅牢系統なんだし、不思議ではないかも?
「でも、硬くても牙は貫いてますね!」
ふふーん! これこそ、『硬質化』の効果!
咲夜 : 相変わらず、躊躇のない噛みつきっぷりだな!?
イガイガ : ナマコに噛み付くのは、割と勇気がいるものだけど……まるで躊躇がない!
G : 種族を選ばず攻撃出来るのは、サクラちゃんの強みだな!
神奈月 : ……ほんと、そこは凄いよなー。
ミナト : まぁナマコは、リアルでも食べられたりするからねー。ナマコも、ヒトデと同じでウニの仲間だったりするし?
金金金 : 確か、刺身でもいけるんだよな?
ミナト : うん、いけるよー!
「ヒトデよりかは、ナマコを食べるのは聞きますよねー?」
まぁそういう話題は置いといて、噛みついた状態から、思いっきり頭を振りかぶってて、振り下ろす瞬間に放すのです! よし、岩場の地面に叩きつけられた!
「追撃、行きます! 『強爪撃』! あ、弾かれます!?」
ぐぬぬ!? 牙はさっき貫通したけど、爪は通らないよ!?
ミツルギ : まぁ完全体の堅牢系統のナマコだしなー。そりゃ攻撃も通りにくい。
富岳 : 『硬質化』があるから、噛みつき攻撃は通るが……それ以外は厳しいだろうな。
ミナト : さっきの『強牙』で出血が入ってればよかったんだけどねー。あの辺は確定じゃないから、運次第なのが少し痛いかも?
「何気に厄介なナマコですね!? だったら、『噛みつき』!」
これなら牙が刺さるんだし、思いっきり噛みつくのです! ……うん、成功!
「わっ!? 朦朧が切れて、暴れ出し……ウネウネ動いてるだけですね?」
動き出して、暴れられるかと思ったけど……そうでもなかったね? これ、どうしてだろ?
こんにゃく : その状態のナマコ、動きようがないんだよなー。
ヤツメウナギ : 基本、ナマコの攻撃はどの系統でも体当たり攻撃に近いから……何気に0距離は、苦手だったりするぞ。
ミナト : イモムシみたいな動き方をするからねー。最初に襲ってきた時みたいに体当たりで一気に距離を詰めてくる事はあるけど、基本的に動きは鈍いよ。
「あ、そうなんですか!?」
そっか、そっか! 確かに、私のライオンの牙が刺さってる状態じゃ、イモムシが動くみたいには進めない――
サツキ : 海のイモムシみたいなのを、サクラちゃんは躊躇がなさ過ぎるよ!?
「これ、イモムシじゃないですから! ナマコですからね!?」
決して、幼虫に噛みついてる訳じゃないのですよ! ……まぁ仮にイモムシでも、必要であれば噛みついたとは思うけど!
「……それにしても、堅牢系統なだけあって、硬いですね!? HPの減りが悪過ぎます……!」
ぐぬぬ! まだ1割も減ってないのに、噛みつき攻撃以外はまともに通らないのは痛いよ!?
ミツルギ : まぁ堅牢系統だしなー。しかも、弱点が生命と屈強と器用と知恵……。
いなり寿司 : 弱点が多いって事は、その分だけ有利な部分が尖りまくってるからな。生命が少ない分、まだマシだが……。
咲夜 : 何気に素早くて、硬いナマコ!?
ヤツメウナギ : 素早さは、完全に封じられてるのが大きいか?
ミナト : 大きいとは思うよー!
「素早いナマコって、なんか嫌ですね!? あ、噛みつきが切れましたね……」
んー、ここからどうやって攻めよう? ナマコ全体が、ほぼ口の中に収まってる状態だから、このまま岩に叩きつけるのも難しそう? あ、これだ!
「0距離からなら、これもありですよね! 『放電』『放電』『放電』『放電』『放電』!」
溜められはしないけど、牙が刺さったままだから、そのまま流れていくはず!
サツキ : サクラちゃん、怒涛の連続放電だー!
水無月 : 連続放電だー!
ミツルギ : 0距離だから、回避のしようがないな。
咲夜 : おっ、麻痺ったな! これ、知恵が上がった効果あり?
チャガ : 多分な。『放電』の麻痺判定はそう高くはないが、知恵が大幅に上がった事で、成功確率は跳ね上がってるだろう。
真実とは何か : それが真実なのである!
「おぉ! 放電での麻痺が成功しやすくなってるのは、いいですね! それじゃ一度、思いっきり叩きつけましょう! えいや!」
『出血』を狙いたいけど、噛みついたままだとどうしようもないもんね! 一度離さないと、判定が出なさそうだし!
神奈月 : よし、出血が入ったか!
咲夜 : おー、ナイス!
「あ、やりました!」
ふふーん! 狙い通り、出血が入ってくれたね! それじゃ、もう一度噛みついて――
金金金 : ドヤ顔の狐っ娘アバター。まぁその気持ちは分かる。
ミツルギ : サクラちゃん、ここからは下手に手出ししない方がいいぞ!
富岳 : 確かにな。噛みつき攻撃だけじゃ、生命の削れ方が悪過ぎるし、出血での継続ダメージ狙いの方がいい。
ミナト : 麻痺が解ければ、勝手に動き回るだろうからねー!
「あ、そうなるんですか!? 確かに、動き回って弱ってくれた方が楽ですね!」
そういう事なら、変に追撃はしない方がいいかも! さっき、爪は弾かれてまともに攻撃にはならなかったしね!
「あ、麻痺が切れて……異様に早いですね!? このナマコ!?」
わー!? イモムシっぽい動きなのに、明らかに移動速度がおかしいよ!? あの動きで、こんなに速度が出るの!?
咲夜 : 流石は、弱点が知恵! 動く速度が気持ち悪いけど、その分だけ生命がすごい勢いで減っていく!
金金金 : 凄いな、この光景。小動物が駆け抜けるような速さで、岩場を這い回るナマコか……。
ミツルギ : まぁリアルの生物と同じではないからなー。
いなり寿司 : 完全体かつ、得意な方に俊敏系統があるなら……まぁこんなもんか。
富岳 : 水中なら、もっと速度が出るが……まぁ陸ならこんなもんだろ。
「水中なら、もっと速度が出るんです!? あっ!? わっ!?」
見切りに反応が出たから、跳び退いて回避ー! ふぅ、ナマコの体当たりは回避――
「ぐふっ!? あ、これ、連撃ですか!?」
ぎゃー!? 1発だけだと思ってたら、回避した後、すぐに次の1撃を受けちゃった!? わっ!? また見切りに反応が……これ、回避は間に合わない!
「『身構え』! ぐっ!? でも、この程度は踏ん張れます!」
咄嗟に身構えを使って、回避から防御に変更! ナマコ自身に動き回ってもらうのが狙いなんだし、胃袋での回復で十分間に合う程度だから、これで問題なーし!
<完全体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
<サクラ【至妙なライオン【雷】】が完全体:Lv31に上がりました>
<基礎ステータスが上昇します>
<進化ポイントを5獲得しました>
「あ、ナマコのHPが尽きましたね! ふっふっふ! 出血の状態であれだけ動き回れば、当然な結果です!」
何気に、この河口エリアに来て1体目の撃破でLvも上がってくれたのは嬉しいねー!
金金金 : ん? Lv上がるの、早くね?
咲夜 : 昨日の実況外のプレイだと、Lv30に上がった付近からは戦闘してなかったような……?
「あっ!? そこも、多分カットされてるかもです! 採集の最中、敵同士の乱戦の経験値が入ってきてたので! ……死んだ後の事ですけど」
ぐぬぬ!? 既に1件、実況外のプレイで再誕の道標への変化の部分はカットされてたのは判明したけど、こういう部分もカットされてたとは思わなかった!
ミツルギ : あー、サクラちゃん、1回乱戦で死んでたもんな。
ミナト : あの後、敵同士で潰し合った分の経験値がそれなりに入ってたんだねー。
金金金 : なるほど、そういう事なら納得だ。
サツキ : サクラちゃん、Lvアッープ!
水無月 : Lvアッープ!
「この調子で、どんどんLvを上げていきましょう! 今日の目標、Lv45ですよー!」
配信時間中に辿り着けるかは分からないけど、目指すところはそこだよね! あと、ノルマだと言われ続けてる死亡も、今日こそ絶対に回避してみせるのです!




