第756話 ウツボとのリベンジ戦
うー! エリアボスのウツボ、結構厄介っぽいのが不安! でも、ここで引くという選択肢はないのです!
「崖上の敵は、逃げていってますねー!」
ふふーん! 格上のライオンのお通りだー! 道を開けろー!
ミツルギ : この様子なら、特に問題なくウツボのいた場所まで辿り着きそうだな。
ミナト : そろそろ索敵の効果範囲に入るから、ウツボの反応を見落とさないようにねー!
「あ、はい! もうかなり近くまで来てますし、疾走はやめときましょう!」
ズサッと止まってから、普通の状態で駆けていこー! ウツボの反応はこれだから……あっ、他の敵の反応も出始めた!
「……他の敵のど真ん中にいますね、ウツボ!」
ぐぬぬ! 何も残ってないあの潮溜まりに、まだいるのを期待してたのにー! これ、完全に他の場所に移動しちゃってるよ!?
金金金 : 不満顔の狐っ娘アバター。まぁ戦闘時に、あの潮溜まりからは引っ張り出してたんだし……他所に移動するのも仕方ない気はするけどな?
咲夜 : 餌が多いところに移動するのは、当然の事!
ミツルギ : 問題は……移動した先の潮溜まりが、浅いか、深いかだな。
こんにゃく : 深いと、遠距離攻撃は届きにくいしなー。
ヤツメウナギ : こういう時は、放電連発がいいか?
神奈月 : 回復されまくるのを前提に、先に雑魚の一掃がいいかもなー。
「確かに、それがいいかもですねー! 捕食して回復するなら、その元を断ってしまうのがよさそうです!」
縄張りで潮溜まりの外へ逃げられる敵は、逃げてくれて問題なーし! 逃げられずに潮溜まりの中へ残っている敵も、あえてウツボに倒させるってのもありかも? これ、進化ポイントが手に入っていい気がする!
金金金 : ほくそ笑む狐っ娘アバター。何か思いついたっぽいな?
ミツルギ : 今の状況で思い付きそうな内容は……まぁ思い当たる事もあるが、それが上手くいくかどうかは運次第か。
咲夜 : えっ!? あのウツボで、なんか良さそうな要素なんてあったっけ!?
富岳 : 一応、あるにはあるが……実際どうなるかは、やってみないと分からんな。
チャガ : 下手すると長期戦になるが……まぁそういう意味でも、今回は『放電』は溜めずに、連射で使った方がいいだろうな。
「もちろん、そのつもりです!」
ふふーん! 他の雑魚敵と交戦状態にするのと、ウツボのHPを回復したくなるくらいに削れればいいもんねー! 反応的に、私の考えてる事は出来そうな感じだし、頑張ってやってみよー!
「あ、話してる間に到着ですね! えーと、ウツボのいる潮溜まりは……むぅ、分かりにくいですね!?」
潮溜まりが沢山あるから、パッと見じゃどれか分かんない! えーと、全然敵の反応がない潮溜まりが、前に吹っ飛ばしたところだから……今、ウツボがいるのはそこから南東に2個先の潮溜まりのはず!
「『放電』!」
咲夜 : ちょ!? いきなり攻撃……って、上に逸れた?
イガイガ : あー、今のは……なんだ?
G : さぁ?
「今のは目印です! ウツボがいるのって、放電を真上に撃った、あの潮溜まりで合ってますかねー?」
一応、皆さんにも確認を取ってみよー! 射程的には、なんとか届く範囲なのもありがたいね! 届かないと困るもん!
咲夜 : あ、そういう用途か!
イガイガ : 自分だけのプレイじゃ、ああいう真似はしないから……マジで何かと思った。
G : 配信ならではか。サクラちゃん、案外やるな?
「ふふーん! そうでしょうとも! 私だって、色々と考えてやりますからね!」
でも、肝心の答えがまだ返ってきてないよ? ウツボがいるの、あの潮溜まりで間違ってないよね?
金金金 : ドヤ顔と、不安顔が入り混じる狐っ娘アバター。まぁマップと見比べた限り、多分そこで間違いないと思うが……。
ミナト : そこの潮溜まりで間違いないよー!
神奈月 : あそこは浅いとこだな。
いなり寿司 : 浅いけど、広い場所だな。その分、潮溜まりの中にいる敵も多い。
富岳 : ウツボにとっては回復の材料が多いとも言えるぞ。
「あはは、まぁそれは仕方ないですし……むしろ、私の進化ポイントになってもらうので、別に構いません!」
うふふ! ウツボが捕食して回復するというのなら、それを逆に利用してしまえばいいのです!
神奈月 : なんか考えてたのは、それか!?
咲夜 : あー! それって周囲に敵がいればいるほど、効果的なやつ!?
金金金 : ほほう? 確かに、進化ポイントにはなりそうだし……上手くいけば、昨日の九尾の狐みたいに周りの敵が弱らせてもくれるか?
富岳 : 周囲の敵がウツボを袋叩きにする可能性もあるし、ウツボが一方的に回復の材料にするだけの可能性もある。どっちに転ぶかは……実際、やってみないと分からん。
チャガ : 縄張りの効果で、どれだけの個体が潮溜まりの外へ逃げるかにもよるからな。
「あ、ウツボを袋叩きにするって可能性もあったんです!? まぁそれはそれで、私としてはお得なので問題なしです!」
うふふ、考えてなかった可能性だけど、よく考えたら昨日の狐さんはそういう感じだったもんね! あの潮溜まりにウツボを上回る戦力がいれば、ただ食べられるのを待つんじゃなくて、数の暴力で押し切れるんだ!
「それじゃ、始めます! 『縄張り』!」
すぐに放電したいけど、少しだけ待つのです!
「おー! 潮溜まりの中から、焦って逃げ出してますねー!」
カニとかタコとか……あ、エリアボスじゃない別のウツボまで出てきた! むぅ……こうして見ると、ヘビが動いてるみたいに見えるよねー。
金金金 : おー、見事に逃げまくってんなー。でも、魚系統は逃げられず、潮溜まりで暴れまくってんだな。
水無月 : あ、でも、飛び出てくる魚もいるんだ!
ミナト : 飛び出て、縄張りの外の他の潮溜まりまで行ければいいんだけどねー。そうじゃなければ、また飛び出て、最終的には死んじゃうから。
ヤツメウナギ : 潮溜まりでは発動するだけで一定数の敵を仕留める事が出来るのが『縄張り』だったりもする。まぁ時間がかかるし、自分が格上じゃないと意味がないから、割に合わないけどなー。
「え、そんな事も出来るんです!? というか、現状がそうなってるんですね!?」
あちこちで、ピチピチと跳ねてる魚がいるし……縄張りの効果範囲内だったら、他の潮溜まりに移動しても逃げようとするのは変わらないもんね。
そっか、そっか! そのうち、逃げ場がなくなって、地上で死んじゃうんだ! 怯えて自殺しにいってるんだ! 私が原因だけど!
「さーて、そろそろ攻撃を始めましょうか! 『放電』『放電』『放電』『放電』『放電』!」
既に交戦状態にはなってるけど、ウツボのHPは全然減ってないもんね! そもそもまだ姿を見てないし、まずは引っ張り出すのです!
サツキ : サクラちゃん、放電を連発!
水無月 : 放電を連発!
こんにゃく : あ、麻痺って魚が1匹、浮いたな? あっ!
咲夜 : ウツボがガブっと、食いにいった!?
ミツルギ : 早速、回復に使ったみたいだな。
富岳 : 生命系統だが、堅牢は弱点だからな。生命は多いが、ダメージ自体は通りやすいぞ。
「即座にHPが全快されちゃってますけどねー。とにかく、ひたすらHPを回復してもらいましょう! 『放電』『放電』『放電』『放電』『放電』!」
それで、周囲の敵に噛みつきまくればいいのです! 麻痺した魚も、即死した訳じゃないから麻痺が解ければ、ウツボに攻撃する――
<完全体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
「あっ!? もう、噛みつかれてた魚が死にました!? ちょっと仕留められるの、早くないですかねー!?」
何もせずに、ただ仕留められてるんじゃなーい! 反撃をしてください、反撃を!
神奈月 : 麻痺してるのに、無茶を言う!?
こんにゃく : そもそも、相手は格上のエリアボスだから!?
ヤツメウナギ : 今のは、無茶振りが過ぎる!
「……まぁ流石に麻痺してると、厳しいですかねー?」
そもそも麻痺させたの私だし……うん、まぁ今のは仕方ないって事で! 他の敵達は、頑張って下さい! 私の進化ポイントと、エリアボスの撃破の為に!
「ふっふっふ! リベンジ、開始です!」
「あー、まぁ頑張って?」
「なんか不穏な反応な気がするんですけど……?」
「まぁ厄介な構成ではあるからね。苦労するかも?」
「ぐぬぬ!? でも、意地でも仕留めますから!」
「サクラの健闘に期待かな? さて、次回は『第757話 周りを巻き込んで』です。お楽しみに!」
「絶対に仕留めてやりますよー!」




