第738話 2回目の宣伝
さーて、サイコロで決めた分の解放は済ませたし、2回目の宣伝をやっていこー! 浴衣は着ている今の状態が、もう宣伝になってるから、優先はこっちだねー!
「それでは、今日の宣伝、2回目をやっていきますね! 今日はこちら……『甘味処・うえむら』さんからご提供の『みたらし団子』です!」
うふふ! そう説明しながら、試食データを取り出していくのさー! 一緒に、ホームページも大々的に広げて……うー、やっぱりこのみたらし団子、美味しそう!
サツキ : お団子の宣伝、2回目だー!
水無月 : 2回目だー!
金金金 : 既に注文済みだ!
神楽 : 同じく! うちの子、食べてくれればいいんだけどねー。
ミナト : あはは、結構買ってる人が出てるみたいだねー?
富岳 : 宣伝効果はバッチリか。
「そうだと、いいんですけどねー! 和菓子系を食べないのは、勿体無い気がしますし!」
あんこが苦手って話題も出てたけど、それが食べず嫌いなら損してる気がする! まぁ本当に苦手なら、無理に食べろとも思わないけどさー。
「まぁ色々な種類のお団子はあるようですし、通販にも対応していますので……これ、私も個人的に頼みましょうかねー? あんこやきな粉、よもぎとか、色々と種類がありますし! まぁ店舗でしか提供出来ないものもあるようですが……」
おしるこやあんみつ、宇治金時のカキ氷とかが通販非対応なのは仕方ないよねー。あ、そうだ! 今度、部活で
高校に行く時におやつで持っていこうかな?
いなり寿司 : サクラちゃん、それを今ここで言って大丈夫か? サツキさんが反応しそうだけど……。
「……え?」
サツキ : ふっふっふ! サクラちゃんが気に入ったのなら、全種類を即座に私が注文して……痛っ!? えー! なんで叩くの!?
いなり寿司 : 全種類までは、まぁいいとして……何セット頼む気でいた?
サツキ : とりあえず、5セット? あ、痛!? 多いって、現場の手土産に持っていく時はこのくらい……ぎゃー!? また正座なの!?
ミツルギ : あー、これ、どういう状態?
いなり寿司 : サツキさんの手土産、いつも量が多いんだよ。まぁよくある事ではあるんだが……。
サツキ : だって、足りなくて変な空気になるよりは……わー!? みんな、よくある事って言い過ぎー!?
咲夜 : うぉ!? 音声なしのコメントで、納得する人が多いな!?
ミナト : ……あはは、知ってる人からすると、いつもの事なんだね。
「あー、まぁそれは確かにありますねー。私も色々と覚えがありますし……」
でも、これはこれ以上追求しても仕方ないかな? 聡さんが止めてくれるだろうし……お団子の詰め合わせ、5セットはどう考えても多い気はするけども!
うーん? でも、部活に持っていくなら、それほど無茶な数でもない? まぁ今はいいや!
サツキ : うー! 分かった! なら、お団子の詰め合わせを1セット、贈るだけにしとくから! それならいいよね!?
イガイガ : ……サツキさん、宣伝なのを忘れてないか?
ミツルギ : なんでサクラちゃんにお団子の詰め合わせを送る量の話になってるんだ?
ミナト : 配信中にする話ではない気がするよね。
「そうですよ、サツキさん! そういう話は、配信外で
よろしくお願いします!」
本当、なんで配信の真っ最中に言ってくるのかなー? 姉さんらしいと言えば、姉さんらしいけどさ!
まぁ姉さんが送ってくるか、自分で買うかはまた後で考えるとして……今は宣伝を続けていこー!
「まぁ色々とラインナップはありますが、今回のご提供はこの『みたらし団子』ですね! もう1回は食べているので、美味しいのは分かりきってますけど……改めて、いただきます!」
という事で、ガブリと食べるのです! んー、甘辛いタレも、もっちりした食感もいいね!
金金金 : やはり、美味そうに食べるなー。
ミナト : こうして見てると、食欲をそそられるんだよねー。
水無月 : お団子かー。うー、お金にあんまり余裕はないんだけど……食べたくなってきた!
あっ!? 水無月さん……というか、結月ちゃん、ここでその発言は危険だよ!? 姉さんが見ているのに、そんな事を言ったら――
サツキ : もがっ!? ぷはっ! え、今、なんで止められたの!? ……あっ! そういう理由!?
ミツルギ : ……今、何があった?
いなり寿司 : 何か余計な事を言い出しそうなのを察知して、それを事前に食い止めたってとこだろうな。
金金金 : サクラちゃんも少し強張った表情になってたから、何か危うい発言の可能性があったのか? だが、そんな要素はあったか?
ヤツメウナギ : そういや、水無月さんはサクラちゃんのリアル知り合いって話がなかったか?
神奈月 : あ、そんな話もあった気がする? ……なるほど、それならサツキさんが大々的に団子を送る流れに戻りかねないから、止めたのか。
「あはは、まぁその辺は気にしないで下さい!」
慌てたけど……そもそも、もうそこは気付かれてたんだったー!? でも、姉さんが更に脱線させるような状態は防げたはず! リアル関係の話題は広げ過ぎない方がいいだろうし、話題を元に戻す……より、先に進めた方がいいかな?
他にも宣伝はあるんだし、ササっとお団子を食べて話題変更だー! ……うん、お団子、美味しいね。
「みたらし団子、ご馳走さまでした! かなり美味しかったので、気になる方は『甘味処・うえむら』さんの通販をご検討下さい! 行ける距離の方は、直接お店に行くのもいいかもですねー!」
今回の試食データは、焼き立ての暖かさはなかったから……店頭での焼き立てのみたらし団子も食べてみたいかも? まぁそれは別の機会にという事で……。
「さて、もう一件の宣伝ですね! 今、私が来ているこの浴衣もその一環ですが……次はこちら! 『ユーカ呉服』さんの、レンタル浴衣になります!」
表示しているホームページを『甘味処・うえむら』さんのから『ユーカ呉服』さんの方に切り替え!
ミツルギ : 今回は、ちゃんと表示を間違えずにやってるな。
イガイガ : そういや、1回目の宣伝の時は、入れ替わってたっけ。
神楽 : え? そんな間違いがあったんだ?
「そこは思い出さなくていいですから!? ともかく、今、私が着ている浴衣も『ユーカ呉服』さんのご提供の物になりますねー! 1週間の日替わりで着替えていくので、どれがいいかのリクエストは、今日の配信の最後で受け付けます!」
その為に姉さんが準備してたって断言されてるし、その辺は気にしない! もうその辺は受け入れたもんね!
金金金 : ……くっ! ちょいちょい眺めてはいるんだが……候補が多くて、絞り切れん!
G : 配信の最後にリクエストだからな……。普通の浴衣もいいが、ドレス風にアレンジされている浴衣もありか?
ミナト : 今着てるのは、白を基調にした青い金魚模様だから、雰囲気が被らないのがいいかもねー。
咲夜 : こう数があると、リクエストも悩む……。
神奈月 : これ、何気に自分の好みを伝える事にもなるから、若干気恥ずかしいんだが!?
金金金 : そう思うなら、リクエストしなければいい! その分、俺らのリクエストが通りやすくなる!
G : そうだ、そうだ! 気恥ずかしいと思うなら、そのまま引っ込んでくれてていいぞ!
こんにゃく : この欲望まみれなのも、どうなんだ……?
ヤツメウナギ : でもまぁ、サクラちゃんがリクエストを受け付けてるんだからなー。それを駄目と言うのも、何か違う気がする……。
サツキ : そうとも! 何が好きかなんてのは、恥じる必要はないんだよ! 思うままに、リクエストすればいいの!
「あ、サツキさんのリクエストは今のこれなので、2つ目は受け付けませんからねー!」
これははっきりと言っとかないとね! 絶対、姉さんは更に追加でリクエストしてきそうだし!
サツキ : えー!?
ミツルギ : ある意味、当然の処置だよな。
イガイガ : まぁ既にリクエストが通った人は、除外だよなー。
金金金 : 確かにな。誰かと被った場合は別だが、そうじゃなければ、サツキさんの採用は無しで当然!
G : 文句を言う余地はない!
サツキ : うっ!? みんなして、酷くない!? このリクエストを受け付ける状況を作ったの、私なんだよ!?
咲夜 : それはそれ、これはこれだな!
真実とは何か : それこそ、真実なのである!
「あはは、まぁそういう事ですね! それじゃリクエストは配信終わりに聞きますので、宣伝はこの辺りで終了しますね! 続き、やっていきましょう!」
あんまり宣伝って感じの内容じゃなかった気もするけど、今着てる事自体に意味があるんだし、これでいいはず! 2回目の宣伝だし、1回目よりも軽めでいいよね?
「日替わり浴衣、いいですよねー!」
「満足そうで何より。あ、サクラ、着てみたい服とかある?」
「……その質問、ちょっと怖い気がするの、気のせいですかねー?」
「なんで怖がる必要が……?」
「言った服、着せようとするつもりですよね!?」
「あのー、希望を聞いてるんだから、何も悪い部分はないと思うんだけど……」
「……え? あ、よく考えたらそうですね!?」
「なんでそんな変な誤解をした?」
「多分、姉さんのせいですね! 好きなのを聞いているようで、結構好みを押し付けてくるので! セットで用意してくるのが、何気に厄介なんです!」
「あー、そういう……何やってるんだろうね、あの姉は。さて、次回は『第739話 改めて、海岸へ』です。お楽しみに!」
「まったく、姉さんはマイペース過ぎますよ!」
「……サクラがそれを言うのはなー」




