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Relay:Monsters Evolve ~ポンコツ初心者が始める初見プレイ配信録~  作者: 加部川ツトシ
第19章 完全体、強いです!

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第731話 海を前に


 なんか知らないところで、変な形で話題になってたみたいだけど……これ、私自身は特に関係ないよね!? まぁそもそも、音声なしのコメント欄はほぼ見てないから……うん、気にしない!


「もう少しで、海を見渡せますけど……海岸エリアって、どこまでが範囲なんです?」


 海岸なんだから、そこまで遠くまでにはならないはず!


ミツルギ : あー、それは場所による。

ミナト : 遠浅な場所もあれば、急激に深くなる場所もあるからねー。まぁエリアの基準としては、四足歩行の大型種族の足が着く範囲までってところだよ。

富岳 : サクラちゃんのライオンは、丁度その基準に当てはまるから、分かりやすくはあるぞ? まぁ基準は幼生体になるから、完全体からすれば少し浅めにはなるけどな。


「おー! そういう基準なんですか!」


 そっか、そっか! ライオンで歩いて進める範囲までが、大体の目安になるんだね! それ、どこで深くなるのか分かんないと意味なくない!? むぅ……マップが解放にならなきゃ、明確には分かんないのかも?


咲夜 : そのラインを越えれば、その先は海エリアだな!

イガイガ : 海エリアになれば、もう全くの別物と考えていいぞ!

こんにゃく : 湖エリアの、超広い版だからなー。


「あ、それはどう考えても別物ですね! んー、流石に海エリアへの進出は……ちょっと悩みますね?」


 行ってみたい気持ちはあるけど、どう考えても今のライオンのままじゃ厳しいもん! 水への適応進化をすれば、多分どうにかなるとは思うけど……。


「あ、切り立った崖の上に到着です! 海、どうなってますかねー?」


 ふふーん! 遠くに広がっている海は見えてたけど、この崖下はどうなってるんだろ? 落ちないように気を付けながら、見下ろしてみるのさー!


「あっ! ゴツゴツした岩場がありますね!? これ、普通に行けそうです!」


 わー! 激しい波が打ちつけてて、全く降りられらないかと思ったけど……意外とそうでもなかった! うふふ、かなり楽しみになってきたかも!

 降りられそうな場所は……んー、ちょいちょい平坦な場所はあるから、そこを跳び移ればいけるかな? でも、広めなのは少し離れた位置だねー。


ヤツメウナギ : この辺は磯場だなー。

ミナト : これまでとは全然違う種族が多いし、ライオンでも比較的、探索は可能な場所だよ!

こんにゃく : 貝やら、タコやら、イソギンチャクやら、ウミウシやら……まぁ色々とだな。

富岳 : ただ、注意点としては……渓流エリアと同じだな。滑りやすいから、気を付けた方がいい。


「ここ、滑りやすいんです!? ……まぁ、海辺ですし、それはそうですよね!」


 こういう場所は、滑りやすいのに要注意! って、あれ?


「それなら、やっぱり『移動守護』はあった方が良い気がします! 今、進化ポイントが結構あるはずなので、ちょっと解放出来ないか確認してみましょう!」


 ふふーん! 足場が悪くとも、それを補うスキルがあるんだから――


イガイガ : サクラちゃん、それは必要ないぞ!

G : そうだ、そうだ! そんな事をしてしまえば、折角の転ぶ展開が劇的に減ってしまう!?


「それを防ぎたいから、欲しいんですけど!? えーと、今の進化ポイントが189ほどありますね!」


 思った以上に進化ポイント、溜まってた! イガイガさんとGさんの意見はスルーで! 転んでるのを変な風に参考にされたりしたのが分かった上で、見せ場として残すとかやりたくないよ!


イガイガ : くっ!? これは止められないか!?

G : 誰か! 誰か、サクラちゃんのそのスキルの解放を止める手段はないか!?

神奈月 : いやいや、いくらなんでも必死過ぎない?

ミツルギ : 気持ちが全く分からない訳じゃないが……サクラちゃんが、『移動守護』を欲しがる理由も分かるしなー。

いなり寿司 : 変な形でeスポーツ勢の目に留まったのも、一因だろうしな。

イガイガ : おいこら、eスポーツ勢! オンライン版へ流れ込むだけじゃなく、オフライン版の配信にまで影響を出すんじゃねぇ!

G : 失敗例として参考にするのはいいが、せめてサクラちゃんの目の届かないところでやれ! コメントであれこれ、反面教師的な内容を書いてるんじゃねぇよ!

神楽 : なんかおかしなキレ方してるよ!?

ミナト : 言いたくなる気持ちは分かるけど、変にコメント欄を荒らさないの!

富岳 : そうだぞ。あまり目に余るようなら、俺らの方で通報するからな。eスポーツ勢、そっちもだ! ちょっとは自重しろ。

神奈月 : そうだ、そうだ! 楽しく配信を見てるのに、サクラちゃんに迷惑をかけるな!


「冗談抜きで、変に荒れるようなら……本当にブロックしますよ?」


 そういう事はしたくないけど、あんまり酷くなると、悪化しちゃうもんね。そうなる前に対処するのは、配信をしている私の義務!


イガイガ : ……くっ! これは……仕方ないか。

G : 今回は……受け入れるしかないのか……。いや、でもそれでもサクラちゃんはやらかしてくれるはずだ!

咲夜 : そこ、期待はまだ残すんだな!? いやまぁ、確かに何かやりそうではあるけどさ。

真実とは何か : 真実は如何なるものになるのか!?


「安定させた上でのやらかしって、一体なんですかねー!? ともかく、今回は解放させてもらいます!」


 決定権は私にあるんだから、そういう文句は聞かないもん! えーと、『移動守護』は『守護増強』の先にある第13段階だから……開放すべきなのは第11段階の『堅牢+30』で進化ポイント40、第12段階の『堅牢+40』で進化ポイント50、第13段階の『移動守護』で進化ポイント60だから……うん、足りる!


ミツルギ : あ、普通に進化ポイント足りてるな?

ヤツメウナギ : 昨日の実況外のプレイで、結構稼げてたしなー。

サツキ : サクラちゃん、『移動守護』を解放だー!

水無月 : 解放だー!

いなり寿司 : 何気に、途中のステータス強化もあるから、堅牢がかなり上がるな?

神奈月 : これ、一気に硬くなるんじゃ?


「あはは、耐久性も上がるのは良いですね! それじゃ、解放していきますねー!」


 うふふ、今回は迷う余地はなし! すぐにでも役立ちそうな場所が目の前に広がってるんだし、サイコロタイムも無しで確定なのですよ!


<『堅牢』第11段階:ステータス強化『堅牢+30』を解放しました>

<『堅牢』第12段階:ステータス強化『堅牢+40』を解放しました>


 ふっふっふ! これで堅牢が70も上がったし、かなり耐久性が上がったはず! おまけで得る効果だけど、おまけってレベルじゃない気がするね! そして、次が本命だー!


<『堅牢』第13段階:スキル『移動守護』を解放しました>


 やったー! これで、転ぶ事は無くなるのですよ! 進化ポイント150も使ったけど、それだけの価値はあるはず!


「それじゃ、早速下まで降りていきましょう!」


 うふふ、切り立った崖だから、ほぼ道なき道をどうやって進もうかと思ってたけど、これさえあれば悪路も悪路ではなくなる……って、あれ!?


「ぎゃー!? え、なんで!?」


 待って、待って、待って!? 少し平坦な場所へ飛び移ったら、思いっきり踏み外したんですけど!? え、『移動守護』の効果は発揮してないの!?


イガイガ : あ、全然心配いらなかった?

G : いきなりやらかして……そこまで早いとは思わんかったな。

ミナト : あのー、サクラちゃん? ある程度の悪路での移動に補正はかかるけど……物理的に、踏み外したのまでは補正し切れないからね?

富岳 : 今のはどう考えても、ライオンで着地するには狭過ぎな足場だ……。『移動守護』の効果を過信し過ぎだぞ。

咲夜 : サクラちゃん、流石だな!

こんにゃく : まさか、そのルートで強引に進もうとするとは……。そこ、小動物系じゃないと、狭くて無理なやつ!

ヤツメウナギ : 少し南に行ったところに、ライオンでも降りていける場所があったのに……てか、さっき見てたよなー!?


「ぐふっ! ぎゃー!? 思いっきり出血になってるんですけど!?」


 落下自体では死んでないけど、落ちてくる際にあちこちぶつけて、切り傷だらけだー!? わー!? 折角、満タンにした胃袋が消費されちゃってる!?


「チドメグサ! 早く、チドメグサを!?」


 急げ、急げ、急げー! 早く治療しないと、凄い勢いでHPが減っちゃってるよ!? 胃袋の分で回復してはいるけど、これは危険なやつ!?


「前回、作者さんがここを書き忘れていたのは申し訳ありませんでした! 折角の私の出番がー!」

「……このコーナー、そんなに楽しみにしてる人っている?」

「そんな事を言って、私の出番を無くそうなんてのはさせませんからね!」

「いやいや、サクラは本編でガッツリと出番があるのに、ここに固執する理由って何さ!?」

「どこよりも、自由に好き勝手に動けるからですけど! 最近、めっきりカンペは無くなりましたし!」

「あー、まぁあれはもう、どうでも良くなったというか……元々、評価をねだるのって、好きじゃないからね」

「なので、今は私の自由の場!」

「こことか関係なく、自由にやってない?」

「という事で、お年玉を下さい!」

「いやいや、まだ年は開けてないから! 今日、大晦日だから!」

「何を言ってるんですか、作者さん! 今年の分、まだ貰ってませんよ!」

「無茶苦茶な事を言ってるね、この主人公!? ……さて、次回は年を明けてからの『第732話 磯場に到着』です。今年も色々とお世話になりました。来年もよろしくお願いします」

「良いお年をー! さて、作者さん、来年こそはお年玉を貰いますからね!」

「……さて、次回はサツキでも呼ぶか」

「ぎゃー!? それはややこしくなるので、やめて下さい!」

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