第729話 完全体の進化の種類
死亡がノルマなんて不名誉な状態、今日で脱してみせるのさー! 『縄張り』を使っても『逃走』で逃げられそうな予感もしてきたし……これ、実際に後で試してみよっかな? でも、今はこっちが先だよね!
「それじゃ、道を作っていきましょう! 破壊の咆哮、発射です!」
昨日は無意識に凝縮するなんて事もあったけど、今日はそうはなってないのですよ! マップがまだ見えないのは痛いけど……見えてる範囲の敵を、これで一掃するのさー!
<完全体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
<完全体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
<完全体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
<サクラ【至妙なライオン【雷】】が完全体:Lv16に上がりました>
<基礎ステータスが上昇します>
<進化ポイントを5獲得しました>
<完全体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
<完全体を撃破しました>
<進化ポイントを2獲得しました>
ふふーん! 敵、5体ほど撃破! Lvも上がったし、幸先はいいね!
「これで私の行く手を阻む敵はいませんし、進みやすくなりましたね!」
元々、草原っぽい雰囲気だし、視界は開けてるもんね! うふふ、海に面してるっぽい切り立った崖の上までのルートはこれで確保完了なのですよ!
サツキ : サクラちゃん、邪魔な敵の一掃完了!
水無月 : 一掃完了!
ヤツメウナギ : やっぱり、破壊系統のスキルは威力が凄まじいな。
ミツルギ : 見通しも良い状態だから、マップが機能してなくても、大体倒せたのも大きいか。
ミナト : 空を飛んでるカモメは生き残ってるけど、まぁあれはヤタガラスと違って普通な個体だから、それほど危険じゃないしねー。
「あ、今気付きましたけど、カモメが飛んでるんですね! Lv16の『鋭敏なカモメ』ですか。『鋭敏な』って、俊敏系統の進化で合ってましたっけ?」
確か、昨日のタヌキがそうだったよね? でも、まだいまいち完全体の進化系統の名前が把握し切れてないから、ちゃんと確認で!
こんにゃく : 『鋭敏な』は俊敏系統で間違いないぞー!
富岳 : 折角だし、一度その辺の整理をしとくか? 昨日、一通りは出てきてるが……状況的に、サクラちゃんは余裕を持って見れてないだろ?
咲夜 : あー、ヤタガラスに大勢の敵をけしかけられたり、九尾の狐に追い回されたりしてたもんなー。
ミナト : 提案自体には賛成だけど、サクラちゃん次第かなー? 説明、いる?
「その説明、欲しいです! というか、全部出てたんですね!?」
まぁ乱戦はやったんだから、出てない方がおかしいよね! うん、ここはおさらいという事で、まとめて説明をしてもらっちゃおう!
ミツルギ : おし、サクラちゃんの許可が出たか!
富岳 : なら、順に説明していくぞ。まず、生命系統だが、これは『活力の』になる。
ミナト : 生命のスキルツリーはどのルートを進んでても、生命自体が多いし、再生能力が高くなるから、その辺が注意点だねー!
咲夜 : へ? え、特徴補足もあり!?
ミナト : まぁ基本は完全体までと同じではあるけど、最低ランクの保証が変わってくるからねー。おさらいのつもりで聞いてくれればいいよ?
「あ、はい! 分かりました!」
私で言えば『胃袋拡大Ⅲ』まで持ってるようなものだから……ただでさえHPが多いのに、更にそこから1.5倍になるって考えたらいいのかも! それ、どう考えても厄介だよねー。
「あ、そういえば胃袋、空っぽでした!? 果物を食べて、補充しときましょう!」
折角の実質的にHPを増やせるスキルなのに、空っぽにしてたら意味がないよ! 食べる余裕がある時に、満腹にしとかないと! という事で、果物を食べていこー!
金金金 : まぁ折角あるスキルなんだから、活用しない手はないか。
いなり寿司 : ちょいちょい、空っぽのままで戦ってたりするしな。あれは地味に勿体ない……。
ミナト : 回復させる余裕がない時もあるから、仕方ない側面もあるけどねー。
富岳 : 食べながらでいいから、次に行くぞ。屈強系統の進化だと『剛健な』になるな。これは何度か見てるから、分かるだろう。
ミナト : 近接攻撃の威力に直接影響する部分だから、進化系統でなくてもこれが高い個体の近接攻撃には要注意! 溜め攻撃は即死級だからねー!
「あはは、まぁ確かにそうなりますねー! 殺意が高いやつです!」
一撃だけでもエゲツない威力をしてるから、本当に気を付けないと! 胃袋は……何個か果物を食べないと満腹にはなりそうにないね? レンコンみたいに一気に大量に回復するアイテム、今はもうないもんねー。
富岳 : 次に堅牢系統だが……これは『頑健な』になる。昨日の桜の木なんかが、印象的なやつだな。
ミナト : これの特徴は何といっても、防御力が高くてダメージの軽減率が凄い事! まぁそれを突破する手段は、いくつか知ってるよね?
「あ、はい! 毒とか出血とかの継続ダメージや、昨日解放した『硬質化』とかですねー! 意外と、対応策があるもんです!」
うふふ、昨日の実況外のプレイで試したけど、かなり有効だったもんね! 小さな種族なら、噛み付いておけばどうにかなりそうだし! むしろ、大きな種族の方が厄介かも?
神奈月 : こうして聞いていると、普通に遭遇してんな? あー、でも生命系統はそうでもなかったか。
イガイガ : 一応、ヤマタノオロチが生命系統にはなるんだろうけど……あれは特殊だしなー。
G : 幻獣種は系統の分類に入ってこないから、例外扱いだろ。
ミナト : あはは、まぁそうなるだろうねー。
富岳 : ま、今は幻獣種の事はいいだろうよ。さて、次は俊敏系統だが……これはさっき話題に出た『鋭敏な』になるぞ。
ミナト : ある意味、最重要な部分かもねー? どれだけ高威力な攻撃でも、当たらなければ意味ないしさ。逆に、どれだけ威力が低くても、ダメージさえ入るならどこかで絶対倒せるからね!
咲夜 : また出た!? 超上級者の、無茶苦茶な理屈!?
ヤツメウナギ : 理屈の上では分かるんだが、実際出来るかどうかは別なんだよな……。
「……あはは、確かにそうですよねー。でも、俊敏が足りてない状態になってきてるのは実感してますし、どうにかしないとです……」
進化ポイントは結構溜まってるはずだし、その辺の補いも考えた方がいいのかも? でも、まだサイコロタイムに入るには早過ぎるんだよねー? もうしばらく、進化ポイントを溜めてからにしようかな?
富岳 : 次は……まぁ言わずと知れた、サクラちゃんの進化系統である器用系統だな。これは『至妙な』だ。
ミナト : ここの説明は不要な気がするけど、まぁ遠距離攻撃に特化した部分だねー! ただし、どんな遠距離攻撃を持つかは、種族によって大きく変わってくる部分!
こんにゃく : キツネなら火、魚なら水、手が使える小動物なら投擲とか……まぁ色々あるからなー。
「あはは、まぁそこは私自身が進化してる系統ですし、よく分かります!」
さっきの『破壊の咆哮』も、凄い威力だったし! 四足歩行なら、私のライオンみたいな系統の遠距離攻撃になるんだろうねー。
そうしてる間に、胃袋は一杯になった! ふふーん! これで、HPは1.5倍になったようなもの! それだけ、生存率は上がるのですよ!
富岳 : 最後は知恵系統だが、これは『機知な』になる。これに関しては、まともに見れてないだろ?
ミナト : 知恵系統の場合は、色々な部分を便利にするスキルが含まれてるから……スキル的には脅威にならない場合もあるんけど、総じて知恵のステータスは高いから、状態異常はほぼ効かないと思っていいよ! あと、行動パターンが賢いのが特徴!
咲夜 : 知恵の厄介な個体の極みが、あのヤタガラス……。
ミツルギ : 知恵の2ルート解放の個体だからなー。てか、幻獣種を含めば、全系統と遭遇はしてたか。
金金金 : 生命系統の『活力の』と知恵系統の『機知な』はまともに見れてなかったし、いいんじゃねぇ?
水無月 : 乱戦中だと、見てる私達でも確認しにくいもんね! 整理してくれて、まだはっきりと出てなかったのがよく分かった!
いなり寿司 : ま、どこかで整理しとくべき内容だったしなー。
「まともに知ったのが2種類ありますし、聞いてよかったです!」
ふふーん! 正直、生命系統と知恵系統はすぐに分かりそうな名前だったけど、これで初登場でも聞かずに済むのです! まぁ既に登場はしてたみたいだけど、私がしっかりと認識は出来てなかったもんね。
あとはこれに加えて幻獣種がいるのが、完全体の種類なのはよーく分かった! あ、あと、適応進化済みのがたまーに出てくるくらいかな? これまでも少数だけど出てきてたんだし、完全体でも出てくる可能性はあるよね!
「さーて、胃袋も一杯になりましたし、海へ向かいましょうか!」
食べてる間の話題にもなったし、丁度よかったね! それじゃ、ここから本格的に探索開始なのですよ!
「……情報整理にはなりましたけど、忘れそうになります!?」
「いやいや、そこは覚えてね!?」
「でも、皆さん、割と『○○系統』って呼び方が多くないです?」
「まぁその方が単純に分かりやすいからで……」
「そうですよねー! なので、覚えなくても大丈夫です!」
「おーい!? それはいくらなんでも、雑過ぎない!?」
「伝われば問題ないんですし、大丈夫ですよ!」
「……まぁ確かに、伝わればそれでいいけどさ。さて、次回は『第730話 知らないところで』です。お楽しみに!」
「……え、何かあるんです?」




