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Relay:Monsters Evolve ~ポンコツ初心者が始める初見プレイ配信録~  作者: 加部川ツトシ
第19章 完全体、強いです!

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第722話 買い物に出掛けて


 お昼を食べ終えて、駅3つ分くらい離れたとこにある大型のショッピングモールへとやってきた! ここ、何気に初めて来るかも?


「楓、ここはよく来るんだよね?」

「まぁ今の家の、最寄り駅ではあるからね」

「あ、楓さんの家ってこの辺なんだ!」

「そういう事になるね。まぁここから、少し離れてはいるけどさ」

「そっか!」


 高校と私の家の真ん中くらいにある場所だけど、いつも使ってる路線だもんね! うん、楓さんを同じ電車で見る事はあったんだから、特に不思議でもなんでもなかったよ!


「さーて、それじゃ美咲ちゃんの服を買いに行こー!」

「衣料品売り場は色々あるけど……あぁ、そういえば予算はどれくらいになるんだい?」

「あ、予算は考えてなかった!?」


 その辺、どうしよう!? 今、一番懐は温かい状態だから、ちょっと奮発しちゃう? でも、あんまり高価なのを買いまくる気はないし……。


「……言い方を変えようか。美咲、いくらまでなら出せるんだい? 気に入ったのがあれば、その範疇で買うって方向性にしたいんだけど……」


 はっ!? そうだよね! 値段も気にしないといけないけど、何よりも私が気に入るかどうかが最重要! えーと、今、使える額は……これ、普通の高校生が使えていい額を超えてる気もする? 


「……楓さん、ちょっと耳貸して」

「ん? 言いにくいような額なのかい?」


 少なくとも、他のお客さんに聞こえるように伝えていい額ではない気がする! 宣伝費で、何気に凄い額になってるし! という事で、コソコソ話で伝えていくのです!


「……ちょっと待った。そんなに持ってるのかい?」

「あはは、昨日やってたアイスの宣伝みたいなの、何件かもうやってて?」

「……あれで、下手なアルバイトより、稼ぎまくってるんだね」


 うふふ、私としてもこんな状態のなるのは全く予想をしてなかったからね! でも、自分で稼いだお金なのは間違いないし、こうやって買い物で使って経済を回すのも大事!


「ただ、無駄遣いはさせらせないし、過度な贅沢は後が大変になるからね。比較的、安価なところにしておこうか」

「その方が良さそう! というか、美咲ちゃん……葵さんにお高い服は買ってもらってそうだし!」

「……え?」

「ほら、前にお姉ちゃんを訪ねに来てた時があったじゃん! あの時の服、結構するよね!?」

「あれ、お高いの!?」

「少なくとも、安物には見えなかったよ!」

「……そうなんだ?」


 結月ちゃんと初めてまともに話したあの日に来てたのは、確かに姉さんが買ってくれた外出用の服だけど……私にお小遣いを渡し過ぎそうになる姉さんが選んだ服が、安物なはずがなかったー!?

 というか、ファッションデザイナーさんも友達にいるのなら……下手するとオーダーメイドなんて可能性もありそうな? はっ!? もしかして、『サクラ』の着せ替えを希望してたメンバーの1人なのかも!?


「ま、ここで立ち話もなんだし、とりあえず移動するよ。時間は何時くらいまでなら大丈夫なんだい?」

「えーと、16時には帰りたいかな? 色々と準備もあるし!」

「16時に解散だね! あと、2時間半かー! 色々見て回りたいし、急がないと!」

「結月、コスプレをさせるんじゃないよ?」

「……あはは、しないってば。楓、何言ってるのー?」

「それなら、こっちを見てはっきりと言ったらどうだい? 目を泳がせてないでさ?」

「ぎくっ!?」

「……え?」


 結月ちゃん、思いっきり目が泳いでるけど……私にコスプレ? コスプレってあれだよね? 何かの登場人物の姿に似せてやるやつ!


「だって、美咲ちゃんは普通に清楚系な私服を選ぶだけで、そのままそれっぽいのになりそうだよ!? それはコスプレじゃないよ、楓! それに、そもそもそれを言ったら、今の制服の時点でもうコスプレみたいなもの!」

「……現役の女子高生が制服を着てて、コスプレっていうのも変な話だけどね。まぁ結月は、選ぶ権利はなしでいこうか。隠し切れていない個人的な欲があるようだしね」

「えー!?」

「……あはは」


 結月ちゃん、やってる事が姉さんに近いものを感じるよ? ……そういや、友達でもあるけど、根本的に私と姉さんのファンだった!? これ、油断大敵だー!?



 ◇ ◇ ◇



 結月ちゃんが何かと色々な服を持ってきたけど、楓さんが遮って……という事を繰り返しつつ、買い物終了! なんだか、姉さんがこれまで選んでくれてた服の中で、よく着てた服と似たような系統が多くなった気がするけど……まぁいいや!


「……美咲ちゃんって、制服以外じゃスカートは履かないんだ?」

「あ、うん。あんまり好きじゃないんだよね」


 スカートっぽいズボンとかは買ったけど、スカートそのものは買ってない! 姉さんや結月ちゃんが喜びそうだから、1着だけ白いワンピースは買ってみたけど!


「まぁ白いワンピースは買ってたし、結月はそれで我慢しときな」

「……はーい。うー、色々と着てるところ、見てみたかった!」

「……あはは」

「美咲は着せ替え人形じゃないんだから、少しは自重しな。まったく、変な男に引っ掛かる以前に、結月の方が問題じゃないか……」


 呆れた風に言ってる楓さんだけど、確かに結月ちゃんと2人だけだったら、私のファッションショーになってた気がするよ! 実際、色々と試着させようと持ってきてたし!


「おっ、どうせならこれもどうだい? 夏の日差しには、丁度いいかもしれないよ」

「あっ! 麦わら帽子!」

「普段使い、するかな……?」


 これ、明らかに白いワンピースとセットでって言われてる気がするけど……んー、ワンピースは買っちゃったんだし、これもありなのかも?


 そういえば、おじいちゃんのとこに泊まってた時は、いつも麦わら帽子を被ってたっけ? あの頃はスカートやワンピースはよく着てた気がするけど……いつ頃からか、あんまり着なくなっちゃったんだよね。

 あっ、思い出した! 小学生の頃のどこかの夏休みで思いっきり転んで、捲れ上がって派手に目立っちゃった事があったんだった! それが妙に恥ずかしくて、それから避けるようになったような……?


「あ、そもそも、ここは水着コーナーだ! 美咲ちゃん、海かプール、行く? 行くなら、買うのもありだと思うよ!」

「えっと……その時間、あるかな? 忙しくなるの、これからだよね?」

「あっ! そっか、文化祭のあれこれ、作っていかなきゃだもんね……」

「お盆にお姉さんの所に行くのなら、余計に時間は厳しいだろうしね」


 うー! 水場自体は好きだから、行きたい気持ちはあるんだけどなー! 出来れば、山の中の川みたいな喧騒のない場所の方が好きだけど……そういう場所は、こういう水着じゃない気がするね?


「それじゃ、浴衣は!? ほら、こっちにそのコーナーもあるよ! 夏祭りに行こう! 夏祭り! ほら、これ! 花火の打ち上げもあるよ!」


 結月ちゃんがショッピングモールに掲載中の夏祭りの広告を指差してるね。へー、7月の下旬……今週末にあるお祭りなんだ? あ、これって前に姉さんと行った事があるお祭りだ!

 でも目玉の花火の打ち上げは20時半から……これ、時間的に無理な気がする。


「……美咲、夜は出れるのかい?」

「え? あっ!? そっか、配信……」

「……あはは、厳しいかも?」


 配信が終わってから家を出たとしても……多分、打ち上げ開始には間に合わない。配信そのものをお休みにすれば行けなくはないけど……。


「……たまには、配信をお休みにして、遊びに行くのもありなのかも?」

「……え? 美咲ちゃん、案外乗り気!?」

「配信も大事だけど、それが全てじゃないもんね!」

「まぁ確かに、それはそうかもね」


 配信は私が変わるきっかけをくれたものだけど……全てをそこに注がなきゃいけない訳でもないよね! だから、そういう日があってもいいとは思う。思うけど……。


「……ちょっとどうするか、考えさせてもらっていい?」

「うん、分かった! 無理強いはしないけど、期待はしてるね!」

「まぁまだ時間はあるし、じっくり考えてみればいいさ」

「そうしてみるね」


 少し配信時間を短めにするとか、時間帯をズラしてみるとか、そういう方向でも調整は出来るはず! その辺、帰りの電車の中で考えてみようっと。

 こうやって一緒に買い物に来れる友達がいるのは本当に久しぶりだし、お祭りがあるなら行きたい気持ちはあるもんね。なんとか調整して、お祭りに行きたいなー。


「配信の時間調整、どうなりますかねー?」

「ん? まぁ駄目だという権利は、誰にもないけど?」

「それは分かりますけど、そういう意味じゃないですから!」

「まぁコメント欄にいる人数が変わるかもね」

「やっぱり、そこは影響出ますよね!?」

「逆に、普段はアーカイブのみって人が出てくるかもよ?」

「……え? あ、そういう可能性もあるんです!?」

「人によって、空いてる時間帯って違うからね。たまに違う時間帯で、そういう人が出てこれる機会もあってもいいかもね」

「ふっふっふ! そう聞くと、なんかワクワクしますね!」

「……音声ありのコメントが、必ずもらえるとも限らないけどね。さて、次回は『第723話 今日の配信の準備』です。お楽しみに!」

「サラッと不安になるような事、言わないでもらえませんかねー!?」


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