第695話 移動の再開
サイコロタイムと宣伝が終わったから、モンエボに戻ってきたのです! そして、既に『硬質化』も解放済み!
「さーて、それじゃ改めて東へ向けて出発です! 遠くの空に見えてた謎の影は……あ、もう見失っちゃいました」
むぅ……あれを追っていこうかと考えてたんだけど、スキルツリーの画面を見てる間に完全に見えなくなっちゃったっぽい。
ミツルギ : あー、確かに見当たらないな?
金金金 : ふむ……ミナトさんでも、もう見えないか?
ミナト : んー、そだね? どこかに降りたのか、もっと離れちゃったか……もう飛んでる様子は見えないね。
「ミナトさんで分からないなら、もう見える位置にはいなさそうですねー。あれ、結局、なんだったんですかねー?」
遠くてシルエットすらよく分からなかったから、具体的な種族すらよく分かんないままだもん! でも、かなり距離がありそうなのに見えたって事は、相当に大きさだよね! それに空を飛んでいたんだから、種類は絞られるはず!
咲夜 : 有力候補は、やっぱりドラゴンか?
ミツルギ : それは言っていいのかと言いたいとこだが……まぁドラゴンに関しては、既に言及済みだから問題ないか。
神奈月 : だなー。空を飛ぶ巨体の最有力候補は、間違いなくドラゴンだ!
富岳 : ヤマタノオロチと同系統の、『幻獣種』と呼ばれる実在しない生物を元にした個体の1体になるぞ。
ミナト : 他の可能性としては『オオワシ』かな? 基本的にタカとワシは大きさの違いで分けられるんだけど、モンエボではタカで大体まとめられてるだよね。でも、特定の条件でワシの名称になる事もあるんだよ。
「『オオワシ』とかいるんです!? その『オオワシ』は幻獣種ではないんですか……?」
聞いてる感じだと、別々のものだと言われてるような気もするんだけど……その辺、どうなんだろ?
ミナト : 『オオワシ』は現実に存在してる鳥だから、『幻獣種』には当てはまらないねー。まぁ鳥で大型かつ『幻獣種』ってパターンもいるにいるけど……。
咲夜 : フェニックスがそれだな! 火の鳥だぜ!
神奈月 : ミナトさんはわざわざ言わずに伏せて、匂わせる程度にしていたのに、なぜわざわざ明言するのか……。
咲夜 : はっ!? しまった!?
「あはは……まぁなんとなく、想像出来る範囲なので、今のくらいはいいですけどねー! フェニックスもいるんですか!」
そっか、そっか! そっちは間違いなく『幻獣種』っぽいし……すごーく厄介そうな敵の予感! うん、遭遇したくないかも?
G : またか……と言いたいが、まぁサクラちゃんがスルーするなら別にいいか。
ミナト : ちなみにだけど、さっきの影がフェニックスの可能性は低いよ? 基本的に火を纏ってて、フェニックス自体が光ってるからさ。
ミツルギ : まぁあんな風に、はっきりとした黒い影にはならんからなー。
「あ、そうなるんですか! まぁ最有力候補がドラゴンなのが分かれば、とりあえずは十分ですね。どっちにしろ、見失っちゃいましたし……正体不明よりはいいです!」
あれはドラゴンだったという事で、納得しておくのさー! その方がモヤモヤせず、この先に進めるもんね!
「さーて、朝日が昇って明るくなってきましたし、また脚を取られるのも嫌なので、次は森の中を進んでいきましょう!」
ふふーん! ヤマタノオロチがいた沼には、もう敵が居ないのはわかってるけど……その上は通れないしね! その北側に広がっている森の方へ入っていくのですよ!
サツキ : サクラちゃん、森へ突入!
水無月 : 森へ突入!
「完全体は強いですし、慎重に進んでいきますよー! 特に足元に要注意で!」
ここの平原エリア、4エリア分あって広いらしいけど……迂闊に移動速度は上げられないよね。既に色々と苦戦気味だし、今は再誕の道標が使えない状態だし、気を付けないと!
ヤツメウナギ : そこの森、そこそこ植物の密度は高めだな。まぁ昼間になって、多少の日光が差し込んで鬱蒼とした様子はマシにはなったか。
こんにゃく : 確かに、あんまり夜には通りたくないくらいの密集具合だよなー。
「そうなんですよねー。だから、拓けた方へ進もうとしてたんですけど……そこがあの沼でしたし……」
沼なだけじゃなく、ヤマタノオロチなんてものが出てきた事にもびっくりだったもん!
「まぁ結果的には縄張りを使ったお陰で、マップが解放になってますからねー。こっちの森の中の敵の位置も、しっかり把握出来てるのは大きいです!」
ふふーん! マップが機能するなら『索敵』も効果を発揮するから……あ、でもそもそも『縄張り』でこの辺の敵とは交戦状態に入ってるから、どっちにしても表示されてるんだった!?
むぅ……『索敵』って、実はあんまり役立ってない? ううん、これは『縄張り』が『索敵』の上位互換なだけなのかも?
いなり寿司 : これは言うべきか、言わないべきか……。
G : 言うなよ!? 絶対に言うなよ!
イガイガ : そうだ、そうだ!
「え、何か言われるような事ってあるんです? 今回はちゃんと足元は警戒してますし、マップで敵の情報も……あれ? 近くに反応があるのに、地面には何もいませんね?」
見えてもいい距離なのに、何も姿が見えないねー? 移動してる様子もあるけど……。
「位置的に、この木の反対側ですか!? ……あれ? いないです?」
あれー? マップを見る限り、すぐ近くにいるはずなんだけど……あっ!? これ、前にも似たような事があった気がする! 確かその時に敵がいたのは……。
「上ですか!? ……あれ? 特に上にも見当たらないですね?」
あっれー? 木の枝に何か小動物でもいるのかと思ったんだけど……特に何もいないよ? 擬態してる敵なら表示は出てないだろうし……これってなんで?
うーん、移動し続けてるから、木の枝を飛び移ってる? それとも、木々の間をすり抜けて進んでる? でも、それっぽいのは全然見えないけどなー?
いなり寿司 : ん? てっきり木の上から狙ってきてる敵を見落としていると思ったんだが……そうではなかったか?
神奈月 : 俺もそのパターンかと思ったけど……違うっぽいな?
ミナト : んー、木の枝に何かいる気配はないから……この反応は、更に上かなー? 多分、空を飛んでる鳥だね。
「あ、この反応は鳥ですか! ……紛らわしいですね!?」
ぐぬぬ! なんか警戒したのが損だった気がするんですけどー!? ここから空を見上げても、木の葉っぱで隠れて空は見えないよ!
でも、マップで分かる動き方って、鳥って考えたら自然かも! 真っ直ぐ進んでるのは、木の影響を受けてないからなんだ!?
ミツルギ : まぁ鳥ならスルーでいいだろ。正直、戦いやすい相手ではないんだから、無理して戦う必要もないぞ。
真実とは何か : それが真実なのである!
「まぁ確かにそれはそうかもしれないですけど……姿くらいは見ておきたいですね? どこか、空が見上げられる場所ってありませんかねー?」
あ、それこそ『破壊の咆哮』で仕留めるのでもいいんじゃない? ……むぅ、まだ再使用時間が過ぎてなかったー!?
こんにゃく : サクラちゃん、無理に狙うのはやめとけー。もし器用系統だったら、見つかって変な事になりかねないぞ。
ヤツメウナギ : やるとしても、せめて『破壊の咆哮』の再使用時間が過ぎてからだな。
「……あはは、それもそうですね。んー、とりあえず他の敵を探して、1対1になるようにしたいとこですよねー。えーと、近くで丁度いい反応は……あ、いました! ここから少し東に進んだとこですね!」
さっきの反応は鳥だって事でスルーして、次に近い反応はそれだよね! まぁ他にも近くに反応はあるんだけど……なんか3体ほど固まってるから、これは危険な気がする!
咲夜 : あれ? 3体ほど集まってる方はスルー?
イガイガ : 完全体が思った以上に強くて、ビビったか。
G : 安全策を取っていくのか!?
「いきなり、随分と煽ってきますね!? いいでしょう! そこまで言うなら、一気に3体、ぶっ倒してやりますよ! 『獅子咆哮』!」
うがー! 次に死んだら、今は再誕の道標が選べないから慎重になってたけど、避けまくるのは……ちょっとどうかなーとも思ってたもん! 今日は経験値の溜まり方も悪いし……ここで一気に稼ぐのさー!
ミナト : あらら、簡単に乗せられちゃったね。
富岳 : まぁいいんじゃないか? 初めての完全体への進化したての頃が一番厳しいとこだが……慎重になり過ぎると、中々進まなくもなるからな。
チャガ : この辺はガンガン死んでもいいから、攻めていく方が乗り切りやすいしな。
神奈月 : ぶっちゃけ、強い個体もチラホラ出てくるけど、そういう個体ばっかじゃないしなー。
ヤツメウナギ : 慎重になり過ぎて長期戦になる方が、実は危険! 短期決戦で、一気に仕留めた方がむしろ安全だぞ!
こんにゃく : その方が、敵の強みを活かさせずに済ませられるからな! モンエボでは死を恐れ過ぎるのもよくないぞ!
いなり寿司 : まぁ、雷の適応進化を失わないようにだけは気を付けておくべきだがな。
「え、そうなんです!?」
あえて煽りに乗ってみたけど……この動き方の方が正解だったんだ!? そっか、そっか! 敵の強さの底上げがあって、それを思いっきり警戒してたけど……要は、それを発揮するチャンスを与えなきゃいいんだ! 私にはその為の手段があるんだから、どんどん攻めていく方がいいんだね!
「『幻獣種』って、それなりにいるんですねー!」
「まぁちょいちょい混ざってるって程度だけどね。全種族で『幻獣種』への進化ルートがある訳じゃないし」
「え、そうなんです?」
「基本的に、その種族に伝説の生物的な存在がいるかどうかが分かれ目だね」
「おー、そんな感じなんですか!」
「まぁ伝説の生物でも、なんでも対象って訳でもないけどね」
「何か、他に条件でもあるんです?」
「うん、あるよ。あるけど……それ、ネタバレ案件だよ?」
「あ、そういえばそうでした!?」
「とはいえ……本編中でその条件をサクラが自力で発見出来るかは、かなり難しいかもなー」
「そんなにややこしいんです!?」
「いや、法則自体は凄く単純。ただ、そこに確信を持てるだけのサンプル数を揃えるのは……厳しいかもねー」
「……どういう法則なのか、サッパリ予想出来ないんですけど!?」
「まぁそこは機会があれば、視聴者の誰かが教えてくれるかもね。さて、次回は『第696話 完全体での戦い方』です。お楽しみに!」
「まぁ今はともかく、頑張って倒していきましょう!」




