第691話 ステータスの差
何やら、遠くの空に黒い影を発見! 遠いからなのか、看破も上手く機能してないけど……気になるから、東に向かって追いかけてみよー!
「えーと、とりあえず沼は迂回ですね! 両側に少し木々がありますから、あの影を見失わないようにしないとです!」
周囲の敵については、『縄張り』のお陰で大半の敵が表示されてるから……うん、警戒はしやすいね! 完全体になってかなり強くなってるみたいだから、『破壊の咆哮』の再使用時間が過ぎるまでは戦闘は避けとこ!
「あ、そういえば、第15段階の解放もしないとですね!?」
器用のステータスが大きく上がるんだから、進化ポイントが足りるようになった今、すぐにでもやっとかないと勿体ないもん!
ミツルギ : おっと、そういやそうだった。
ミナト : そっちが優先かなー? まぁあの影については……多分、追いつけない気がするしね。見た感じ、かなり遠いしさ。
神奈月 : 正体が何かによるけど、まぁずっと飛んでるとも限らないしなー。
「むぅ……出来れば正体を確認したいんですけどねー。まぁ見失ったら、その時に考えましょうか。とりあえず今は、器用のスキルツリーの第15段階の解放をやっていきますね!」
ただのタカとかなら、看破に反応がありそうではあるもんねー。反応が出ないって事は、相当遠いって事になりそうだし……それでも見えてるって事は、かなりの巨体な気がする!
まぁその姿をちゃんと確認出来るかは、私の運次第だとして……まずはやれる事からやっていこー! という事で、器用のスキルツリーを開いて……。
<『器用』第15段階:ステータス強化『器用+60』を解放しました>
ふふーん! 進化ポイントを90使って、器用のステータスを大幅に強化なのですよ!
「これで、ステータスはどのくらいになりましたかねー? ちょっと開いて、確認してみましょうか!」
かなり増えたとは思うけど、他との差異がちょっと気になった! 他のステータスとの差が大きくなってるだろうし、補っていかないと厳しくなるステータスも出てきてる気もするよ。
ミツルギ : 器用、600は超えたか?
富岳 : 多分、超えてるな。進化系統なだけあって、かなり高いはずだ。
600越えの可能性があるんだ!? それ、かなり凄くない? うん、とりあえず実際に見て確認なのですよ!
【ステータス】
名前:サクラ
種族:至妙なライオン【雷】
進化階位:完全体
Lv:2
生命 : 3420
屈強 : 423
堅牢 : 416
俊敏 : 386
器用 : 616
知恵 : 341
おー!? 本当に器用のステータス、600を超えてるよ!? ふっふっふ! 第15段階まで解放してしまえば、これだけ強力な数値になるんだね!
「……俊敏と知恵が低いのが気になりますね。どっちも、せめて400は欲しいとこです!」
生命は桁がそもそも違うから、基準がよく分かんないけど……俊敏と知恵は他と比較が出来るから、明確に低いのは分かるもん!
ヤツメウナギ : まぁ確かに、俊敏も知恵も上げた方がいいだろうな。
いなり寿司 : 『縄張り』で強引に補う事も出来るけど、そうじゃなきゃステータス不足で、素早い敵の攻撃を回避し切れなくなったり、状態異常が入りにくくなる可能性が出てくるぞ。
こんにゃく : 知恵が低いと、自分が状態異常にもなりやすくなるしなー。
ミナト : 知恵は低くても当たらなければどうって事ないけど、当てられなくする為には俊敏は必須だねー!
咲夜 : また出たな!? 言うのだけは簡単な、超上級者の理論!?
神奈月 : まぁ理屈の上では、当たりさえしなければ……状態異常は無力だからなぁ。現実にやるのは難しいけど。
「……あはは、確かにどう考えても難しいですよねー」
そりゃ当たらなければ、状態異常にはならないだろうけどさー。私にそれが出来るかと言えば……絶対、無理だよね! それに状態異常にするのにも、知恵は大事なはず!
「えっと、今の時点で進化ポイントが10残ってるので、これで知恵のステータスを強化とか出来ませんかねー?」
まだ知恵のスキルツリーでも、低い段階で未解放の部分もあったはず! 強化幅はそれほどじゃなくても、少しでも足しに出来ればいいんだけど……とりあえず、知恵のスキルツリーを確認だー!
「あっ! 第5段階で『知恵+10』が解放出来ますね! ……この辺だと、俊敏のスキルツリーでも解放出来たりします?」
ちょっと俊敏のスキルツリーも見ていこー! こっちはどうかなー?
「あ、こっちは第5段階の『俊敏+10』が2ヶ所残ってますね! ……俊敏と知恵、どっちを先に補うべきですかね?」
どっちも必要だとは思うけど、どっちを優先したらいいか悩むよ!? どっちを選んだとしても、大幅な強化ではないし……。
ミツルギ : その二択なら、俊敏か? 一気に解放が出来る訳じゃないし、少しでも高い方を補う方がメリットは実感しやすいはず。
富岳 : 確かにそうだな。低い方よりは、少しでも高い方が差を埋めやすい。
神奈月 : 俊敏は他より低いとはいえ、384はあるから、+10になれば400に近付くし、かなりマシじゃね?
いなり寿司 : とりあえずの目安で、どれも400越えを目指すとして……その基準でいくなら、今の状況からなら俊敏一択だな。
咲夜 : 今の段階で400あれば、まぁ及第点な状態だよなー。
G : 強みになってくる部分は完全体に進化したてだと500越えの辺りだから、まぁそうでない部分は400越えが必要ラインってとこか。
「今で400越えくらいが必要ラインになってくるんです!? ……どう考えても、俊敏と知恵は足りてないですねー」
聞いた感じじゃ俊敏一択みたいだけど……あっさりとそれで決めるのは、なんか私らしくない気もするよ!? そもそも、今日のサイコロタイムがまだ出来てなーい!
金金金 : 何か悩み始める狐っ娘アバター。今の流れで、何か悩む要素ってあったか?
サツキ : んー、悩まなくて済みそうな内容だから、逆に悩んじゃってるかなー? ほら、サイコロタイムをどうしようかって感じで!
「なんでそう、ピンポイントで悩んでる内容が分かるんですかねー!?」
まさにその通りの内容で悩んでるけど、本当に姉さんはどういう把握の仕方をしてるの!? ……むぅ、今に始まった事じゃないけど、微妙な心境なんですけど!
それはそうとして……本当にどうしよう? サイコロタイムを絶対にしなきゃいけない訳でもないんだけど、今日は宣伝もあるし……。
サツキ : ふふーん! 私はサクラちゃんのお姉ちゃんだからね!
咲夜 : サイコロタイムが出来ない事に悩む……。なんか本末転倒になってない?
イガイガ : あれはサクラちゃんが決めかねて悩む要因が必要だから、サクサク決まると逆に困るのか……。
ミツルギ : そういう事なら、俺らの意見はスルーして、そのままサイコロで何を解放するか決めるのでもいいぞ?
富岳 : というか、そもそも必ず宣伝をサイコロタイムと組み合わせる必要もないんだがな。別にサクラちゃんが組み込みたい時に、普通に宣伝してくれて構わんぞ?
ミナト : 確かにそだねー! もう宣伝が入るのは分かりきってる事だし、無理にサイコロタイムに縛られる必要もないよ?
「あ、そういう考え方もありですか!? でも、折角の定番コーナーになってますし……そもそもサイコロ頼りで決めてきたので、弱いところを補う以外の選択肢を入れてサイコロで決めましょうか!」
ふっふっふ! 何を迷う必要があったんだろうね? 元々、私のライオンの育成はサイコロによって決まってきたんだもん! 弱いところを補うのも大事だろうけど、そういう堅実さだけで決めるのは何か違うよね!
咲夜 : ちょ!? なんか変な方向に吹っ切れた!?
G : ここで、低いところを補う以外の選択肢も突っ込んでくるとは……流石はサクラちゃんだな。
イガイガ : 予想外の方向に行ったなー。
富岳 : 弱点を補わず、他の要素を強化する方向性も含めていくか。まぁそれも確かにありではあるな。
ミツルギ : 確かに、避けずに耐えるって方向性でもいけるか。まぁどういう解放の仕方をするかにもよるから、選択肢を出してからにはなるだろうけど……。
「それじゃそういう方向性で、選択肢を決めてからサイコロタイムと宣伝をやっていきますね!」
迷いは吹っ切れたし、やり方も決定! 謎の影を追いかけるのは……まぁ追いつけない可能性もあるみたいだし、そもそも道中の戦闘もあるから、そこまで固執しなくてもいいよね。運良く、ちゃんと見える距離まで行けたらラッキーくらいに考えとこ!
「……なんでそうなった?」
「え、何がです?」
「いやいや! サイコロで決めるにしても、俊敏か知恵の二択で良かったよね!?」
「強化幅が微妙でしたし、こっちの方が面白いかなーって思いまして!」
「……まぁ予想外の動き方になってるし、サクラらしい行動ではあるけどさ」
「ふふーん! 私らしさは大事ですからね!」
「……褒めてはいないからね?」
「え、そうなんです?」
「相変わらず、マイペースな主人公だな……。さて、次回は『第692話 今回の選択肢』です。お楽しみに!」
「今の状態でどんな選択肢がありますかねー?」




