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Relay:Monsters Evolve ~ポンコツ初心者が始める初見プレイ配信録~  作者: 加部川ツトシ
第18章 完全体、育成開始です!

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第687話 埋まった脚


 うがー! ヤマタノオロチを盾にしてカメの攻撃を防いでたら、着地場所を間違えて、脚が埋まっちゃった!? でも、思いっきりガッツリ埋まった訳じゃないし、なんとか脱出出来るはず!


「わっ!? これ、足掻けば足掻くほど、どんどん埋まっていってるんですけど!?」


 待って、待って、待って!? この周囲、吹き飛ばせてない範囲の草むらだから、足場の状態もよく分かんないんだけど!?


G : 足掻けば足掻くほど、より埋まっていくのが沼というもの!

イガイガ : 脱出するにしても、ゆっくりやらないとそうなるのは自明の理!

ミツルギ : 焦れば焦るほど、状況は悪くなるぞ?


「うぅ!? 確かにそれはそうかもしれないですけど!?」


 ヤマタノオロチの『萎縮』も切れて、8つの頭は上がってきた状態なのに、脚が全て埋まってるのを焦らないのって無理じゃ……あれ?


「え? ヤマタノオロチ、そっぽを向きましたよ? あ、カメと戦い始めました!?」


 これはラッキーかも! よーし、今の間に嵌った沼から脱出しちゃおう!


こんにゃく : まぁあれだけカメから攻撃を受けてたら、こうもなるか。

ヤツメウナギ : サクラちゃんが盾にした結果ではあるけど、攻撃をされた事には違いないしな。

サツキ : カメ対ヤマタノオロチ、敵同士の戦闘開始!

水無月 : 開始!

紅葉 : へぇ? 敵同士が戦うという事もあるんだね。


「たまにありますよね、こういう敵同士の戦闘! 私は今のうちに、沼から脱出を狙います!」


 今は4本の脚が全て埋まっちゃってるけど、これは多分ヤマタノオロチを飛び越えた勢いがあってこそ! 


咲夜 : ヤマタノオロチ、もうかなり弱ってるから、そう時間はないけどな!

ミナト : そういう事を言って急かさない! サクラちゃん、焦らずにね! 焦ったら、どんどん抜け出しにくくなっちゃうから!

チャガ : 水分量は比較的少なめだから、勢いよく着地しなければガッツリとは埋まらない場所だ。慎重に1本ずつ抜けば、次は簡単には沈まんぞ。


「あ、そうなんですか!? なら、まずは右の前脚から抜いていきますね!」


 焦りは禁物だけど、急いで脱出しないとね! カメがどう動いているのか、ヤマタノオロチで隠れて見えないけど……ヤマタノオロチのHPがどんどん減ってるし、時間の猶予はそんなになさそう!


金金金 : これ、ヤマタノオロチに薙ぎ払ってもらったら、その勢いで抜けたりはしない?

ミナト : 埋まった状態では『踏ん張り』は発動しないから、吹っ飛ばし効果のある攻撃をしてくれれば可能性はあるけど……カメと戦闘になっちゃってるからね。

ミツルギ : 堅牢が低くても、そういう攻撃を持ってる可能性があるんだがな。巨体ほど吹っ飛ぶ効果は強いし、使ってくれれば抜け出せる期待は出来るが……。

神奈月 : とか言ってる間に、カメが吹っ飛んだー!?

金金金 : なるほど、カメとの戦闘になってるのが裏目に出てる訳か。


「あのカメ、何をしてくれてるんですかねー!?」


 ぐぬぬ!? まさかの、ヤマタノオロチが私の脱出の鍵を握ってた!? カメとの戦闘になってなければ、今頃もう脱出してた可能性もありそう!?

 むぅ……前脚を抜こうとしたら、どんどん後ろ脚が埋まってる気がするんですけどー!? これ、本当に自力で脱出出来るの!? うん、この状態で踏ん張りが効くはずないよね! それ、更に埋まるだけな気がするし!


イガイガ : いやいや、カメとの戦闘になるようにしたの、サクラちゃんだし?

G : チャンスを潰したのは、サクラちゃん自身だぞ!

真実とは何か : それが真実なのである!


「うっ!? ……確かにそれはそうですね」


 ぐぬぬ! まさか、こんな状態に陥いるとも思ってなかったけど、原因は大体私にあったよ!? 


「あ、踏ん張りが効かないなら、カメの攻撃でもいいんですかね?」


 ヤマタノオロチの攻撃が脱出に使えるなら、あのカメの突撃攻撃も可能性はあるはず! サクッとヤマタノオロチを始末してしまえば、カメが私を狙ってくるよね?


ミツルギ : まぁ可能性はあるが……確実に吹っ飛ばしてくれるとは限らんぞ?

富岳 : サイズ差もあるからな。比較的大きめなカメとはいえ、沼に埋まったライオンを吹き飛ばすほどとなると……溜め攻撃を受ける必要があるぞ。

いなり寿司 : やるとしたら、『身構え』か『堅守の構え』でダメージ軽減は必須か?

ミナト : まぁ直撃を受けるんだし、ダメージ軽減は必要だろうねー。『獅哮衝波』で『守護増強』の効果を得るってのもありだけど……あ、このままヤマタノオロチが仕留められるまで待って、溜め中の『破壊の咆哮』でやるのもありかな?


「あっ! 『破壊の咆哮』も溜め攻撃ですし、『守護増強』の恩恵は出るんですか! それ、良いですね!」


 沼に埋まる前から発動してた『破壊の咆哮』、まだ溜まっていってる最中だもんね! もう少しでヤマタノオロチは死にそうだし、カメに吹っ飛ばされた後にぶっ放すのもありかも?


「決めました! 『破壊の咆哮』をこのまま溜めて、カメからの攻撃に備えます! ……上手く吹っ飛ばしてくれればいいんですけどねー」


 堅牢は結構上げたんだし、『守護増強』でのダメージ軽減もあるんだから、即死は避けられる――


<完全体を撃破しました>

<進化ポイントを2獲得しました>


「あ、ヤマタノオロチが死にましたね」


 なんというか……見た目的にはカメよりもヤマタノオロチの方が強そうなのに、結果はカメの勝ちなんだ。うーん、まぁ見た目通りの強さにはならないのが、モンエボらしさなのかも?


「おぉ! カメもなんだかんだで、HPが半分くらいまで削られてますね!」


 うふふ、ヤマタノオロチも結構頑張ってたっぽいよ! これだけHPが減っててくれれば、私の『破壊の咆哮』で仕留め切れるかも?


紅葉 : ヤマタノオロチが倒されたって事は、草薙剣とか出てくるのかい?

ミツルギ : 残念ながら、モンエボではそういうのは出てこないぞ。

こんにゃく : 動植物がメインだから、武器って存在しないんだよな。

咲夜 : そうそう! 少なくとも、現状では!

金金金 : ……現状では?

いなり寿司 : おーい、またか?

咲夜 : はっ!? しまった!?

G : 毎回、毎回、本当に迂闊だな!?

咲夜 : ……すみません。


「現状ではって事は……そのうち、武器が手に入るんですかねー?」


 んー、でももう次が最終進化だよね? 超越体での要素になってくるのかな?


ミナト : サクラちゃん、目の前に集中だよ! ヤマタノオロチが消えて、カメとの戦闘だからね!


「あ、はい! えーと……なんだか距離を取って、近寄ろうとはしてないですね?」


 この動き、遠距離から攻撃を仕掛けてくる敵の動きに近い気がする! あ、でもちょっとずつ距離は詰めてきてるっぽいね。


富岳 : なるほど、これは期待通りに溜め攻撃の準備に入ってるな。

ミツルギ : 溜めながら射程圏内に移動してる様子だし、『瞬突撃』ではありそうだ。

チャガ : 吹き飛ばし効果は期待出来そうだが……これは、位置が悪いか?

ミナト : んー、まだ移動中だからなんとも言い切れないけど……場合によっては、沼のど真ん中に向けて吹っ飛ばされそうかも?


「それ、不味くないですかねー!? 今の状況から抜け出ても、沼の中心に吹っ飛ばされたら意味ないですよ!?」


 そうなったら、状況は悪化してるよね!? わー!? これ、どうすればいいの!?

 カメが攻撃を仕掛けてくる前に仕留めて自力で脱出を狙う? それとも、まだカメは移動してるし、最終的な時点まで待ってみる? ぐぬぬ! これ、判断が難しい!


こんにゃく : これ、沼の真ん中まで吹っ飛ばされた方が後が楽じゃね?

金金金 : ん? それ、どういう意味だ?

こんにゃく : 今、サクラちゃんが嵌ってる位置って、水分を含んでいるとはいえ、沼よりは水分が少ないからさ。最悪の場合での脱出方法……窒息を狙うには、微妙過ぎる位置なんだよな。

金金金 : あー、なるほど。

ミツルギ : 泥の中に顔を突っ込めば、窒息にならない事もないけど……まぁあまりやりたくはないか。


「それ、私の死亡が前提になってませんかねー!? あ、でも埋まった時の最終手段はそういうやり方なんでした!?」


 前に埋まった時にも、下手に抜け出すよりも死んだ方が楽って言ってたもんね!? ……脚が全て埋まった時点で、死亡の可能性が高くなってたのかも。


G : さーて、今日のノルマ達成はもうすぐか。

イガイガ : だなー。そこまでの悪足掻きを楽しもう!


「思いっきり、悪足掻きって言いましたね!?」


 うがー! 死なずになんとか脱出して……うぅ、でもなんとか脚を引き抜こうと頑張ってるけど、どんどん埋まっていってるんだよね……。

 これ、もう自力での脱出、不可能じゃない? わー! こういう時こそ、水への適応進化が欲しいよー!?


「ぐぬぬ!? この状況、マズいですよ!?」

「あー、うん。まぁノルマ達成、間近――」

「死亡は私のノルマじゃないですよ!?」

「ん? まぁそれが嫌なら、サクラを殺すのが作者としてのノルマだと言い換えても――」

「作者さんのノルマなんです!? そんなもの、即座に捨て去って下さいよ!」

「いやいや、期待には応えないとね」

「私の要望には応えてくれないんです!?」

「……だって、気付けば死ぬような状況になってるしさ。それを主張するなら、もう少し大人しくしてもらわないと……」

「ぐぬぬ!? それはそれで、なんか嫌なんですけど!」

「暴走主人公だから、そうだろうね。さて、次回は『第688話 今回のノルマ』です。お楽しみに!」

「私は全然楽しくないタイトルじゃないですか!?」

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