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Relay:Monsters Evolve ~ポンコツ初心者が始める初見プレイ配信録~  作者: 加部川ツトシ
第18章 完全体、育成開始です!

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第669話 変化していく状況


 兄さんが買ってきてくれた北海道の物産展のお弁当、美味しかったー! 私が食べたのは鮭とイクラの親子丼! 他にも色々あったけど……どれも美味しそうだったなー。

 でも、こういうのって結構お高いと思うんだけど……兄さんのおごりっぽいけど、いいのかな? んー、駄目ならそもそも買ってこないよね!


 ともかく、お昼は食べ終えたし……ちょっと予定とは違うものにはなったけど、雑炊はまた今度に作るって事で!


「よーし! それじゃ、和室の改装の続きをやっていこー!」


 ふふーん! 今日はちゃんと夏休みの課題を進められたし――


「美咲、ちょっといいか?」

「ん? 兄さん、どうしたの?」


 いざ、作業を始めようと思ったら兄さんがドアをノックしてきたね? 椅子はもう新しいのに変わったけど、まだ何かあったっけ?


「ほれ、今日の配信で使う団子のデータだ。配信の前に慌てて渡さなくてもいいだろ」

「あ、それもそうだね! 兄さん、ありがと!」


 和室の改装が終わった後チェックしてもらう時に、一緒に渡してもらおうかなとか思ってたけど、兄さんにも都合はあるよね! うん、早めに渡される分については問題なーし!


「それと……あー、なんだ……。聡さんから、ちょっと問題が出てきたって話があってな?」

「……問題? え、どんな!?」

「姉さん絡みだ。姉妹なのを記事にしてるサイトが出てきたって話なんだが……」


 わっ!? 待って、待って!? それ、楓さんが見せてきた記事じゃない!? あれ、聡さんも把握したの!? ……というか、問題なの!?


「兄さん、それってこれ!?」

「ん? ……あぁ、確かにこれだが……なんだ、もう把握してたのか?」

「えっと……それがキッカケで、クラスメイトに私が『サクラ』なのがバレました!」

「……おいおい、もう実害が出てるじゃねぇか!」

「大丈夫! 信用出来る相手だから!」

「相手がどうって話じゃなく、個人を特定し得る情報が出てきたって方が問題なんだが……美咲、この情報は負担にはなってないか? 昨日の夜に出た記事だが、下手すると今日の配信に変なのが押しかけてくる可能性はあるぞ?」


 あ、そっか。前にも姉さん絡みで話題が出た時に、変な人が出てきて……嫌な気持ちになる事もあったっけ。それがまた起こる可能性もあるんだ?

 少し前までなら、姉さんと比較されるような状況は絶対に嫌だったけど……でも、今はそうじゃないもん! 私は私! 姉さんは憧れだし、今は師匠みたいなもんだし、恥じるべきところはどこにも……あー、姉さんのシスコンっぷりだけは恥じるとこな気はする? でも、それは姉さんの問題だよね!


「兄さん、大丈夫! 今の私、1人じゃないもん!」

「……そうか、それならいい。何か問題が起これば、俺か聡さんに言え。この記事を消させるように動けば、余計厄介な事になりかねんから、大丈夫だと言うならそのままにしておくぞ」

「うん! それで大丈夫!」


 不都合があるからって強引に消せば、逆に増えるって聞くもんねー。それにそもそも、別に私が姉さんの妹である事は、隠さなきゃいけないような恥じゃないもん! 隠したがっていたのは、私が目を背けてたからなんだし!

 配信を見てくれてるみんなや、結月ちゃん、楓さん、兄さんや聡さん、それに姉さんだって、私がやってる事は認めてくれてるんだ! それに難癖をつけようって言うなら、真正面から向かい合うまで!


「ねぇ、兄さん。衣装の着せ替え、本格的に受け入れるって今更言っても大丈夫かな?」

「そりゃ姉さんは喜んで飛びつくと思うが……いいのか? 色んなプロの名前が出てくる事になるぞ」

「……気後れがない訳じゃないけど、姉さんの友達の人達は味方だよね?」

「まぁ少なからず、自分の利益も考えてる人はいるだろうが……少なくとも、美咲を害するつもりはないだろうな。そんな事をすれば、姉さんが黙ってないだろうし……あの人も黙ってないか」

「……あの人?」

「あー、あんまり大々的に広めるなとは言われてるんだが……姉さんの……こういう言い方でいいのか微妙なとこだが、まぁ恩人だな。かなりの大物だが、自分の名前を出されるのを好まない人だから迂闊に言うなよ?」

「っ!? そんな人、いたんだ!?」


 姉さんにそんな恩人がいるって、聞いた事なかったよ!? でも、そりゃ姉さんにだって教えてくれる人って存在してるよね! ……かなりの大物って、どんな人なんだろ?


「その衣装の件、俺が聡さんに相談しておく。美咲が姉さんに頼むと、変な事になるだろうからな」

「そこは、お願いします!」

「……なんで俺がマネージャーみたいな事になってんのかが不思議だが、まぁいいか。今日の昼飯代みたいに、臨時収入にはなってるしな」

「え、今日のお昼って、私関係のから出てたの!?」


 お高そうだとは思ったけど、まさかの収入源だった!? 私でも確実に下手なアルバイトよりも稼いでる状態になってるし、兄さんへの手数料も結構な額になってるの!?


「時給換算すれば、相当割りの良い内容だからな。ただまぁ、来年には今の店舗の技術スタッフじゃなくなるし、それに合わせて俺も家を出るつもりだから……俺のサポートは、そこまでの期間限定だとは考えておいてくれ」

「……うん」


 そっか、来年には兄さんも就職だもんね。もう就職先は今のアルバイト先に決まってて、今年は気楽に動いてるって話だけど……来年には、兄さんはもうこの家にはいないんだ。なんか寂しい話だけど……それは仕方ないよね。


「誰か、身近に引き継げる奴がいれば良いんだが……そういえば、文化祭の方はどうだ?」

「あ、うん! 今の立ち位置のままだと面倒な事になりそうだから、明日部活に入ってくる事になった!」

「……ほう? 確かに部外者で手伝うよりは、その方が安心だろうが……なるほど、身バレしたのはそれを言ってきた相手か? 姉さんの存在に気付いて、対応策を練ってきたか」

「うん! 手伝ってる部の、副部長さん!」

「情報は足りないだろうに、良い読みをしている。間違いなく姉さんが文化祭には突撃していくだろうし、懸念し始めていた部分だが……そっちの対策は不要そうだな」


 おぉ、楓さんが兄さんからかなりの高評価! というか、兄さんも心配するくらいに、危うい状態になりつつあったんだ!?


「というか、姉さんが文化祭に突撃してくるのは確定なの?」

「……むしろ、何故来ないと思える? 姉さんの性格を考えれば、絶対に何があってもスケジュールを空けて、準備万端で来るだろ」

「来ない訳がないね!?」


 うん、欠片も疑問の余地はなかった! 絶対に姉さん、文化祭の時に出現してくる! ……姉さんは顔を隠してないんだから、その時に私が姉さんの妹だって明らかになるのは確定だよねー!


「あぁ、それと追加の宣伝依頼が来てるぞ」

「おぉ! 今度はなんですか!?」

「次の土曜にリニューアルオープンする、牧場のアイスだそうだ。姉さんが前に、配信中に試作の試食データを送ったそうだな? その完成版だ」

「おー! あの美味しかったやつ!」


 そっか、そっか! これは進行中だって聞いてたやつだけど、牧場自体がリニューアルオープンになるんだ!? 


「来週の土曜にリニューアルオープンなら、急いだ方がいいの?」

「急ぎで悪いが、金曜までのどこかでやってほしいとはなってるな。ちょっとトラブルがあって、リニューアルオープン自体がズレ込んだのもあるそうだが……」

「あ、そうなんだ?」

「本来なら、学生が夏休みに入る前に済ませたかったらしいんだが……まぁ、とりあえずこれももう渡しておく。団子は急がないそうだから、順番を変えてくれても構わんそうだ」

「うん、分かった!」


 そういう事なら、急ぎの牧場の方からやった方がいいのかも? えーと、この牧場は……あ、姉さんが住んでるとこと同じ県だー! 流石にちょっと距離はあるみたいだけど……同じ商店街の宣伝が続くよりは、他の場所もしていった方がいいのかも?


「この牧場、姉さんのとこに遊びに行った時に行けるかな?」

「少し離れちゃいるが、行って行けない事もない距離だな。まぁそこは姉さんや聡さんに頼んでみろ」

「うん、そうしてみる!」


 ふふーん! 折角なんだから、行けるなら実際に行ってみたいよねー! 牧場に狐さん、いるかなー? ……動物園じゃないんだし、流石に無理かな?


「話はそんなもんだ。まぁ色々と頑張れ」

「はーい! あ、兄さん! 夕方、17時頃に時間って取れる?」

「ん? まぁ長時間でなければ大丈夫だが……何かあるのか?」

「配信中の和室を改装中なんだけど、一段落ついたとこでチェックしてもらいたくて?」

「あぁ、なるほどな。まぁその程度なら、別に構わん。姉さんから色々教わって、前みたいに無駄が多過ぎるって事が減ってればだが……」

「そこは頑張ってやってみてるから大丈夫!」

「……そうだと良いんだがな。まぁ目処が付いた時点で言ってくれ。確認はしよう」

「うん! ありがと、兄さん!」


 さーて、それじゃ和室の改装をやっていこー! 色々と周囲の変化はあるけど、私もそれに合わせて頑張らないと! 配信を始める前の私とは、もう違うのですよ!

「……姉さん、文化祭に来ますかねー?」

「ほぼ確実に来るだろうね。事故でも起きて入院とかでもしてない限り。多少の体調不良くらいなら、無理してでも――」

「それは普通に休んでてほしいですけど、来そうなのは分かります! 物理的に動けない以外は、どうやっても来そうですよねー」

「もう完全に断言出来る事ではあるね」

「……姉さんを止める方法、ありませんかねー?」

「んー、ない訳じゃないけど……犯罪になってもよければ――」

「私が姉さんを襲うのは無しの方向でお願いします!」

「なら、厳密には止める方法ではないけども、遭遇せずに済ます方法だね」

「おぉ! そんな手段があるんですか!? それ、どんな方法です!?」

「サクラが文化祭を休む」

「それ、本末転倒過ぎませんかねー!? 私も当日、参加したいですよ!?」

「それなら、もうサツキの出現は諦める事だね。さて、次回は『第670話 和室の改装の続き』です。お楽しみに!」

「姉さん、お願いだから、文化祭の当日に派手に目立つような事はしないでー!」

「……その保証はしかねるね」

「嘘でもいいから、抑えると言ってほしいんですけど!?」

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