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Relay:Monsters Evolve ~ポンコツ初心者が始める初見プレイ配信録~  作者: 加部川ツトシ
第17章 色々と頑張ります!

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第634話 再びの死の後


 むぅ……まさか2回目も死ぬとは思ってなかった!? でも、格上ばっかの中に放り出されたら、そういう状況になっても仕方ないよね!


「とりあえず、またランダムリスポーンをしますね。今度は、安全な場所に出ればいいんですけど……」


 なんだか妙に嫌な予感がするんだけど……大丈夫かな? ううん、気にしてたって時間が過ぎれば勝手にランダムリスポーンになっちゃうんだから、思い切ってやるまでだー!


ミツルギ : さて、二度ある事は三度あるか、三度目の正直になるか……どっちだ?

咲夜 : ぶっちゃけ、どこに出ても危険なんじゃ? どこも格上なのはほぼ確定だし、格上じゃない入ってきた場所の付近にはエリアボスがいるし……。

神奈月 : それはまぁ、そうなんだよなー。


「不穏な事を言わないでもらっていいですかねー!? えーと……パッと見の光景に大差がないですけど、どの辺に出ました……?」


 って、マップがまだ解放されてないから、現在地も分かんないよ!? でも、今回は近くに敵がいる気配はなさそう?


「とりあえず、周囲の確認ですねー。『看破』!」


 えーと、これで反応は……っ!? わー!? サソリがいるー!? それにハリネズミやヘビとかもいるよ!?


「……Lv55前後ですね。いきなり襲われる状態ではないみたいですけど、ここも危険なのは変わらないですか!?」


 ぐぬぬ! 私にとって、今のこの荒野に安全な場所はないの!? このくらいのLv帯なら、中央くらいだよね!?


ミツルギ : あー、まぁさっきよりはマシな場所だが……それでも危ない範囲なのは確かか。

ミナト : これくらいなら、振り切ってもいけるだろうけどねー。

こんにゃく : まぁ全力で『疾走』で逃げに徹しれば、俊敏系統以外からは逃げ切れる範囲か?

いなり寿司 : Lv9差は厳しいが、Lv4差ならなんとかなる範囲だろうな。今こそ『雷纏い』が欲しいくらいだけど……。

サツキ : 今のサクラちゃんは、火への適応進化だー!


「うぅ!? 確かに、今こそ『雷纏い』が欲しいですよ!? あれがあれば、攻撃されても麻痺にして切り抜けられるのに!?」


 うがー! なんで火への適応進化にした途端に、こんな状況に陥ってるんですかねー!? Lv帯から大雑把な現在地を推測するしか出来ないし、思いっきり危険地帯のど真ん中! さっきよりは遥かにマシだけど!


「……もう、こうなったら自棄です! 殺すなら、殺して下さい! その代わり、マップは解放させてもらいます! 『縄張り』!」


<規定以上の範囲を把握しましたので【マップ】が解放されました>


 現在地が分からないのは困るし、これでマップを解放だー! うふふ、敵も襲ってくるけど、もう2回も死んじゃってるんだし、もう少し安全な位置まで移動する為にまた死ぬのもありだよね!


サツキ : サクラちゃん、縄張りを発動だー!

水無月 : 発動だー!

金金金 : これ、大丈夫か?

ヤツメウナギ : ステータスが強化になるから、渡り合う事自体は可能になるが……問題は敵の数だな。

ミツルギ : 即座に死ぬ事はないだろうが……十中八九、数が集まってくれば死ぬな。


「あはは、やっぱりそうなりますよねー! でも、もう今日は死亡上等です! 『見切り』『弱点分析』『看破』!」


 もう今日は死なないって目標は駄目になったんだし、ここで生き残る事よりも、可能な限り比較的安全な場所への移動を最優先で!


ミナト : サクラちゃん、過剰に死に過ぎないようにねー! 死に過ぎて別の適応進化しちゃったら、増幅した火の適応進化、上書きされて消えちゃうから!

G : あー、その可能性も出てきたか。まぁ必要回数も多いし、そう簡単には発生しないとも思うが……サクラちゃんだしなー。

イガイガ : さてさて、どうなるやら?


「そうなるのは嫌ですけど、そうならないように頑張ります! あっ、サソリが迫ってきました!?」


 むぅ……サソリって事は毒がありそうだよね? 弱点は――


「わわっ!? 針が飛んできました!? あ、今の針はハリネズミの仕業ですか!? わっ!? わわっ!?」


 待って、待って、待って!? サソリが迫ってきてる中、遠距離からのその攻撃はズルいよ!?


「わー!? 今度は黄色い毒を滴らせたヘビが迫ってきてるじゃないですか!?」


 黄色いのは、麻痺毒だー!? あれ、受けちゃ絶対ダメなやつ! ここで動けなくなったら、あっという間に袋叩きで……あ、別にそれでも……やっぱり良くないよ!?


「死ぬにしても、全力で抗うくらいはやりますよ! 『連突撃』! おぉ! 回避に使えますね、これ!」


 サソリを狙ってやったけど、完全に空振りだった! でも、ヘビの噛みつきは躱せたもんね!


「えい! やぁ! とう!」


 うふふ、見切りの反応から抜け出すにも、これは使えるね! 普通に動くよりも瞬発力があるから、緊急回避に便利かも!


サツキ : サクラちゃん、避ける、避ける、避けるー!

ミツルギ : おー、『連突撃』を上手く回避に使ってるな。

いなり寿司 : 何気にあれ、緊急回避には便利なんだよな。1撃ずつの出は早いしさ。

イガイガ : まぁスキルとしてはまだ連発出来ないから、本当に緊急回避用だけどな。


「確かにそうですよねー!? わっ!? わわっ!?」


 ぐぬぬ、あっという間に連突撃の連撃分は使い切っちゃって、普通の状態に戻っちゃった。というか、回避してるだけじゃ、攻撃にならないよ!?


「せめて、1体くらいは倒したいですよねー!? ヘビとサソリは近付くだけ危険そうなので、攻撃するならハリネズミです!」


 どんどんマップに見える赤い大量の印が私に近付いてきてるから、それらが集まり切る前に倒しておきたい! それに、少しくらい火の適応進化のスキルを使わせろー!


「これとこれでいきます! 『発火』『放火』!」


 まだ使った事がないからよく分からないけど、とりあえず発動だー! あ、発火はライオンの全身から火が噴き上がってるね?

 放火は、火を放つ方向が指定されて……あ、これもマニュアル操作があった! でも、今回はそのままでやってみよ! 溜めもなしで、すぐに発射だー!


「おぉ!? ライオンの口から、火が吹き出されました!?」


 わー!? すぐに止まったけど、今のって火炎放射器だー!? おぉ、ハリネズミが火だるまになったよ!?


チャガ : 今のはマニュアル操作にせず、そのまま火を吹いたか。

富岳 : 火は素直に前方に放射されるから、通常使用でも割と使い勝手はいい。マニュアル操作でも、まぁ色々と出来るけどな。

ミナト : ハリネズミが『火傷』の状態異常にもなったね。これで継続ダメージが入るから、狙いはいいよ。

G : だが、迫りくる他の敵達!

金金金 : ……ヘビとサソリの動きが鈍ったのは、気のせいか?


「……確かに何か警戒してる感じですね? あ、もしかして火に怯えてます!?」


 今の私のライオン、全身火だるまっぽいしね! 確か触れるだけで『火傷』になるって話だったし、近接攻撃は受けにくくなるのかも!


ミツルギ : まぁ、近接攻撃の頻度の低下が『発火』の効果の1つでもある。火での怯ませは知恵が高い個体ほど有効だが……『雷纏い』と同じで時間制限ありだから、気を付けろよ。


「あ、はい! わー!? 効果時間、1分っぽいですね!?」


 これ、『雷纏い』と同じ効果時間と再使用時間なのかも!? はっ!? もしかして、今って脱出チャンス!? 火に怯えるなら、こういうのもありだよね!


「私の通る道を開けなさーい! 『放火』『放火』『放火』!」


 前に向かって、放火を連発だー! うふふ、明確に避けている様子も見えるから、やっぱり火には怯えるんだ! これなら、縄張りの外まで――


「ぐふっ!? な、何かが突き刺さりました!?」


 待って、待って、待って!? 前脚に大きな針が貫通して、盛大に転んじゃったんだけど……え、この攻撃、さっきのハリネズミじゃないよね!? 飛んできた針の大きさが全然違うし……。


「わー!? なんでサボテンが歩いてるんですか!?」


 飛んできた方向を見てみたら、そんなのがいたー!? え、もしかして今の攻撃ってこのサボテン!? うぅ……『巧妙なサボテン』ってなってるし、その可能性はありそう!?


ミツルギ : 今のは多分、そのサボテンの『狙撃棘』だな。遠距離からの精密攻撃だぞ。

イガイガ : 遠距離からじわじわ攻めてくる、嫌なやつー。

富岳 : 荒野は独自の要素がある敵が割といるからな。そのサボテンもだが、サソリ辺りも出現エリアが少ない種族だぞ。


「今の状況で遠距離攻撃って、ものすごく嫌なんですけど!?」


 ぐぬぬ、火で近接攻撃は躊躇させられても、遠距離攻撃には全く効果がないの!? うがー! 火の適応進化のスキルで切り抜けられるかと思ったのに、そう甘くはなかったみたい!?


「もう、今日は死亡上等です!」

「あ、完全に開き直ってる」

「だって、もう死ぬのを回避とか不可能ですもん!」

「まぁもう死んでるしね」

「だったら、こうするしかないじゃないですか!」

「いや、別に逃げて戦いやすい個体を選別して倒すって手段もあるけど……」

「……まぁ、それはいいじゃないですか!」

「あ、単に思い付いてなかっただけか。それはそれで、極端だなー」

「マップを解放できたんですし、別にそれでいいじゃないですかねー!?」

「サクラがそれでいいなら、別に問題はないよ。さて、次回は『第635話 火での攻撃』です。お楽しみに!」

「うがー! こうなった以上、倒せるだけ倒して死んでやります!」

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