第60話 川へと戻り
さーて、皆さんに止められたさっきのやり方は実況外のライオン以外の種族で試してみるとして、実況中では普通に敵を倒しながらやっていきましょう!
金金金 : 狐っ娘アバター、まだ何かを企んでいるような表情……。
咲夜 : サクラちゃん!?
ミツルギ : サクラちゃん、何をする気だ?
「企むってなんですか!? さっきの詰むやり方は実況外で、他の種族で試してみようと思っただけですよ!」
流石に実況中では明確に詰んでどうしようもなくなるのはしないけど、実況外で試してみる事は悪くはないよねー?
他の種族なら実況には影響ないし、それでどうしようもなくなるくらい詰んでもある意味それは美味しいから問題なし! 成功のみが実況プレイの楽しみ方じゃなーい!
いなり寿司 : あー、そういうパターン……。
チャガ : 絶対見るから、ダイジェスト動画の録画を忘れるなよ!
ミナト : あはは、あえてわざとそこに突っ込んでいくんだね。
金金金 : 流石はサクラちゃんってところかー。
富岳 : まぁ分かった上で、他の種族で試すなら別に止めはしない。
「そういう事です! まぁ今日すぐにとはなるか分かりませんけど、その内やってみます!」
実況外でもプレイするけど、基本的には実況にした方が良い部分にならなければライオンのLv上げをメインにやっていくからね!
でももし、さっきの方法をやるとしたらどの種族が良いかなー? あっ、根で歩く木というのは地味に気になるし、あえて初期の場所から一切移動しない木を育てるというのも面白いかも?
うん、それは面白そう! よーし、やるとしたら木でやってみよー! ふっふっふ、動かずに戦い続ける木というのもありなはず!
「あ、そういえばさっきのエリアボスの木って、動かない要素が他にもあったみたいだけど、それってなんだったんです? 移動しながら聞いていますので、教えてもらえませんかー?」
とりあえず川の下流を目指すんだから、一度川に戻らないとね。それじゃ再び川を目指して草原を駆けていくのです!
あ、いつの間にかの7時半になってるし、配信はあと30分かー。うーん、草原以外の場所に行ったら、そこで時間切れかも?
ミツルギ : あぁ、それは単純だ。『根の操作』を使わない育ち方をする木や草花が時々いるんだよ。
ミナト : 割合としては木が多いけどねー!
神奈月 : そうそう、たまにいるんだよな。
「ほうほう! 根で歩かない木や雑草がいるんですね!」
おぉ、根で歩くような変なことをしない木や雑草も存在してたんだ! という事は、エリアボスじゃなくても移動用の『根の操作』を使わないからそもそも動けないんだ!
そしてその成長をする木や草花がいるという事は、そういう育て方も出来るという証明! よし、これはさっき考えた私の案は出来そうな裏付け情報ですよ!
いなり寿司 : それで……あー、これは盛大なネタバレ過ぎるからやめとく。
咲夜 : とりあえず威嚇で動かない敵がいたら、エリアボスか、『根の操作』を使わない種族だと考えたらいいぞ。この2種類のどっちかの可能性が高いから。
イガイガ : 他にも動かない理由がない訳じゃないが、これについては全く動かない訳じゃないからな。
ミツルギ : サクラちゃん、その辺は聞いとくか?
「あ、他にも動かない要素はあるんですね。うーん、他の要素はいつか遭遇しそうな気がするんで、今は聞くのは止めときます! 今日は色々聞きすぎてる気もしますしねー!」
今日は皆さんに色々とアドバイスをもらったからね。残り30分は可能な限り、自力のみで頑張るのさー! ただし絶対ではないけども!
それに、何となく他の動かない要素については想像できない事もないしね。多分だけど、動きが鈍い種族とかそういうやつ!
ミツルギ : 了解っと。
ミナト : それじゃここからは極力見守ろうっか!
富岳 : だな。
いなり寿司 : ……見守れる状況だけならいいけど。
真実とは何か : 終わってみるまでは真実は分からない。
イガイガ : サクラちゃん、ファイト!
チャガ : とりあえず川の下流へ移動だな。
「そうしている間に川に到着です!」
さーて、話している間にまた川へ戻ってきたー! ここから成長体を探しつつ、下流に向かって下っていくのさー!
んー、川にも敵はいるけど、捕まえられるかなー? 捕まえられるなら川の外に出して倒すんだけど……捕まえられる気はしなーい! うん、とりあえず今は川の中の敵は良いや。
「それじゃ下流に向かって出発です!」
威嚇で走り回った限りでは、今の草原には私のライオンよりLvが高い敵はいないっぽいしね。エリアボスを倒したから安全エリアの確保は出来てるから寝て時間は飛ばせるけど、それは無しで!
多分草原エリアの外に出れば、私よりもLvが高い敵がいるはず! だから時間を飛ばし過ぎると詰むって話だしね! だったら、今は他のエリアを目指す――
「わっ!? いきなり目の前で進化が始まりましたよ!?」
うーん、川の中の敵はスルーしていくつもりが、目の前の川の中から進化の時の演出が始まったよー!
これ、時間を飛ばした結果で待機していた進化じゃなくて、確実に今進化に至った個体だよね? という事は、進化ポイントは蓄積していない個体のはず!
「あ、進化の時って思いっきり無防備ですね! 位置も丸わかりですし、それじゃこれだー! 『投擲』!」
ふっふっふ、進化の最中の今こそ攻撃のチャーンス! 光の帯で覆われていて何が進化してるのかは知らないけども、無防備なのが悪い!
「あっ!? 光の帯に弾かれました!?」
むぅ、絶好の攻撃チャンスだと思ったのに、思いっきり攻撃が阻まれたー! 進化中は無敵という訳ですか! それはズルいんですよ!
ミツルギ : 躊躇なく進化中に攻撃したなー。
いなり寿司 : 変身中とか進化中とか、そういうとこを妨害するのはお約束破りだぞ!
イガイガ : でも、いざ攻撃できるタイミングだとやりたくなるよなー。
咲夜 : この状況で攻撃仕掛けた事がある人ー!
ミナト : 私はスクショを撮るから、攻撃はしてないねー。
富岳 : 俺は1回だけやった事があるな。
神奈月 : 無駄だと分かっていても、遭遇する度に攻撃してたなー。流石にスキルは勿体無いから使わんが。
真実とは何か : この真実は人によって違うだろう。
チャガ : まぁその辺は人それぞれか。
ふむふむ、皆さんも私みたいに攻撃する人もいるし、攻撃しない人もいるんだね! 全員ではないけども、攻撃したくなる気持ちは分かってくれる人もいる!
「進化中が無敵でも、進化直後なら無防備ですよね! ならば、間近で待機しておくのです!」
ここの川の深さは普通にライオンの脚がつくからね。普通に魚に泳がれたら捕まえられる自信はないけども、今は進化中だから動けていない!
進化が進んでシルエットが見えてきたし、これは魚っぽいよ! 投擲は無駄撃ちだったけども、それでもこれは絶好のチャンスなのです!
咲夜 : あ、進化直後を狙う気か。
チャガ : まぁここは狙わない手はないか。
神奈月 : 確かになー。
金金金 : やっちまえ、サクラちゃん!
「はい!」
狙うべきは、進化が終わって光が消えた直後! 川に入って進化してる魚のすぐ近くまで移動はしたし、後はタイミングを間違えないように噛みつきを……。
「あー!? スキルの誤発動しちゃった!?」
わー!? タイミングを計らないといけないのに、光の帯がまだあるのに噛みついて弾かれちゃった!? わっ!? わっ!? 折角のチャンスが!?
ミナト : あらま、このタイミングで誤発動しちゃったかー。
ミツルギ : サクラちゃん、焦るな! まだチャンスは終わっちゃいない!
咲夜 : スキルだけが全てじゃないぞ!
「はっ、確かにそうですね!」
噛みつくのはスキルじゃなくても可能なんだし、ミツルギさんや咲夜さんの言うようにまだチャンスが消えた訳じゃない! ミスはどっかに捨てておいて、進化の終わりに集中だー!
「今だー!」
進化の最後に光の球が上空から落ちてきて、光の柱が上がり、そしてその光が消えた瞬間に通常攻撃で噛みついていくのですよ!
「魚、捕りました! とりあえず大急ぎで陸地に移動です!」
川の中で地の利がある魚と戦う気はないのですよ! 本当はスキルの噛みつきで確実に抑え込みたかったけど、ミスをしたものは仕方ない!
咥えた魚に逃げられないうちに、川から離れてしまえは私の勝ちは確定なのさー! 魚は陸地ではまともに動けないからね! ふっふっふ、私の目の前で進化したのを後悔するといいのですよ、この魚!
「あー、サクラ? なぜ、木でやろうとか考えてるの?」
「え、別の種族でやるなら特に問題ないですよね?」
「いや、まぁそうなんだけど……」
「んー? 何かあるんですか?」
「……ネタバレになるからサクラには言えないやつ」
「おー、それなら尚更にやらないとですね!」
「……まぁそうなっても別に良いか。それじゃはい、これ」
「今回はカンペですか。えーと『サクラがあのルートに進みそうだけど、やっちまえ!という方はブックマークや評価をお願いします』って、なんです、これ?」
「そのうち分かる。……思った以上に早いかもしれないけど」
「んー、まぁ良いです! 私はひたすら頑張るのみですよー!」
「まぁ頑張って。さて次回は『第61話 有利な場所』です。お楽しみに!」
「大急ぎで陸地を目指すのですよー!」