第589話 他の選択肢
今のところ、解放候補は2パターン! 屈強の『鋭爪刃』へのルートと、生命の『再生強化Ⅲ』までのルート! 他に候補になりそうなのは……。
「屈強で噛みつき系の攻撃もありですかねー? 『硬質化』とか『強硬牙』とか『硬砕牙』とかありますけど、この辺って溜め系ですよねー?」
位置的には器用のスキルツリーのある『獅子咆哮』と『獅哮衝波』と同じ位置だよね? うん、だったら溜め攻撃になるはず!
ミツルギ : まぁその辺の段階の攻撃スキルは大体、溜め攻撃だな。
こんにゃく : 攻撃手段によって微妙に溜めの挙動に差異はあるが、まぁ下位は溜め中には動けなくて、上位は溜めに段階があるのが共通仕様だなー。
富岳 : 噛みつき系の溜め攻撃は、ちょっと特殊ではある。微妙に溜めと呼んでいいか怪しい部分はあるしな。
金金金 : あー、そういや前に話題に出てたな。『強硬牙』は噛みつき続ける攻撃だっけか。
神奈月 : そうそう、そういう効果。
「そういや話題に出てましたっけ? でも、そんなに特殊なんです? まぁこの際なんで、ちゃんと説明を見ていきましょうかねー!」
『硬質化』は前に見たから、今回はいいや! 確か、硬いのでも貫通出来るようになるって効果だったはず! とりあえず、こっちの説明から確認だー!
『強硬牙』:アクティブスキル
牙の硬度を高めつつ、敵を噛み続け、最大まで強まった時に噛み千切る。
Lv上昇により、噛み千切った際の『出血』効果の確率の上昇。
わー!? 噛み続けるのは分かってたけど、最後は噛み千切るの!? 待って、待って、待って!?
「これってもしかして、溜めながら攻撃してます!?」
溜め攻撃かどうか怪しいってのは、こういう事なんだね! 噛みついてる間は離せないんだろうけど、これは何気に凶悪な気がする!
金金金 : まさかの噛み千切りからの出血効果……。え、まさかの部位破壊性能あり?
ミナト : うん、それは部位破壊が可能だよ。まぁモンエボで破壊が出来る部位って限られるけどね。
富岳 : まぁ角とか甲羅とか甲殻とかを割るくらいが限度だからな。あとは飛行種族の翼や羽くらいか。
サツキ : 尻尾を噛み千切られる事はないからね!
「尻尾を噛み千切……あ、さっきのスッポンがこれを使ってた可能性もあるんです!?」
ぎゃー!? 途中で止められてなかったら、そうなってたの!?
ミナト : 敵の使う噛みつき系のスキルの明確な見分けは難しいから、あくまで可能性はあったってだけだねー。まぁ結構、その可能性は高かったと思うけど。
チャガ : この場合での出血効果は高確率だが、最後の噛み千切りが発生してだからな。まぁ尻尾は噛み千切られはしないが……。
ヤツメウナギ : 噛み千切られる前に外したから、まぁセーフだった感じかもな。まぁただの噛みつきだった可能性も否定は出来ないけども!
真実とは何か : 真実は闇の中である!
「……あはは、見た目じゃ違いが分かりにくいスキルなんですね」
判別出来るタイミングが、最後まで発動が終わってからって事なんだ。うーん、そう言われてしまうとなんとも微妙な心境!
まぁ、無事だったんだから別にいっか! 噛み千切るって言っても、実際に尻尾が噛み千切られる訳じゃなかったみたいだし!
「これの上位となると、『強砕牙』はどういう性能をしてるんですかねー?」
ちょっと説明を見てみよー! 硬い敵に有効な手段っていうのも、あったら便利な気もするしね!
『強砕牙』:アクティブスキル
牙の硬度をより高め、溜めた力で一気に相手を噛み砕く。それと同時に、敵の戦意を挫き『萎縮』の効果を与える。
Lv上昇により、『萎縮』の効果時間の延長。
「なんか全然想像してたのと違いますね!? これ、どっちかというと『強牙』の性能に近いんです? しかも、『萎縮』の効果付きですか!?」
わー! 完全に予想外の性能! あ、でもこれって順当に溜め攻撃になってませんかねー?
いなり寿司 : まぁ性能的には『強硬牙』よりも『強牙』の上位互換だな。これは、溜めの段階は2段階だっけ?
ヤツメウナギ : 確かそのはず。2段階目で使うより、1段階目の溜めが終わった段階で使うが便利なパターンだな。
G : というか、段階系の溜めになるやつは、大体は1段階目までが1番使い勝手はいい。
咲夜 : どうしても溜めてる間は無防備になるもんなー。威力を求めて、その間に死んだら意味ないし!
真実とは何か : それが真実なのである!
「あはは、確かにそれはそうですよね! 私の獅哮衝波もそんな感じですもん!」
1段階目までは動きながら溜められるから使いやすいけど、2段階目以上は敵の攻撃がない時じゃないと危険過ぎるもんね! 近接で使うなら、余計に危険になる気がする!
ミナト : 正直、あんまり『萎縮』の効果はないんだけどねー。
「え、便利そうじゃないです? あ、1段階目だとそんなに発動確率が高くないんですかねー?」
攻撃した後に無防備になるとか、もの凄く便利な気がするんだけどなー? それにミナトさんが言う事なら、ミナトさんだからこそ、そう思うって可能性はありそう!
イガイガ : いつもはミナトさんの意見はぶっ飛んでいたりするけど、ここは同意だ!
咲夜 : だよなー。うん、これが微妙だというのは大体の共通認識のはず。
神奈月 : 俺もそこは同感だなー。
真実とは何か : それが真実なのである!
「……え、何か問題がある感じですか!? えっと、内容を聞かせてもらってもいいですかねー?」
なんか他の皆さんまで同意してるんだけど!? 待って、待って、待って!? 説明欄を読んだ限り、そこまで問題があるとも思えないよ!?
サツキ : ふっふっふ! サクラちゃん、溜め攻撃は威力が凄いんだよ! そういう攻撃、どういう時に使う!?
「何を当たり前な事を言ってるんですかねー!? そんなの、一気に倒すのが目的……って、あー!? 高確率で死ぬから、『萎縮』の意味がないんですか!?」
屈強系統で進化した相手の溜め攻撃は即死級の威力があるから受けたらいけないのに、生き残ってる前提の『萎縮』効果だよね!? なんか本末転倒な気がする!?
ミナト : そうそう、何気に組み合わせが良くないんだよね。まぁそれの『萎縮』は確定だから、全く使えない訳じゃないんだけど……。
富岳 : 有効な相手となると……前にサクラちゃんが戦った山麓エリアでのボスのカメみたいな敵に限定されてな?
金金金 : なるほど、そういう感じになるのか。
「あの硬いカメみたいな相手じゃないと、真価を発揮しないんですか!? でも、あのカメなら毒や出血を狙った方がいい気もします……」
確かに微妙な反応が出てくる理由が分かった! 即死級のスキルを受けて、生き残った場合にのみ有効は確かに微妙かも!
ミツルギ : あー、でもライオンとしては屈強が低めのサクラちゃんなら使い勝手は違うかもしれん。
ミナト : あ、そっか。敵が生き残る可能性は高くなるもんね。
G : なるほど。それは少し盲点だったかもしれないな。
「……なんか複雑な気持ちになる理由ですね」
むぅ……確かに私のライオンは器用系統で進化してるから、屈強は勝手に育ってる分だけだもんね。屈強で育ててたら、今の器用くらいの数値にはなってるはずなんだから、低いのは確実!
「んー、今回は候補から外しておきましょうかねー? 他の2つほど、魅力は感じないですし……」
使い方次第では悪くはない気がするけど、なんだか残念な感じがしてるし……。
金金金 : 残念そうな狐っ娘アバター。いや、これってただ単に追加効果が微妙なだけだよな?
ミナト : あ、うん。ただ組み合わせが上手く噛み合ってないだけで、威力そのものは凶悪だよ?
ミツルギ : 凶悪だからこそ、追加効果が勿体ないってだけだな。
チャガ : まぁ噛みつくのに抵抗がある人には避けられがちなスキルでもあるが、サクラちゃんにその心配がいらんだろう。
「あ、威力自体は普通に強いんですね!? んー、でもやっぱり今回は外しておきます!」
硬い敵には毒か出血が有効なんだし、強引に硬い部分を突破する必要もなーし! 単純に威力が欲しいだけなら、獅哮衝波でもいいもんね!
だから、今回の選択肢からは除外なのですよ! さーて、他の候補を……うーん、もう今ある2択でいいかな? どっちも欲しいし、敢えて選択肢を増やす必要もない気がしてきた!
「今年の更新、これで最後だー!」
「……えーと、サクラがそれを言及しちゃう?」
「え、何か問題ありました?」
「まぁ別に問題って訳でもないけどさ」
「ふっふっふ! 次回の更新の時は、お年玉をお願いします!」
「だから、何度も言うけどこっちの時間軸でサクラには何も渡さないからね?」
「えー、ケチですねー!」
「……そういう問題ではないんだけど」
「それじゃ、来年こそは私の方の電子書籍化を――」
「……その確約は出来ないなぁ」
「何でですかねー!? あっちの電子書籍、結構出てますよね!?」
「こっちはサクラのイラストが欲しいけど、そうなると予算の問題とイラストレーターさんに依頼するってハードルがあるんだよ。時間的にも厳しいってのはあるけど……」
「ふふーん! そりゃ私の姿はしっかりと描いてもらわないと困りますし!」
「……正直、誰にどういう風に頼めばいいのかがよく分からないというのがね?」
「そういう理由なんです!?」
「誰かが代わりにやってくれる訳じゃないからね! 今の作業量に追加でと考えると……流石にしんどい。って、この話題はもういいよ!? 年末に何を言わせる!?」
「それではみなさん、良いお年をー!」
「おいこら、暴走主人公!? あー、まぁ来年もよっぽどの私生活の変化がなければ、変わらずに続けていきますので、来年もよろしくお願いします。さて、新年初の次回は『第590話 候補はいくつ?』です。お楽しみに!」
「それではまた来年ですね! まぁ明後日ですけど!」




