第47話 ここからの方針
さーて、左下に通知が出ていた事に気付いていなかったのは無かったことにして、ヘルプを見ていこう!
明らかに幼生体の木を倒したのに、進化ポイントが手に入らなかったのは問題なのですよ! どういう仕様になってるんだろ?
「えーと……敵よりも進化階位が上位の場合、成長体Lv5になるまでは幼生体からも進化ポイントは手に入るけど、Lv9以上じゃないと進化ポイントは手に入らないんですか!?」
えぇー! 折角ライオンを倒した後に乱獲しようと思ってたのに、何この仕様!? これじゃ乱獲して進化ポイントが稼げないよ! うがー! 進化ポイントを集めさせろー!
「はっ! もしかしてこれは乱獲防止の仕様ですか!」
ミツルギ : ま、そういう事だなー。
咲夜 : 幼生体を倒しまくるのが最適解になっちゃうから、その辺は仕方ない。
ミナト : イージーだから、その辺は少し緩めだけどねー。
あ、イージーって敵の強さとかじゃなくてそういう部分なの? んー、それだけじゃない気もするけど、そこは今はいいや!
「やっぱりそうなんですね。うーん、これって進化しないで乱獲してた方が進化ポイントが貯まったんじゃないです?」
というか、実際に私のライオンがそうやって進化ポイントを貯めてたもんね。進化したらそういう制限が出てくるのなら、あれをずっと続けてひたすら進化ポイントを貯めた方が良いよね!
うがー! それだと早くに進化したのが罠じゃないですかねー!? 皆さん、失敗したら詰むとか言いながら、そこで私を詰ませたいのかー!
チャガ : あー、それはそんなにおススメしないぞ。サクラちゃんが実況外でやってた時間ぐらいなら良いけど……やべぇ、これ以上言うとネタバレになる!
富岳 : そこの要素をネタバレなしで教えるの、無理じゃね?
イガイガ : 確かにそうかもしれん……。
真実とは何か : まさしくそれが真実である。
「え、ネタバレになる内容なんです!?」
ちょっと待って、私が実況外でやってた時間ぐらいなら良いってどういう事!? それ以上やると何かがあるの!?
ぐぬぬ、ものすごく気になる! 気になるけど、ネタバレは厳禁だし、ネタバレという事はその要素は後々どこかで出てくるはず!
「……非常に内容が気になりますけど、聞かないでおきます!」
金金金 : 俺も楽しみにしとくから、サクラちゃん一緒に出てくるのを待とうぜ!
ミナト : うん、それが良いと思うよー!
ミツルギ : まぁその内出てくるから、その時に説明するわー。
「はい、そうですねー! その要素が出てきたら、ミツルギさん、お願いしますね!」
こういう時にオフライン版を未プレイの金金金さんがいるとなんというか、ちょっと安心感があるよね! 知らないのが私だけじゃないっていう安心感!
そして公認アドバイザーのミツルギさんに聞けるというのもありがたい! さーて、それじゃ気分を取り直してやっていこー!
それにしても、これって幼生体を倒してみるまではどうしようもないよね? なんだかさっきの木は経験値もかなり少なかった気がするし、倒すまで分からないとか嫌ー!
あ、皆さんがあのライオンが多分Lv10とか言ってたのはその辺りが関係しているのかな? でも、多分って言ってたもんねー。
「……はっ! もしかして敵のLvを知る手段があるんですか!?」
それなら、この不満を覚える仕様にも対応は出来る! そっか、なんで私はその可能性に今まで思い至らなかったんだろう!?
ミツルギ : サクラちゃん、それは質問か? 質問なら答えよう。
イガイガ : ま、これもある意味ネタバレだからな。
「んー、そうですね……」
多分ミツルギさんのこの反応や、今の状況を考えると、そういう手段があるって事で間違いないと思う。
えーと、可能性があるとしたら多分スキルだよね? しかも今すぐにでも必要って感じもするし、既に取れる段階になっているのかも?
「ミツルギさん、ちょっと自分で探してみます! それが正解かどうか、もしくはそれでも分からなければ教えてください!」
ミツルギ : お、自力で探すか。そういう事なら了解だ。
咲夜 : サクラちゃんって、なんだかんだで自力で頑張ろうとはするよなー。
イガイガ : あー、確かに。……変な方向に行く事も多いけど。
チャガ : ま、オフラインゲームなんだから、そこは好きにやればいいとこだ。
金金金 : 何も調べず、確かめもせずに、聞くだけって奴もいるからなー。
ミナト : んー、まぁ聞くのが悪い訳じゃないけど、調べる努力はした方が良いよね。あ、サクラちゃん、私達は適当に雑談してるから、焦らなくていいからねー!
富岳 : 結論が出るまで、試行錯誤するといい。
「はい、分かりましたー!」
とりあえず今は皆さんの好意に甘えよう! でも、出来るだけ早くそのスキルを見つけ出して……それでも分からなければ、ミツルギさんに教えてもらおう!
そこから進化ポイントがいくら必要になるかは分からないけど、なんとかそのスキルを解放して使えるようにしないとね!
えーと、とりあえずスキルツリーを開いて……ありそうな場所と言えば、『生命』は回復関係だったから多分違う! 『屈強』と『器用』は既に第3段階までのスキルは全部解放済みでそれっぽいのはなかった!
『堅牢』も多分違うし、『俊敏』は……『見切り』とかあったよね? んー、でも何となくこれは違う気がする。となれば、残るは『知恵』のスキルツリー! よし、そこを見ていくぞー!
「あ、『知恵』のスキルツリーの第4段階に『解析略化』ってあります!」
まさしく今必要としているのは敵を解析するようなスキル! そして『解析略化』よりも前の段階にそれっぽいのがある! よし、とりあえずこの『識別』の詳細を確認です!
『識別』:アクティブスキル
敵の情報を識別し、把握する事が出来る。
うん、Lvとは書いてないけど、Lvだって敵の情報だよね! 私の結論としてはこれだー!
「ミツルギさん! 敵のLvを知るのに必要なスキルって『識別』で合ってますか!?」
もしこれで合っているなら、あと進化ポイント3を集めてしまえば獲得出来る! その先にある看破も気になるけど、流石にスキルツリーの先の方だから違うはず。
ミツルギ : おう! サクラちゃん、正解だ!
イガイガ : やっと、序盤の必須スキルに辿り着いたか。
咲夜 : 長かったなー。
チャガ : 識別を使わずに、マップと威嚇で代用するんだから驚きだったもんだ。
真実とは何か : だが、それこそが真実であった。
ミナト : あはは、まぁ過ぎた事は言わないのー。サクラちゃん、識別があればLvや進化階位も分かるからねー!
「えぇ!? 敵の進化階位も分かるんですか!?」
マップと威嚇で幼生体の判別してたけど、あれって識別の代用みたいな使い方だったんだ!? それにはびっくりしたけど、識別が無くても乗り切った私、ナイスなのさ!
「よーし、それじゃ次の解放するスキルの目標は識別で決定です! 皆さんの見立てではあのライオンは進化ポイントが手に入りそうなので、まずはそこを狙いに行きますよー!」
ミツルギ : サクラちゃん、頑張れ!
富岳 : それ以外にもまだ2体は倒す必要があるし、そこまでは俺らで進化ポイントが手に入る幼生体か判別してみるか?
咲夜 : あ、それはありだな。
イガイガ : 俺もそれは賛成だが、サクラちゃん的にはどうなんだ?
ミナト : サクラちゃん、その辺はどう? 絶対に正確とはいえないけど、必要なら私達の方で補佐するよ?
うーん、皆さんに幼生体がLv9以上かどうかの判定を任せるのかー。申し出は嬉しいんだけど、正直その甘え方は抵抗あるなぁ……。
金金金 : あ、思いっきり悩み顔になってる狐っ娘のアバター。
チャガ : あー、無理にとは言わねぇぞ? 別に必須じゃないし、焦らずに成長体を倒すという手もある。
「あ、確かにそれはそうですね! んー、とりあえずライオンは倒すとして、成長体とも戦ってみたいのでそっちの方向性でやっていきます! 皆さんのお気持ちだけ受け取っておきますね! ありがとうございます!」
うん、そうだよ! 何も格下の幼生体にこだわる必要はないのです! 私が成長体に進化したんだから、この草原にはいないかもしれないけど、どこかには必ず成長体がいる!
ミツルギ : サクラちゃんがそう決めたなら、それでいいぞ!
金金金 : そうなると成長体を狙いに他のエリアに移動する感じか?
ミナト : んー、まぁ今ならそういう事になるかなー。
イガイガ : まぁそうなるだろう。
金金金 : ……今は? あ、いやいい。これはネタバレ案件になりそうだ。
富岳 : ネタバレ厳禁は難しいな……。
チャガ : だよなぁ……。
ん? 今のって何かネタバレ要素があったのー? まぁ一切のネタバレを避けるのも難しいみたいだし、このくらいならネタバレ自体はされてないし、まぁいっか!
「あっ、夕焼けになってきましたねー! わぁ、幻想的です!」
スキルツリーの画面をずっと見てたから気にしてなかったけど、徐々に太陽が落ちてきて、草原が真っ赤な夕焼けに照らし出されているよ! うん、赤く染まった草原が良い景色だね!
「それじゃ、夕焼けをバックに、私のライオンを殺したライオンに敵討ちをしてきます!」
もうかなり近くまで来ているから、サクッと敵討ちを済ませて他のエリアがあると思う方向に出発なのさー! 川の下流に行けば泳げる深さになるらしいし、行くならそっちの方かな?
「ふと思ったんですけど、ネタバレ案件って多くないですか?」
「そりゃ多いよ。スキル周りだけでも、サクラが現状で見れる範囲でも結構なネタバレだし」
「あー、まだ具体的に見てないのも多いですもんね!」
「今のサクラが見れない部分の情報も山ほどあるんだから、そりゃネタバレ案件も多くなる」
「まだ1種族目ですもんねー! うん、言われてみればそうです!」
「視聴者さん達はその辺を知ってるからね」
「確かにそうですねー! ところで話は変わるんですけどここに一度ミツルギさんが来てたようですけど、あれって一度限りなんです?」
「今のところ予定はなし。正直、サクラをイジ……相手をするのが一番面……気楽だからね」
「今、イジるとか面白いとか言いかけましたよね!?」
「さーて、次回は『第48話 スクリーンショットと苦手生物フィルタ』です。お楽しみに!」
「あー!? そこでスルーはズルいんですよ!」