第376話 アイテムの採集
ふふーん、色々あるアイテムを採集していってるけど、回復用の果物に、毒消しのドクダミ、止血用のチドメグサとか結構手に入ってる!
「何気にちょいちょい果物に30%回復が混ざってきてますねー! ゲームが進むと回復アイテムの質も上がってきますけど、モンエボもその辺はあるんですね!」
ゲームとしてはよくある内容だけど、これは純粋にありがたいのですよ! 毒消しや血止めの補充も出来るのは助かるよね!
ミツルギ : まぁその辺はゲームではよくある話。
イガイガ : だよなー。回復アイテムの性能向上は、進めば進むほどに出てくるやつ。
水無月 : そういうのはよくあるよねー! それで、終盤の方になったら全快するアイテムが手に入ったりするんだよね!
神楽 : ゲーム全体を通して入手数が少ないから、逆に使い辛くてラスボスを倒しても結局使わないっていう!
神奈月 : あー、それは分かる!
「そういうアイテムありますよねー! 私は割とサクッと使っちゃって、使いたい時に全然足りなかったりしますけど……」
何形態かあるボスの1形態目で苦戦して、アイテムを使い切っちゃって2形態目はすぐに死ぬとか覚えがある! 敵は全快した上にパワーアップするのに、プレイヤーは弱ったままって結構理不尽!
「それにしても……全然出ませんね、『再誕の道標』」
もう結構な数は採集したはずだけど、まだ1個もお目にかかっていません! あれー? 成熟体になったら手に入りやすくなるって話じゃなかったっけ?
いなり寿司 : 咲夜さんのフラグ立てが、見事に成功したようだな。
サツキ : 絶賛お仕事中の物欲センサー! 働かなくていいいのにねぇ……。
咲夜 : 頼むから! 頼むから出てくれ! 『再誕の道標』!
「……なんだかどんどん出なくなっていってるような気がします」
咲夜さんが必死になればなるほど、逆効果な気がする! むぅ……物欲センサーが実際にゲーム内に用意されてる訳じゃないんだろうけど、どうしてこう欲しいと思ったアイテムが出ないんだろうねー?
まぁいいや! 出る方が確かに嬉しいけど、絶対に必要って訳でもないもんね。とりあえず採集をしてる合間に出てくれば……あ!
「やった! 『増幅草』が出ましたよ! なんか全然考えてなかった方ですけど!」
わーい! これ、レアアイテムって話だもんね! 次の進化にもまた必要になりそうだし、必要な個数自体も増えそうな感じだし、ここで1個手に入ってたのはありがたいかも!
サツキ : おー! サクラちゃん、おめでとー!
水無月 : レアアイテム、ゲットー!
ミツルギ : 物欲センサーが仕事をしてない時は、本当にレアアイテムでもポロっと落ちるもんだな。
こんにゃく : だなー。まぁこれは素直にありがたいやつだな。
「うふふ、ですよねー! いぇーい! レアアイテム、ゲットです!」
いつかは手に入れなきゃいけないものだし、その時になって慌てて探し回るよりは遥かに良いもんね! この調子でもう1個とか手に入ってくれても良いんですよー! 宝石系アイテムでも可!
ともかくまだまだ採集は出来そうだから、採集を続行なのさー! 採れるだけ採り尽くしちゃえ!
チャガ : こんばんはっと。あー、やっぱり少し遅れたな。……採集中か?
いなり寿司 : 色々アイテムを補充しつつ、『再誕の道標』を狙い中。ただし、物欲センサーが盛大に発動中だな。……咲夜さんの。
チャガ : ……なんで咲夜さんのだ?
金金金 : まぁ言わなくてもいい事を言った結果?
咲夜 : あの発言は取り消すから、お願いだから出てくれ! 『再誕の道標』!
こんにゃく : 以上、このような状況です。
チャガ : なるほど。この必死さを見る感じ、出やすくなった『再誕の道標』が本当に出てないのか。
「あ、チャガさん、こんばんはー! あはは、まぁそんな感じになりますねー!」
まさか本当に全然手に入らないとは思わなかったけど……。気にし過ぎたら余計に手に入らなくなりそうだし、無心で採集!
まぁ『再誕の道標』が手に入らなくても、色々とアイテムの補充は出来てるし充分だよね! あ、でも投擲用の小石や木の実の補充は出来てないから、どこかで手に入りそうなとこで採集しなきゃ! あんまり最近、投擲は使ってない気がするけど!
水無月 : ところで、サクラちゃん、そんなに採集してて大丈夫なの? こういう場所って、採り過ぎ防止をする敵が出てくるんじゃ?
ヤツメウナギ : あ、それを言っちゃうか!?
「……え? あー!? そういやそうでし……ぐふっ!」
な、何か横から思いっきり凄い衝撃が!? 盛大に吹っ飛ばされて、湖の中に落っこちたー! 待って、待って、待って! そういう敵が出てくる事を完全に忘れてた!
「ぷはっ! わっ!? なんか凶悪そうなクマがいますよ!?」
ぎゃー!? 昨日見た雄健なクマよりも一回りどころか二回りくらい大きい気がする! 爪を振り切った状態だけど……あの凶悪そうな爪で切り裂かれた?
ミツルギ : まぁそりゃ出てくるよなー。
イガイガ : 分かっていながら、あえて黙っているコメント欄の一同である。
水無月 : 分かってたのに、黙ってたんだ!?
サツキ : 私は出来るだけ気を遣って、下手に口出さない事にしたから! 余計な事は出来るだけ言わない!
咲夜 : 素で忘れてたんだけど!?
G : まぁ咲夜さんはそんな気はしてた。
いなり寿司 : サツキさん、そこは気遣いと言えるのか?
ミナト : あはは、ごめんね、サクラちゃん? サツキさんのそれはどうなんだろ?
「皆さん分かってて黙ってたんですか!? って、単純に忘れてた私が悪いだけですけど! というか死にかけです!? 『自己修復』!」
1撃でほぼ瀕死になってたし、全快には程遠い気休め程度の回復だけど、一応は回復! むぅ……『再誕の道標』は手に入ってないのに、死亡の大ピンチじゃないですかねー!? 地味に追撃はしてこない……じゃなくて、溜めてるだけじゃない?
「……どうせ勝てる気はしないので、これだけは見ておきましょうか! 『識別』!」
『強健なクマ』
進化階位:完全体
Lv:1
もう交戦状態に入ってるからお構いなしで識別したけど……これは、うん、無理!
「どう考えても絶対に死ぬやつですね! 格上の完全体じゃないですか! 完全に殺しに来てますよねー!?」
完全体への進化が未成体と同じでLv30になってからだとしても、それでもLv20以上は違うし、進化階位まで上だと一気にステータスが上がってるだろうから、どうしようもないよ!?
金金金 : よく即死にならなかったな? これ、相当な差があるだろ。
ミナト : うん、無茶苦茶な差があるねー。死ななかったのは、スキルも何もなしで薙ぎ払っただけだと思うよー?
富岳 : スキルを使ってたら、どう考えても耐えれてないな。まぁこういう敵の出現は警告の意味も兼ねてるから……あえて、初撃は生かされるんだが。
ミツルギ : そして2撃目で、凶悪な1撃を入れてくる。
「今まさにその状態ですよね!? 待って、待って、待って!? なんかあのクマの爪が光り始めて始めてるんですけど、あれってなんで――」
<サクラ【巧妙なライオン【雷】】が死亡しました>
<死亡した為、リスポーンとなります。リスポーンの手段を選んでください>
あ、最後まで言う前にクマが突進しながら爪を振り下ろしてきて……あっさりと死んだ。なに、あの光ってる爪!? なんだかこれまでの攻撃とは格が違ってたような気がする?
水無月 : おぉ、なんか凄い攻撃だったね! なんか光ってた!
金金金 : エフェクトとして光る攻撃ならオンライン版でもよく見るけど、オフライン版でもそういう要素はあったのか。
ミツルギ : まぁ見ての通り、あると言えばあるんだが……この出現方法の敵は、やっぱり法則から外れてくるよなぁ。
「え、そうなんです?」
というか、オンライン版で光るスキルってあるんだね! あ、でも強力な攻撃ってのが一目で分かるのはいいのかも? 爪での攻撃とか、スキルなのか、普通の通常攻撃なのか、見た目じゃ分かりにくいもんね。
敵がスキルを使用したみたいな表示は出ないし。まぁ何となく溜めてる攻撃は雰囲気で分かるけど、それでも今あるのより強力なスキルに見た目の変化があるのはいいね! うん、単純に忘れてただけだけど、完全体の敵が見れてよかった!
富岳 : あの手の光るエフェクト付きのスキルは完全体になれば出てくるんだが、完全体になりたてで解放するには厳しいんだがな。
神楽 : あ、そっか。今の、完全体でもLv1だったもんね。
金金金 : なるほど、だから法則から外れるのか。
ミツルギ : そういう事だなー。
ヤツメウナギ : まぁ今の時点で完全体が出てくる方が異常だから、この手の手段で出てくる敵は例外も例外だ。
ミナト : そうなるねー! それはそうとして……サクラちゃん、目の前!
「なるほど、色々あるんですね……って、目の前ですか? ぎゃー!? ランダムリスポーンしてるのに、全然場所が変わってないじゃ――」
<サクラ【巧妙なライオン【雷】】が死亡しました>
<死亡した為、リスポーンとなります。リスポーンの手段を選んでください>
またさっきのクマがいて、また光ってる爪で斬り殺されたよ! ランダムリスポーンだからどこに出るかはランダムだけど、今のって意味ないよねー! 復活して即座に殺されたもん!
うぅ、今度はちゃんと離れた場所に出てください! もう1度、ランダムリスポーンで! ……結局、あそこの採集では『再誕の道標』は手に入らなかったね。
「……死にました」
「調子に乗って、この要素を忘れて採集してたサクラの自業自得でしょ?」
「それはそうなんですけど、2回死ぬのはなんか納得がいかないんですけど!?」
「ランダムだからねー。まぁ死に芸の見せ場にはなってるよ」
「死に芸じゃないんですけど!?」
「とりあえず今回の配信中の死亡ノルマは達成って事で――」
「ノルマにしないでもらえませんかねー!?」
「なら、死亡確定の状況は自分から作りにいかないようにね?」
「うがー! 確かにそれはそうですけど!」
「さて、いつものサクラの死亡もあったし、ここで宣伝です! 電子書籍版『Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜』の第6巻、本日より発売開始!」
「……何気に、もう6巻まで出たんですね?」
「まぁ先はまだまだ長いけどね」
「こっちの電子書籍化はまだですかねー?」
「なんか電子書籍の話題を出す度に言ってない?」
「そりゃそうですよ! 私としては、自分の出る方の宣伝が欲しいです!」
「まぁ余力が出来たらねー。さて、次回は『第377話 早くも死んでから』です。お楽しみに!」
「どういう場所にランダムリスポーンですかねー?」




