第304話 新たに解放するスキル
ぐぬぬ、2択かと思って悩んでたら、まさかの3択目が現れるとは! でも、敵の攻撃範囲を予測するスキルって魅力的! 気になる部分もあるけども!
「この『見切り』の説明文にある大雑把って、どの程度大雑把なんですかねー?」
ここ、かなり重要な部分なはず! まぁ攻撃が来るって分かるだけでもありがたい気はするけど、どの程度かは知りたいもんね!
サツキ : 凄い大雑把だよー! 攻撃がくる方向がざっくり分かる程度!
いなり寿司 : 『見切り』はモンエボに慣れれば慣れるほど、不要になっていくスキルだしな。でも、1種族目のサクラちゃんにとっては有効か。
富岳 : 何が大雑把かというと、攻撃のくる範囲が雑な感じだ。示される範囲が大雑把なんだよ。
ミツルギ : Lvが上がって精度が良くなれば、正確な範囲に絞られてくるんだけどな。
「おー、それはそれで充分便利じゃないです? 攻撃の方向が分かるだけでも、ありがたいですよ?」
奇襲で何度も死んでる事を考えたら、それでもかなり便利な気がする! うーん、でも他のとの兼ね合いもあるもんね。取れるなら上げてくれたスキルを全部取りたいくらいだけど、流石にそれは無理だもん……。
G : 大事な事を忘れてるぞ! 『見切り』の有効範囲は、『看破』と同じだ! 視界内の敵にしか反応はしない!
いなり寿司 : あ、そういやそうか。
ヤツメウナギ : 慣れたら本当に使わなくなるスキルだから、すっかり忘れてた……。
金金金 : オンライン版の『危機察知』みたいなもんかと思ったけど、そうでもないのか?
ミナト : 結構違うけど見えてる範囲でなら性質自体は近いかな? ただ、見えてない敵には無意味なんだよね。そこら辺をサクラちゃんがどう判断するかだねー!
こんにゃく : あとは、使いたい時は毎回発動しておく必要もある部分が面倒ではあるな。使用中でも他のスキルは使えるから、使用感は『看破』に近いぞ。
「なるほど、そういう感じですか」
うーん、視界外からの奇襲防止には使えないのは、少し残念。使用感は看破に近いなら、普段使い自体は出来そう? でも、ボス戦では有効な気はする! 1種族目なら有効っぽいし、この辺は色んな攻撃を見慣れてくれば不要になるみたいだよね。 でも、初見が多い私には有効だよね!
「色々制限はあるみたいですけど『見切り』も欲しいとこですね! でも、進化ポイントが微妙です……」
使える進化ポイントは22までだし、第4段階で7、第5段階で10は消費するもんね。取れて2つまで……って、あれ? 少しだけオーバーしてもいいなら、第4段階を2つ取った上で、第5段階を1つ取れる? これなら24で済むから、敵を2体倒すのですぐに取り戻せる範囲かも!
サツキ : 何かを閃いたサクラちゃん!
金金金 : そんな感じの顔の狐っ娘アバター!
「はい、ちょっと思いつきました! 『見切り』を解放した上で、堅牢の『踏ん張り』『躱し身』セットか、器用の『縄張り』『畏怖の気迫』セットにするのはどうですかねー? これなら進化ポイント24で済みます!」
流石にオーバー分が10とかになったらダメだけど、2くらいなら許容範囲! これくらいならエリアボスのウサギのとこに辿り着く前に取り戻せる可能性も高い!
ミツルギ : あー、少しオーバーするけど、『見切り』を確実に取っていく方向か。いいんじゃないか?
イガイガ : まぁ進化ポイント2くらいなら、それほど手間でもないしなー。
名無しのカカシ : それで良いと思うぞー!
サツキ : その方向で決定ー! あとは堅牢にするか、器用にするかを決めないとね!
咲夜 : これはあれだな! サイコロの出番だ!
「そうですね! 移動方向を決めるサイコロは、結果的にはほぼ無意味だったんで、改めてやりましょう!」
ふふーん、悩んだ時のサイコロ頼みなのですよ! 自分だけでやってるなら結論が出るまで悩み続けてもいいけど、配信中に視聴者さんを待たせすぎるのも駄目だもんね!
「あ、その前に『見切り』を解放してしまいますねー!」
こっちは確定事項だから、サクッと解放で問題なし! という事で、俊敏のスキルツリーを表示なのです! そして、こうなのさー!
<『俊敏』第4段階:スキル『見切り』を解放しました>
進化ポイントを7使って、解放は完了! 実際の使用感は、使ってみないと分かんないもんね! 少なくとも、敵の攻撃を予測できるのは邪魔にはならないはず! これから挑みに行く相手はエリアボスなんだから尚更に!
サツキ : サクラちゃん、パワーアップ!
ミツルギ : まぁ『見切り』については、実際に使ってみてどう思うか次第でもあるからなー。
神奈月 : 慣れたら不要になる事が多いだけで、性能自体が悪いわけでもないしな。スキルLvは上げておきたいとこだが。
名無しのカカシ : 強烈でのエリアボス相手なら、かなり有効なはず!
いなり寿司 : 折角解放したんだから、使うのを忘れないようにしろよー!
「使い忘れたら意味がないですもんね! そこは気を付けます!」
解放したての新スキルなんだし、使用を忘れたら何の意味もないもんね! 他にも新スキルがこれから増えるんだから、使い忘れには要注意!
「さーて、サイコロに運命を託しましょう!」
場合によっては戦闘スタイル自体が変わってきそうだし、ここは本当に分かれ道な気がする! まぁ別に絶対にその方向だけでしか戦ったら駄目って事はないんだろうけどね!
咲夜 : お待ちかねのサイコロタイム!
水無月 : ワクワク!
サツキ : どっちになるかなー?
「それじゃ和室の方に切り替えますねー!」
という事で、本日2回目のサイコロタイム! 1回目の結果はほぼ無意味になっちゃったし、2回目には頑張ってもらうのですよ! 私の強化の行く末は、このサイコロで決まる!
いつものように手早く箪笥の中からサイコロと笊を取り出して……くる必要はなかったよ! さっき出したまま片付けてなかったから、そのまま机の上に残ってた! まぁこの方が早く済むから別にいいや!
ミツルギ : あ、地味にサイコロは出しっぱなしだったのか。
サツキ : すぐに使うんだし、問題なーし!
こんにゃく : 出しっぱなしでも消える事はないんだな?
ミナト : VR空間自体を消すまでは、そのまま保持されるからねー。その辺は配信用でも、個人用での変わらないよー! 配信機能があるかどうかだけの違いだしね。
こんにゃく : あぁ、なるほど。それなら納得。
んー? 配信用と個人用ってデータ自体は同じだよね? うん、そこは間違ってないはず? あ、それなら姉さんが作ったあの綺麗な桜のある和室でも配信しようと思えば出来る? ……うん、それは却下! あれは表には出さない憩いの場所!
富岳 : 今回は2択だから、丁半だな。出目が丁……偶数で堅牢の『踏ん張り』『躱し身』、半……奇数で器用の『縄張り』『畏怖の気迫』を解放でいいか?
「はい、それで問題ないです! 富岳さん、いつもありがとうございます! それじゃいきますよー! えいや!」
笊の中にサイコロを放り込んで、振って、机の上に置く! そしてサイコロの転がる音が止まったら、笊を上げて出目を確認! さぁ、丁か半か、どっちかなー?
「えっと、出目は3なので半ですね! 器用の『縄張り』と『畏怖の気迫』に決定です!」
ふっふっふ、どうやらサイコロは私に遠距離攻撃の道を進めと言っているようだね! 確か、最初にサイコロで進化先を決めた時も器用になってたし!
サツキ : 『縄張り』で決定! いぇーい!
咲夜 : 提案した人が思いっきり喜んでる。
いなり寿司 : そりゃそうだろうなー。
ミナト : 本格的にこれは遠距離攻撃の方向に定まってきたかなー?
富岳 : ここからサクラちゃんがどう使っていくかが見物だな。
ミツルギ : だなー。
「色々と戦い方が変わりそうなので、これは実際に使ってみて慣れないとですね! それじゃ解放しにモンエボに戻します!」
サイコロは……うん、そのまま残しててもいいや! 今日の配信中にまた使う事もあるかもしれないしね!
という事で、モンエボの操作に切り替え終了! 解放するスキルは決まったし、サクッと解放していこー! 器用のスキルツリーに切り替えて、まずはこっちから!
<『器用』第4段階:スキル『縄張り』を解放しました>
うふふ、第4段階まではスキルツリーは2ルートだけど、これで器用のスキルツリーは第4段階まで全て解放!
まぁ生命と知恵もそうなってるから、別に特別凄いって事でもないけどね! それじゃ次をいってみよー!
<『器用』第5段階:スキル『畏怖の気迫』を解放しました>
これにて解放は完了! 進化ポイントを24使っちゃったから、残りは54! エリアボスの討伐分で手に入る進化ポイントを含めて考えてるから、これからそれも含めて3体の撃破は必須だね!
水無月 : ところでサクラちゃん、今ふと思ったんだけど昨日気にしてた『自己修復』はいいの?
イガイガ : あっ!?
富岳 : ……そういえば、気にしてたっけ?
ミナト : しまった、完全に忘れちゃってたよ……。
「ぎゃー!? そういう選択肢もあったんでした!?」
うがー! あれはあれで回復面では優秀そうなスキルだったんだから、今回の強化の目的とは一致してたはずなのに、なんで忘れてたのー!? 私の間抜けー!
うぅ、せめて解放する前に気付いて欲しかったけど……忘れてた私が悪いよね……。もう過ぎた事を気にしても遅いし、そこは次にスキルを解放する時に考える事にするのです!
「……やっぱりこうなったか」
「もう定番ですからね!」
「……しかも縄張りの方を引き当てるとは」
「あれ? 何か問題なんです?」
「いや、別に問題って訳じゃないんだけど、毎回本当にサイコロを振ってるのに、なんでそう器用の方ばっかに行くのかと……」
「それはサイコロが私に器用の道を進めと示しているんですよ!」
「それ、本当に冗談に聞こえなくなってきてるんだよねー」
「まぁ良いじゃないですか! 困る事は特にないですし!」
「簡単に言ってくれるね、この暴走主人公は!?」
「いえいえ、それほどでも! これからも私、サクラにサイコロ任せで頑張っていけと応援してくれる方はブックマークや評価をお願いします!」
「それは果たして、応援と言うのか?」
「さぁ? まぁ応援してくれる気持ちがあれば私としては充分ですよ!」
「……はぁ。さてと、次回は『第305話 お試しの縄張り』です。お楽しみに!」
「次回も頑張っていきましょう!」




