第295話 どの方向へ?
ふふーん、高原エリアに来て早々にエリアボスに殺されたけど、メリットは結構あるから気にしなーい! まぁ絶対にぶっ倒すけど!
「さーて、南に進むのはなしとして……どの方向に進みましょうかねー?」
東と西はどの程度エリア端から離れてるかが分からないんだよねー。西なら光湖の森の木々が見えても良さそうな気がするけど、暗いせいで見通せないのか、遠いから分からないだけなのかが区別が出来ない!
ミツルギ : この状況なら、マップが解放になるまでは北に向かうのが無難か?
富岳 : 北の端まで行くより先にマップは解放になるだろうし、そこで現在地を確認するのが良いだろうな。
いなり寿司 : あー、確かにそれが無難?
ミナト : まぁ無難なのはその辺りだろうけど、サクラちゃんの好きに進んでいけばいいよー!
咲夜 : いきなり来るか、今日のサイコロ!
サツキ : おー、それもいいね!
「折角なんで、そうしましょうか!」
昨日のサイコロは決めるだけで移動は実況外のプレイになっちゃったし、ここはやっておくのもありだね! そうと決まれば、すぐに配信用の和室へ切り替え!
咲夜 : よしきた!
サツキ : サイコロタイム、始まるよー!
金金金 : 相変わらず、慣れた作業は手早い!
水無月 : どの方向になるかなー?
皆さんがコメントしてくれてる間に、手早く箪笥からサイコロと笊を取り出してきて、再び机の前に座る! これにて準備完了!
富岳 : 今回は東、西、北の3択か?
「えーと、一応そうなりますかねー? 東か西がエリア端に近くて、もしエリア切り替えになったら即座に引き返す感じにしましょうか」
西の端の方は情報が何も状態だし、すぐにエリア切り替えになる可能性もあるもんね。もしそうなった場合の対処はこれで!
水無月 : あ、そっか! そういう事もあるんだよね!
ミツルギ : 正直、その可能性が考慮に入ってたのが意外。
イガイガ : それは確かに!
咲夜 : これは雨でも降るのか!? あ、そもそも普通に降りそうだった。
チャガ : 大概失礼だよな、お前ら。
「チャガさんの言う通りですよ! その扱いは失礼じゃないですかねー!?」
私がエリア切り替え先の事を気にしてるのがそんなに不自然なの!? 失礼しちゃうね! 元々雨は降りそうだから、そこは私は関係ないし!
金金金 : 怒り顔の狐っ娘アバター。さては、この表情を見る為にわざと言ってるのか!?
こんにゃく : ……なるほど。サクラちゃんは怒ってても、迫力はないからなー。
G : 可愛いは正義だからな! 気持ちは分かる!
サツキ : ストーップ! 止めて、止めて、止めてー! 本気で怒った時のサクラちゃんの表情ってこんな感じじゃないから! 無言の無表情で本気で怖くなるから、それ以上は言っちゃダメー!
「……サツキさん、余計な事を言い過ぎじゃないです?」
サラッと何を言ってくれてるんだろうね、姉さん? 思いっきり個人情報の暴露は止めて欲しいんだけど……。なんか前にも同じような事を言ってたような気もするしさー。
サツキ : ひっ!? サクラちゃん、今のはごめんなさい!
金金金 : ……なるほど、こういう事か。
ミツルギ : なんかすまんかった……。
こんにゃく : うん……俺も悪かった。
咲夜 : すみませんでしたー!
イガイガ : あかん、これは本気で怒らせたら駄目なやつだ。すみませんでした!
「……いえいえ、怒ってないですよー?」
怒ってないですとも、姉さん以外には! ふぅ……落ち着こう。ここで姉さん相手に怒っても特に良い事も無いし、配信の最中だもんね! とりあえず深呼吸して、すーはー! うん、落ち着いた!
「さて、それじゃ気分を取り直してサイコロを振っていきましょう!」
富岳 : 3択だし、出目が1か2なら東、3か4なら西、5か6なら北ってとこか。
いなり寿司 : 選択肢の提示役は、富岳さんになってきてるよな。
水無月 : あ、そういえばそうだね?
ミナト : まぁありがたいし、富岳さんがいいならいいんじゃない?
富岳 : この程度なら、俺としては構わんぞ。
「いつもありがとうございます、富岳さん! これからもよろしくお願いしますねー!」
やってくれるのであれば、私としても助かるもんね! 自分でやると、変に見落とす事もあるかもだし!
富岳 : おう、任せとけ。さて、長々とこっちでやってても仕方ないし、サクッと済ませちまおう。
名無しのカカシ : こんばんは……って、いきなりサイコロー!? え、何を決めてるやつ?
チャガ : 高原エリアにてエリアボスと遭遇しての死亡。そこからランダムリスポーンした先から、どの方向に進むかを決めるやつだな。
名無しのカカシ : ……マジ? あー、そうなるともう未成体の最大Lvは判明したのか。
咲夜 : それ以上は言ったら駄目だ! 地味に見そびれたとこだから!
名無しのカカシ : ……はい? え、どういう事? エリアボスに倒されたと分かってるのに、Lvが分かってないって……あぁ、看破が切れてたのか! いや、タイミング的に発動前だった?
「うーん、その辺はなんとも説明しにくいので、アーカイブを見てもらう方が確実ですね!」
具体的に何があったか自体は説明しようと思えば出来ない訳じゃないけど、話が先に進まなくなるもんね。アーカイブに残すんだから、そこら辺は自分で確認してもらおう!
名無しのカカシ : あー、それもそうだな。そうするわー。
ミナト : さて、サクラちゃん! それじゃそろそろサイコロを振っていこう!
「そうですね! それじゃいきますよー! えいや!」
マップを解放するのが今の目標であって、その時に進む方向を決めるのはおまけだもんね。結構脱線しちゃった気もするし、サクサク進めていこー!
笊の中に放り込んだサイコロを振ってから、机の上に置いて……カランカランと音がして、その音が消えた! よし、ここで笊を持ち上げて出目を確認!
「えっと、出目は2ですね! それじゃ進む方向は東で決定です!」
ふふーん、高原エリアの東側はまだ未知のエリア! エリア切り替えまで行っちゃうと困るけど、マップがまだ解放されてない状態だし、そうなったらそうなったで仕方ない!
水無月 : どんな風に進んでいくかなー?
ミツルギ : そればっかりは、実際にやってみないとなんともなー。もうちょい目印があるエリアなら、それなりに現在地の見当もつくんだが……。
ミナト : 北と南の判別は高低の違いで出来るんだけどねー。西と東は、夜だと特に分かりにくいし。
「ミナトさんでも分かりにくいエリアなんですね!? それはびっくりです!」
ミナトさんならマップが無くても今がエリアのどの辺にいるのかを把握した上で、何にも言わないのかと思ってた! そっか、ミナトさんでも分かりにくい……ん? 分からないんじゃなくて、分かりにくいの?
「えっと、ミナトさん、ちょっと質問をいいですかねー?」
ミナト : ん? 別にいいけど、どうかした?
「実は、私が今どの辺にいるのかって分かってたりします?」
思い切って聞いてみたけど、返答はいかに!? 普通に分かってるって答えられても、ミナトさんなら不思議じゃない!
ミナト : 今の場所ならある程度はねー。2ヶ所までは候補は絞れてるんだけど、そのどっちかが確定出来てない感じかなー。
ミツルギ : ここの高原エリアでそういう事が出来るのか!?
G : 2択まで絞れてるってマジか!?
富岳 : 実力派のサファリ系プレイヤーは、こういうところが恐ろしい……。
ミナト : あはは、そんな事もないけどね。その2択が西寄りか東寄りかの違いがあって……えーと、サクラちゃん、モンエボの方に戻せる? 確定は出来ないけど、目安になる場所を教えるから。
「あ、はい!」
ミナトさんでも確定出来ない内容なら、聞いてもネタバレにはならないよ! まぁ聞いても意味がない気もするけど、教えてくれるのなら聞いておこー! という事で、モンエボの操作に切り替え!
ミナト : そこから北の方、薄暗くて見えなくなる寸前くらいのとこに木があるのは分かる?
「……えーと、あ、はい。多分、これかな?」
言われるまでその方向に木がある事すら気付かなかったけど、ギリギリ見える範囲に木があるのは確かだね! これが目印……?
ミナト : 多分だけど同じデータっぽくて、全然見分けがつかない木がもう1ヶ所あるんだけどね。昼間だったら、その木で出来る影の向きで断定できるんだけどさー。月明りでもある程度はいけるんだけど、あいにくの天候だし?
富岳 : あぁ、影での判断か。確かに似たような木があったような気もするが、同じデータなのか。
ミツルギ : 高原エリアに何本か木が生えてるのは分かってたけど、同じデータとか気付きもしなかったわ!
咲夜 : 恐るべき観察力!?
いなり寿司 : 影の向きで、方角のチェックか。マップが無い時にしか使わない手段じゃね?
名無しのカカシ : それは確かに……。
「……あはは、確かにそうですね」
マップが解放されたら方角や座標も表示されるようになるんだから、必要な手段かと言われると特にそんな事はなさそう? それにしても簡単な風に言ってるけど、相変わらずミナトさんの観察力は凄いなー!
「ミナトさん、教えてくれてありがとうございました! さーて、それじゃ東に向かって出発です!」
時間があったら、その同じデータっぽい木を自分でも見比べてみたいかも? まぁその辺はマップを解放してからだね!
「新年あけましておめでとうございます! 今年もよろしくねー!」
「いきなり元気だね、サクラ。改めまして、新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「という事で、お年玉を下さい!」
「遠慮の欠片もないね!?」
「え、私は作者さん相手には遠慮しませんよ?」
「堂々とした、図々しい発言!? だったら、お年玉代わりにあっちの電子書籍版をあげるから。あ、無料キャンペーンは明日の17時までとなっていますので!」
「むぅ……地味にまた宣伝を混ぜてきますね!?」
「そりゃまぁね? ぶっちゃけ、ここでの更新は1円にもならない訳で……」
「流石にその内容は直球過ぎません!?」
「……お金は執筆を継続し続けられるかに影響はあるから。まぁ新年早々にお金の話をしてても仕方ないね。それにしても相変わらずのサイコロかー」
「まぁもうこれは定番コーナーですし!」
「それはそうなんだけど……もう今更か」
「今からやめようとしても、駄目ですもんね! これからもどんどんサイコロで決めていけーと応援してくれる方はブックマークや評価をお願いします!」
「……どうなろうとサイコロなのは変わらない気がするけど、意味あるの?」
「意味はないですね!」
「断言しちゃったよ!? さて、それでは次回は『第296話 東に進もうとして』です。お楽しみに!」
「今年一年も頑張りますよー!」